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三十八 結婚式

 最終決戦から数ヶ月後。

 「んー。朝か。」

 涼平は目を覚ます。

 「ん?」

 涼平は何か違和感を感じる。自分の身体にいつも以上の重さを感じる。何かが涼平の身体の上に乗っている。

 「なっなんだ?」

 涼平は掛け布団をめくるとそこには裸の美影がいた。

 「みっ美影!」

 「あら、涼平さん。おはようございます。昨日の夜は激しかったですね。」

 美影が起き上がる。裸なので当然美影の慎ましやかだが形の良い胸が、ピンクの先端まで丸見えだった。

 「えっ?俺、昨日の夜の記憶全くないんだけど・・・。」

 涼平の背筋が凍る。昨日は前夜祭で日を越すまで皆ではしゃいでいた。涼平もはしゃぎにはしゃぎまわっていた。けど、その後の記憶がない。

 「もう、涼平さんったら。記憶がないって言っても昨日の過ちは消えませんよ。ライトさんに知られたら、一大事ですね。」

 美影はニヤニヤと笑う。

 「どうなってるんだ?」

 コンコン

 「お兄ちゃん、入るよ。」

 涼平が混乱していると、ノックがなりラナが入ってくる。

 「お兄ちゃん、今日は大事な日なのに寝坊はダメ・・・。」

 ラナは話しながら部屋に入ると、とんでもない光景を見てしまい言葉が止まる。

 「あら、ラナさん。おはようございます。」

 「おっお兄ちゃん。何してるの?まさか美影さんと寝たわけじゃないよね?」

 ラナの冷たい視線が涼平に向けられる。

 「いや、俺は記憶がなくて・・・。」

 「大丈夫ですよ。これはただの寝起きドッキリです。私はまだ涼平さんとは寝てませんよ。」

 「良かった。」

 涼平は安心する。今日は大事な日だと言うのに美影と寝ていたとなれば、もう二度とライトに顔向けが出来ないところだった。美影の言葉のまだと言う部分に引っかかる所はあるが、今はスルーしておこう。

 「とにかくお兄ちゃん準備して。ライトお姉ちゃんはフレアちゃんともう式場に行ったよ。それに美影さんも準備必要でしょ。」

 「分かった。」

 「そうですね。私もそろそろ準備しますか。」

 涼平はベッドから出て慌てて準備を始める。

 今日はライトとの結婚式の日。最終決戦の時にライトに誓った約束を果たす時。流石に人間界で式は挙げられないので、アランのつてを頼って魔界で式を挙げることになった。参加メンバーはほぼ身内だけの小さな結婚式だが。昨日はその前夜祭。涼平はクロやアランといった男子メンバーで盛り上がっていた。

 一つ言い忘れていたことがあった。ゼルアのことだ。ゼルアはシンラの守護者であったので、シンラが封印を解除して死んだ日でゼルアは守護者じゃなくなった。その結果、最終決戦から数日後に亡くなった。

 涼平としても数少ない仲間が減ってしまったことは悲しいが、きっとゼルアはシンラと一緒に天国からこの結婚式を見てくれるに違いない。そう信じている。

 涼平は朝食を軽く食べ、服を着る。鏡を見ながら身だしなみを整えて準備バッチリだ。美影に式場まで繋ぐ扉を作ってもらう。移動時間がゼロで済むのは助かる。

式場に着くとすぐさま控室に行く。涼平は部屋にある椅子に座る。

 「お兄ちゃん、今日の段取りは分かってるんだよね。」

 結婚式当日に寝坊するような兄が心配になる。

 「大丈夫。そこまでやることが多いわけじゃないしな。」

 「お兄ちゃん、結婚式は女の子にとってとても大切な日なんだよ。ライトお姉ちゃんのためにもしっかりしないと。」

 「分かってるよ。」

 ラナに結婚式の流れを確認をとられながら式の開始時間を待つ。

 時間になり涼平は式場に入る。式場には既にみんな座っていた。ライトと美影を除く神様五人、クロ、涼平の魔界の知り合いであるアラン、ヴィル、フブキ、そして妹であるラナが参加メンバーだ。まさか、フブキまで参加するとは思わなかった。涼平がフブキと一緒にいた時期なんて一年とかそこらだろう。願わくば、大樹たち人間界の友達も誘いたかったが魔界の式場には連れてこられない。

 涼平はヴァージンロードの先で新婦となるライトが来るのを待つ。

 「新婦、入場します。」

 式場の扉が開く。美影に連れられて花嫁姿のライトがヴァージンロードを歩く。新婦の親であるシンラはもういないので、美影が代わりを務める。主な理由としては一番長生きしていることと、美影とライトの友好の証としてだ。

 美影はライトを涼平の元まで連れて行ったあと、用意された席に座る。

 涼平とライトは横並び立会人である神父の方を向く。

 「新郎黒井涼平さん。あなたは新婦ライトさんを妻とし、病める時も健やかなる時も、悲しみの時も喜びの時も、貧しい時も富める時もこれを愛し、これを助け、これを慰め、これを敬いその命ある限り心を尽くすことを誓いますか?」

 「はい。誓います。」

 「新婦ライトさん。あなたは新郎黒井涼平さんを夫とし、病める時も健やかなる時も、悲しみの時も喜びの時も、貧しい時も富める時もこれを愛し、これを助け、これを慰め、これを敬いその命ある限り心を尽くすことを誓いますか?」

 「はい。誓います。」

 涼平たちは永遠の愛を誓う。そして、お互いに向き合う。

 (可愛いな。)

 ライトと向き合って目と目が合う。ライトの花嫁姿をまじまじ見ると、普段とは違う可愛さがある。今日しか見れない珍しさが相まっているのかもしれない。

 「それでは誓いのキスを。」

 涼平とライトはキスをする。

 そして二人でヴァージンロードを歩き式場を出る。


 場所は変わり披露宴会場に移る。人間界の結婚式であるような、新婦が感謝の言葉を述べたりとか友人代表が挨拶したりするが今回はない。ライトの親はもういないし、涼平の友人も美影くらいしかいない。だから、そんなことをするよりもみんなでどんちゃん騒ぎをした方がいいという結論に至った。ただ、ライトの要望でケーキ入刀だけはやることになった。初めての共同作業は大切にしたいとのことだ。

 ケーキ入刀をした後は、料理を食べながら色々な人と話した。アランとヴィル、クロとは昨日の前夜祭で散々語りつくしたので軽く済ませる。美影やフレア、ラナとも散々語ったので今さら話すこともない。リーフやレイ、アクアとは今ライトが話しているので後回し。そうなると涼平が話すのは一人だ。

 「フブキさん、お久しぶりです。まさか結婚式に参加してくれるなんて思いませんでしたよ。」

 涼平はフブキに話しかける。フブキとの付き合いは本当に短かったし、部隊にいた時も余り絡んだ記憶がない。何なら自分よりも妹のラナの方が世話になっている。魔法の特訓とかで。

 「まあ、アランちゃんに誘われたら断りにくいでしょ。それにリィトちゃんにも久しぶりに会って見たかったし。」

 フブキはお酒を飲みながら話す。どうやらフブキはアランに誘われたらしい。

 「来てくれて嬉しかったです。俺には魔界での知り合いが少ないですから。」

 「ふふふっ。そう言ってくれると嬉しいわ。ところでリィトちゃん。あんな可愛い女の子どこで引っかけてきたのよ。」

 「それはですね・・・。」

 この後、十五分くらい酔ったフブキにダル絡みされた。


 その後も涼平は結婚式に来てくれた方にあいさつ回りをする。

 「リーフ、レイ、アクアも結婚式に来てくれてありがとな。」

 ライトとの話が終わりがフリーになっていた三人に話しかける。

 「おめでとう。けどいいなあ、結婚。私も誰か相手探そうかな。」

 リーフは結婚したライトが羨ましそうだった。リーフは人間界の調査を担当してきて、人間界の文化に多く触れてきた。その中には当然恋愛ものも多く含まれている。リーフは興味自体はあったが、神様だから恋愛は出来ないと思っていたらしい。初期のライトと同じ状態だ。

 「時間をかけていい相手を見つければいいと思うぞ。」

 リーフの見た目は非常に優れている。リーフに言い寄られたら、一瞬で恋に落ちてしまうだろう。だから、リーフは自分の気に入る男性が現れるまでずっと待っていればいい。寿命は永遠なんだから。

 「・・・おめでとうございます。」

 レイは一言で祝福する。

 「ありがとう。」

 この結婚式までにレイと何度か話したが、レイはコミュニケーション能力が低いのではなく、単純に口数が少ないだけということが分かった。

 「これからもライトのことよろしくな。」

 「・・・うん。」

 レイはコクリと頷く。

 「ご結婚おめでとうございます。結婚生活で何かありましたら、ぜひ私を頼ってください。」

 「ありがとな。」

 アクアは凄く真面目でいい子だ。これからの生活の中で頼る場面と言うのが出てくることもあるだろう。

 「アクアもたまには人間界に遊びに来いよ。いつでも待ってるからな。」

 アクアは現在、神界の管理人みたいな仕事をしている。神界にあるいくつかの建物の掃除や整備など。ただシンラがいなくなった今、神界にはアクア一人しかいない。アクアがどう感じているか知らないが、独りと言うのは寂しいものだ。

 「お気遣いありがとうございます。また遊びに行きますね。」

 アクアはニッコリ笑う。


 挨拶回りも終わり、食事も食べ終わり結婚式は終わりの時間となった。

 「じゃあ、撮ります。」

 最後に今日ここに集まったメンバー全員で集合写真を撮ろうという話になる。涼平とライトを中心に皆が固まる。涼平側には涼平の知り合いの悪魔、ライトの周りには神様が集まる。

 「はい、チーズ。」

 パシャッ

 この写真は涼平たちの思い出の一枚となった。


 その後の皆の行く末。

 

 大樹は神命学園を卒業後、都内にある有名私立大学に進学する。大学でも野球部に入り毎日部活に勤しんでいる。聖来との関係も続いており、将来は結婚も視野に入れているとか。


 聖来は神命学園を卒業後、大樹と離れたくないということから同じ大学に進学することを決める。学部は違うものの、教養科目といった全学部が受講できる授業は一緒に受けているらしい。部活には入らずバイトに精を出し、大樹と長期休みに旅行に行くための資金をこっそりと貯めている。


 翔は神命学園を卒業後、地方の国立大学に進学する。一人暮らしを楽しみつつ、学問とサークル活動をそれとなく頑張っている。長期休みの際には実家に帰省し、大樹と聖来と会って遊んでいる。


 アランは戦争が終わった後、魔界の経済を回すために国が立ち上げたギルドの管理をしている。ギルドはゲームやアニメであるような、依頼をこなしたりとか、魔獣の素材を買い取るような中立の組織だ。マクア王国とも協力し、魔界全域にギルドの支店の設置を目指している。


 ヴィルは軍に所属したままだ。ギルドが設立されたとはいえ、国を守る兵隊は必要だ。戦争がなくなって、国は兵士の人員削減を行い、優秀な兵士だけが残された。ヴィルは仕事をしつつ、お酒を飲む日々を過ごしている。


 フブキは立派に母親をしている。軍の採用人数が減ったことと、ギルド組員になるというブームが来ていることから、子どもはギルド組員を志望している。そのために魔獣との戦闘経験をつけさせるために、子どもと一緒にダンジョンに行って経験を積ませている。


 リーフは引き続き人間界の調査の仕事を任されている。調査の傍ら、自分の理想の彼氏を探している。最近では出会いを求めて、出会い系アプリを使っているとか。ただ、リーフの身体目的の男性が多いことが難だったりする。


 レイもリーフと同じく人間界の調査をしている。レイはリーフに悪い虫がつかないかと不安になり、こっそりとデートの後をつけている。今のところリーフが満足する男に出会えていないことを密かに喜んでいる。


 アクアは変わらずに神界で一人で過ごしている。たまに、涼平の家に遊びに行ってはみんなに食事を振舞ったりとか、フレアやラナと一緒に遊ぶことがある。


 マイは引き続き魔界の調査をしている。魔界は戦争が終わり、激変の時代が始まっているので、大忙しだとか。クロとは相変わらずラブラブで、楽しい毎日を過ごしている。ただ、未だに美影のことを受け入れることができていない。


 クロはマイの仕事の手伝いをしている。神様たちで度々集まろうという話があるのだが、マイが美影がいるから参加したくないといって、皆と少し距離を置いていることを心配している。


 ラナは魔界でフレアと二人で生活している。涼平とライトが結婚したと言うことで、夫婦の時間が必要だろうとなり別居。現在はフレアと恋人生活を楽しみつつ、自分がフレアの中で一番になることを狙っている。


 フレアはラナと同居している。魔界で生活するために、ラナと二人でギルド組員となり、魔獣を討伐して賃金を稼いでいる。ラナとはデートにも行ったりして楽しい生活をしているのだが、ラナの気持ちに応えきれていないことに罪悪感がある。


 美影は一人で自由気ままに生きている。涼平とライトと一緒に神命学園を卒業した後、神力を使って三人が人間界にいた痕跡を全て消した。他の神様みたいに仕事があるわけではないので自由だ。友達として頻繁に涼平たちの家に出入りしている。涼平とライトをからかうのが楽しみだとか。(学校に通っていた時と変わらない。)


 そして涼平とライトは・・・。

 「うえーん。。うえーん。」

 「ほら、泣かないの。パパもすぐに帰ってくるからね。」

 涼平とライトの間には一人の子どもができた。女の子で名前はシンラ。ライトが尊敬する偉大なる神様から名前をとった。

 「ただいま。」

 涼平は仕事から帰ってくる。涼平たちは今魔界に住んでいる。(家はフレアたちの隣に建てた。)人間や悪魔と同じような新婚生活がしたいということで、神界ではなく魔界に住んでいる。涼平は朝から夕方までギルドの一員として依頼をこなしたり、魔獣を討伐している。ライトが一人だと心配と言うので、美影と二人でチームを組むことになった。

 「おかえり。もうすぐご飯できるから待ってね。」

 ライトの仕事は引き続き史書の作成。史書の作成は夜にするので、それまでは家事や子育てをしている。フレアやアクアに教わり、ライトの料理の技術はみるみる成長し、今では涼平よりも美味しい料理が作れるようになった。

 「シンラ、パパが帰ってきたぞ。」

 ライトが抱っこしていたシンラを受け取る。子育ては夫婦共同でやっており、朝から夕方まではライトが、夜は涼平が子育てを担当している。お互い仕事がない時間に子どもの面倒を見るという方針だ。

 「ご飯できたよ。」

 涼平がシンラの面倒を見ている間に料理が完成し食卓に並ぶ。涼平はシンラを子どもように椅子に座らせてから自分の席に座る。

 「「いただきます。」」

 涼平たちは食事をとり始める。

 「ねえ、涼平。私今、すっごく幸せだよ。」

 「俺もだ。」

 家族団らんで食卓を囲む。

 

 

 

 

 

 

 

 こんにちは。作者の凛音です。まず初めにここまで読んでいただきありがとうございました。文章もそこまで上手ではなく読みにくいなか、最後まで読んでいただいたことに感謝です。「神様の守護者になりました」は一応この回を以って最終回とさせていただきます。ただ、今後もキャラ設定とかアフターストーリーとか番外編とか書きたいことはたくさんありますので、作品設定は連載中のままにしておくことをご了承ください。

 この作品は私が中学生から高校生にかけて考えた話を、大学生になってから文章として形にした作品です。だから、異世界転生とか追放系とか悪役令嬢とか流行りのジャンルをメインに構成されていません。作中でも少し触れましたが、私は2006年から20013年辺りのアニメ、漫画、ラノベ、ゲームが大好きでして、そこに寄せるような感じで作りました。アニメだとギ〇スとかマド〇ギとか、ラノベだとバカ〇スとかア〇アとか、ゲームだとネプテ〇-ヌが好きだったりします。この作品は少なからず、その時代のアニメとかに影響を受けています。そんな作品を多くの方に読んでいただくことが出来ました。私はこの小説家になろうというサイトを投稿以外で使ったことがないのですが、この作品を皆さんはどうやって知ったのでしょうか?私がこのサイトのことを知らなすぎて、直接作品名を検索する以外にこの作品を見つけることはできませんでした。そういう意味では、この作品を見つけて読んでくださったことはとても奇跡的だったと考えられます。本当にありがとうございます。

 ただ、一点残念と言うか、読者の方に謝らないといけないことがあります。私がこの四月から社会人になると言うことで、それまでにこの作品を完結させねばと考え、作品にテコ入れをして早く終わらせるように作品の路線変更をしてしまいました。特に削ったところがリーフとレイについてです。当初の予定だと、リーフとレイにも活躍の機会の場があったのですが、本筋にほぼ影響がないという点からバッサリ削除しました。だから、リーフとレイは名前だけのキャラになってしまいました。ごめんなさい。それと、文化祭辺りから投稿ペースを上げないと間に合わないことから、急いで文章を書いたため、ただでさえ酷い文章がさらに酷くなってしまいました。再びごめんなさい。

 まあ、そんなこんなで書いた作品でしたが、皆さんはどうでしたでしょうか?私的にはそれなりに面白い作品を書けたと思っています。ストーリーだけで見るなら、100点中65点くらい。文章の下手さを減点して、総合的には50点くらいの作品になったかと思っています。

 長々と語りましたが、私が言いたかったことは読んでくれた読者の方々に感謝していると言うことです。社会人になり作品の更新頻度は凄く落ちると思いますが、涼平と美影の絡みとか、シンラとゼルアの出会いとか、リーフとレイの話しとか、書いていきたいとおもっています。投稿した時にはまた読んでくださると嬉しいです。ありがとうございました。

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