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三十一 文化祭に向けて

 夏休みが終わり二学期が始まった。二学期は初っ端からイベントが盛りだくさんだった。夏休み明けの実力テスト。九月末に体育祭があり、それの準備や競技に向けての練習等。

 涼平の実力テストは夏休み遊びまくった影響もあり結果は散々だった。まあ、実力テストは内申に影響がないので悪い結果でも何の問題もない。そもそも、進路についてまともに考えていない涼平がテストの結果なんて気にしてもしょうがない気がする。特に自分が不老になったと知ってからは露骨に勉強をしなくなった。時間は無限にあるから、自分のやりたいことからしようと考えている。

 体育祭は特段何もなかった。身体強化魔法を使っていない涼平の身体能力は人間と大差ない。だから、涼平は選抜リレーに選ばれることもなく、全員参加の騎馬戦と大繩に出ただけで終わった。

 可もなく不可もなくといった一か月を送った涼平に対して、ライトは奮闘というか満喫というかとりあえず良い成績を残していた。実力テストは語るまでのなく、いつものように全教科満点をとった。体育祭は神の身体能力は元々人間より高いので、選抜リレーに参加し見事優勝に導いたのだ。

 割と忙しかった九月が過ぎ十月を迎える。じゃあ、十月が忙しくないかと言われたらそうではない。十月は十一月初旬にある文化祭に向けての準備があるのだ。では、なぜこんなに二学期が忙しいかと言うと、夏休みに受験勉強を頑張った三年生に学校では楽しい思いをしてもらおうという学校の粋な計らいである。

 文化祭の内容は一年生がスーパーボールすくいや射的と言った出し物、二年生が演劇、三年生はフランクフルト等の飲食系と決まっている。学年ごとに役割分担されている理由も当然ある。一年生は高校生活最初の文化祭なので、雰囲気を掴んでもらうために簡単な出し物となる。二年生は文化祭も経験しており、時間も余裕があることから、台本・衣装・背景等色々と時間がかかる演劇となる。三年生は受験勉強の関係から放課後居残りというのが難しいから、授業時間内で終わる飲食系がベストだと判断された。三年生は文化祭三年目なので、売り上げもある程度予想でき、発注する個数が極端に多くなったり、少なくなったりすることを防げる。

 涼平たちは二年生なので演劇となる。まずは何を題材にするのか、はたまたオリジナルの台本で行くのか決めなければならない。

 「どんな劇をやるか意見がある人は手を挙げてください。」

 文化祭実行委員である女生徒が教壇に立ち意見を募る。何人かの生徒が手を挙げる。実行委員は手を挙げた生徒から順番に意見を聞いていき黒板に書いていく。白雪姫・不思議の国のアリス・ロミオとジュリエット・オズの魔法使いと演劇の定番といえる題目ばかりが並んだ。オリジナルの台本でやろうという案は誰一人出なかった。まあ、台本を書くのは大変だし面白いのが書ける保障もない。無難に成功させるなら、既存の作品で演劇をする方がよいのは当然だ。

 「これ以上意見がないみたいなので、この中から多数決で決めたいと思います。」

 多数決が始まる。多数決の方法は実行委員が配った投票用紙に書いて提出するかたちだ。

 涼平は特にやりたい演劇なんてない。そもそも、白雪姫以外原作を知らないから何がいいのかも分からない。だから、話が分かる白雪姫と投票用紙に書いて提出した。

 クラス全員が書き終わり実行委員の手元に投票用紙が集まる。実行委員は一枚一枚数えていく。

 「投票結果が出ました。私たち3組の演劇はロミオとジュリエットに決定しました。続いて役割分担に移りたいと思います。」

 役割は全部で6つ。まずは台本役だ。ロミオとジュリエットをやるのだが、原作の内容を全部するには時間が足りない。演劇時間は各クラス30分なので、時間内に収まるように多少の改良が必要だ。次に役者。演劇をする上で役者が必要なのは言うまでもない。次に背景。演劇で使用する背景の作成や、本番の時に場面によって背景を交換する仕事。次に小道具。演劇で使う衣装や小道具を作成する仕事だ。次に照明。演劇は体育館で行われ、本番は体育館の二階部分に照明設備が置かれる。場面に合わせて証明を切り替える仕事だ。最後に音響。本番の時は放送室から音響の設備を持ってきて使用する。仕事は選曲することと本番の際に場面に合わせて流すことだ。

 涼平が狙う役目割は照明だ。照明係は体育館は体育の授業で使用する都合上、文化祭の二日前にしか照明器具を設置できない。だから、仕事があるのは文化祭前日のリハーサルと本番のみ。要するに楽な仕事ということだ。

 「まず台本を書きたい人いますか。」

 実行委員の人が聞いたが、誰一人として手が挙がらない。まあ、当然と言えば当然だろう。題材は決まっているとは言え、台本を書くのは大変なうえに責任も重い。進んでやりたい人などいないだろう。

 「一旦台本係は飛ばして役者やりたい人。」

 クラスの半分くらいの生徒が手を挙げた。メンツを見るにクラスのカースト上位の生徒ばかりだった。その中に大樹と聖来が入っていた。ロミオとジュリエットの主要キャラは七人。ちょい役まで含めても十人もいれば十分だ。それに役者に人員を多く割いてしまうと、背景や小道具といった仕事に人員が回らなくなる。

 「ロミオとジュリエットでは男役が多いので、男子を多めに取ります。男子六名女子四名の計十名までにします。」

 役者を決めるのはじゃんけんだ。高校生に演技力を求めるものではない。文化祭の演劇なんて楽しければよく、クオリティはそこまで必要ないからだ。じゃんけんが終わり男女それぞれ決められた。大樹と聖来もその中に入っていた。

 「次に背景係やりたい人。」

 何人かの生徒が手を挙げる。その中の一人に翔がいた。

 「他にやりたい人はいませんか?」

 実行委員は再び呼びかける。背景係にもう少し人手が欲しいのだ。背景係は多ければ多いほど良い。なぜなら、多くの背景を作る余裕が出来たり、一つ一つのクオリティが良くなるからだ。

 他には誰も手が挙がらない。さっき役者役で手を挙げた生徒と今の生徒でクラスの半数が手を挙げたかどうかだ。残りの生徒はみんな他の役割を狙っているのだろうか。

 「次に小道具・衣装係やりたい人。」

 また何かの生徒が手を挙げる。手を挙げた生徒は全員女子で、ライトと美影もその中に含まれていた。女子生徒しか手を挙げていないことから、事前に示し合せでもしていたのだろう。涼平はライトがクラスに溶け込めていることに安心する。

 「八人か。まあこのくらいがいいかな。次に音響係やりたい人。」

 誰も手を挙げなかった。音響係も実はしんどい仕事なのだ。劇中に何曲流すかにもよるが、場面に合った曲を選び、その曲を編集しなければならない。パソコンが必要だし、音楽を編集できる人も限られるだろう。

 「誰もいないか。じゃあ、最後照明やりたい人。」

 涼平は手を挙げる。他にも数人の生徒も手を挙げる。照明は設備が二つしかない関係から二人で十分なのだ。照明係希望の生徒が一か所に集まる。全員男子生徒でクラスの輪にもそこまで溶け込んでいない、いわゆる陰キャと呼ばれる生徒ばかりだった。そうなると、他の生徒も涼平と考えることは同じだろう。

 (負けるわけにはいかない。)

 じゃんけんに参加する生徒は六人。照明係になれるのは二人だから倍率は三倍。ここで勝てれば文化祭のために準備なんてする必要がない。

 「じゃんけんぽん。」

 最初はあいこ。六人でじゃんけんしているのだからおかしな話ではない。

 「あいこでしょっ。」

 二人脱落する。涼平は勝ち残っていた。残り四人。

 「じゃんけんぽん。」

 涼平は負けた。負けたので自分の席に戻る。

 (さて、どうしたものか。)

 涼平の理想だった照明係にはなれなかった。残っている係りの中で楽そうなものを選ばなければ。台本係は論外だ。役者係はもう人手は十分で募集はなし。背景係は台本係に比べればましだが、放課後に残って作成する可能性が大。放課後は家に帰ってゲームしたい涼平にとってはナッシングだ。となると音響か。涼平はパソコンを持っているし、編集なら学校ではなく家でやることになるだろう。それなら、アニメを見ながらできるし負担もそこまで大きくない。選曲も大樹とか翔とか知り合いに相談しながら選べばいけるか。

 (よし。これにしよう。)

 涼平の次の目標が決まる。

 照明係のじゃんけんが終わり、全役職の第一希望者を募り終えた。一部の生徒は手すら挙げていなかったが、どこにするか迷っていたのだろうか。

 「じゃあ、次は役職ごとに聞くのではなくて、やりたい役職がある人は挙手してもらおうかな。」

 実行委員はこれまでと方法を変える。一回目で台本係と音響係が誰一人手が挙がらなかったのだ。二回目で必ず挙がるとは限らない。じゃんけん負けして希望の役職につけなかった人が挙げる可能性はあるが、台本係には誰も挙げないだろう。実行委員はそこまで考えてやり方を変えた。

 「俺、音響係やります。」

 涼平は真っ先に手を挙げて自分の希望を述べる。一番最初に手を挙げるのは恥ずかしいが、他の人に役職をとられて台本係になることに比べればましだ。

 「黒井君は音響係と。一応聞いておくけど、パソコンとか編集できるもの持ってる?」

 「大丈夫だ。パソコン持ってるよ。」

 パソコンは持っている。ただ、編集技術は涼平にはない。そこはネットで調べながらやればいいだろうという考えだった。

 その後なんやかんやで役職が埋まっていき、誰もやりたくなかった台本係は実行委員自らが引き受けることになった。


 その日の帰り道。涼平はいつも通りライトと下校していた。

 「ライトは小道具にしたんだな。役者とかやりたいのかと思ってた。」

 ライトとは事前に演劇の役職について話したりはしなかった。一緒の役職になって文化祭の準備をすればライトとの仲が深まるかと言われれば実はそうでもない。文化祭の準備は別に二人きりでやるものではないし、恋愛よりもクラスの仲間との友情の方が深まりやすい。だから、あえて一緒にする必要はなかった。文化祭当日はライトが問題なければ二人で回ろうとは思っているけど。

 「私は特にやりたいことなかったし、美影に誘われたからいいかなって。涼平は音響だったね。あの場面で手上げたの台本係したくないの見え見えだったよ。」

 「やっぱり?本当は照明係で楽したかったんだけど、じゃんけん負けたからな。」

 「まあ、台本書きたくない気持ちは分かるけどね。」

 「そうなのか?ライトならスラスラ書けそうだけど。」

 ライトは普段から史書作成の仕事をしているから上手くいきそうな気がするが。史書作成も多くの情報の中から大事な部分を抜き出す。今回の台本係の仕事はロミオとジュリエットを演劇時間内に終わるようにまとめることだ。仕事の内容としては似ている。

 「出来るとは思うけど、ロミオとジュリエットってバッドエンドでしょ。書く意欲が余りわかないかな。」

 「そうなのか。」

 どうやらロミオとジュリエットはバッドエンドな内容らしい。流石はライトだな。本の内容も理解している。

 (あれ?)

 ここで涼平は疑問に思った。ロミオとジュリエット、涼平は内容は知らないがタイトルは知っているくらいに有名ではある。ライトが知っていても別に不自然ではない。ただ、ロミオとジュリエットが人間界で一番有名な話ではない。トップテンに入っているかも怪しいだろう。そんなロミオとジュリエットは知っているのに、魔界で少なくともモーデン帝国で一番有名な神話(二人の邪神が別世界の神に挑み敗北する話)を知らないのは不自然だと思った。もちろん、ロミオとジュリエットを人間界で生活するようになってから知った可能性もある。とりあえずライトに聞いてみることにした。

 「ライトはロミオとジュリエットの内容をいつ知ったんだ?人間界に来てからか?」

 「私がロミオとジュリエットを知ったのは神界にいたころよ。リーフが昔報告書と一緒に本も送って来てね。それで読んだから知ってるよ。」

 「そうなのか。」

 ライトが言うには人間界で流行った本や絵画といった芸術品は本物もしくは模造品や写真として同封されていたらしい。

 「魔界で有名な神話は知らなかったよな。あれは報告書になかったのか?」

 「うん。マイさんも報告書と一緒に本とか送ってくれる時もあるんだけど、あの神話については一切なかったね。魔界の図書館で有名な本色々見てみたけど、知らなかったのはあの神話だけだったよ。マイさんがうっかりしてたんじゃない。ほら、シンラ様の計画を遂行しながら報告書書いてたわけだし。」

 「そうかもな。」

 涼平は相槌をうったが、マイがうっかりしていたなんて思っていない。マイは意図的にライトに報告しなかったんだ。その理由はシンラの計画の最終目的、ライトが最後に戦う相手が神話に出てくる邪神だから。もちろんこれは涼平の憶測に過ぎないが、涼平はかなり自信を持っている。

 涼平の中でずっと疑問だったライトが倒す相手。神力を自在に使えるようになったライトに敵う相手を涼平は想像できなかった。けど、邪神なら納得いく。邪神とはいえ神様であることに違いないから実力はライトと同等かそれ以上あってもおかしくない。それにマイがライトが戦う相手とは以前戦ったことがあると言っていた。神話が本当だと仮定すると邪神は別世界の神に挑んでいる。その別世界の神がシンラだったとしたら辻褄はあう。神話では邪神は戦闘の末に命を落としたと書いてあり、封印とは違うがそこは特段問題ではないと考えている。神話を書いたのは神話時代に生きていた悪魔だ。邪神が別世界に戦いを挑みに行ったきり帰ってこなかったら死んだと思ってもしょうがない。神話なんて必ずしも真実が書いてあるわけでもないからな。

 「どうしたの涼平?何か考え事?」

 「少しボーっとしてただけだ。」

 ライトには未だ言わない方がいいだろう。涼平は合っていると信じているが絶対ではない。そんな状況でライトに言っても混乱を招くだけだ。それにシンラたちがこのことを隠しているのにも何か理由があるに違いない。

 「それより、文化祭楽しみだな。」

 「うん。そうだね。」

 涼平は別の話題に切り替えた。


 涼平たちのクラスが文化祭での役職を決めてから二週間が経った。涼平が文化祭に向けて何か準備をしたかと言うと何もしていない。それは涼平に限らず他の係も同じだ。唯一準備をしているのは台本係のみ。台本が出来なければ他の係は動きにくい。台本係である実行委員の話では、台本のプロトタイプはもうすぐできるとのこと。クラスメイトはそれを待つしかない。台本係という貧乏くじを自ら引いてくれた実行委員に催促はできないということだ。

 キンコンカンコーン

 チャイムが鳴り生徒は各自の席に座る。

 ガラガラガラ

 教室のドアが開き担任の先生が入ってくる。

 「ホームルームを始めます。まず少しの間ですが、このクラスに新たな仲間が加わります。どうぞ入ってきてください。」

 先生の声を聞いて一人の少年が教室に入ってくる。

 「僕の名前はアポロ。アポロ・ディアス。よろしくね。」

 「「「「「キャー。」」」」」

 謎の少年の自己紹介が終わると、クラスの女子たちが甲高い声を上げる。それも当然だ。アポロという少年は顔はイケメンだし、身長は低く見積もっても180センチ以上はある。高身長のイケメンに興味を示さない女子はそう多くないだろう。

 「えーっと、アポロ君は交換留学生としてうちのクラスにやってきました。文化祭の日までの約二週間の間、みんな仲良くしてあげてね。」

 先生は説明する。

 (そういえばこの時期に交換留学生来るんだったな。)

 この学校では毎年提携先の学校(アメリカの学校)と交換留学を行っている。この学校の一年生と二年生の中六人まで募集して、夏休みの二週間の間アメリカの学校に留学できる制度がある。向こうの生徒がこの学校に来るのは秋ごろと決まっている。それが今だったというわけだ。

 「本来なら、今年交換留学に行った生徒のクラスに行くことになっているのですが、今年の二年生で交換留学に行った生徒は全て4組の生徒で、一クラスに留学生全員を在籍させるのはどうかと言うことで、八神さん、神谷さんと成績優秀者がいるこのクラスなら留学生の対応もできるという判断になりました。それで申し訳ないのですけど、八神さんか神谷さんに留学生のサポートをしてもらいたいのです。アポロ君は日本語もバッチリ話せる優秀な生徒なので、そこまで大変じゃないから引き受けてくれると嬉しいのですが。」

 先生が長々と話した。

 「私がやりましょうか。」

 美影が手を挙げる。

 「八神さんありがとうね。じゃあ、アポロ君の席は八神さんの隣に用意しましょうか。」

 先生は美影の席の横にアポロの椅子と机を置く。

 「初めまして。僕はアポロよろしく。」

 「初めまして。私は八神美影と言います。気軽に美影と呼んでください。」

 「オッケー。ミカゲだね。」

 アポロと美影は友好の証に握手を交わす。

 ホームルームが終わり一限目の授業が始まる。美影はアポロに教科書を見せながら簡単に授業について説明している。美影はキッチリとしているから、サポート役としては適任かもしれない。

 一限目の授業が終わり次の授業が始まるまで10分の休みがある。その休み時間にアポロの周りには多くの女子生徒が集まり色々と質問していた。なんだかライトが転校してきた時と状況が似ている気がする。

 「美影良かったの?私が引き受けても良かったんだよ。」

 アポロのサポート役のはずの美影が蚊帳の外にいたのでライトが話しかける。

 「大丈夫ですよ。そんな大した仕事ではありませんし。それに、ライトさんが引き受けたら、涼平さんがヤキモチ焼いてしまいますよ。」

 ライトは明るい性格だし、アポロのサポート役となったらすぐに仲良くなれるだろう。それを涼平が面白く思わない可能性は十分に考えられる。

 「そうかもね。けど、涼平がヤキモチ焼いてるとこ見たかったかも。」

 ヤキモチを焼くことは、涼平がライトに好意を持っていないと起こらない。それに、ヤキモチを焼いて拗ねる涼平は可愛いかもとライトは思っていた。

 「そうですね。まあとにかく私に任せてください。」

 「うん。何か困ったことがあったら協力するから。」

 休み時間が終わり二限目の授業が始まる。

 

 アポロは授業に積極的に参加した。日本語もバッチリだから、日本語で教える教師の授業内容もしっかり理解できる。だから、授業中に先生が質問をした際も挙手して答えたりする。交換留学なんてする必要がないんじゃないのかと疑問に思うくらい優秀だ。四限には体育の授業があったのが、当然のように運動神経が抜群でさらに女子の好感度が上がる。

 昼休みになると数人の女子生徒がアポロを連れ出して食堂に行った。

 「これなら私は要らないかもしれませんね。」

 美影はサポート役なのにアポロと会話したのは最初に授業はこんな感じで受けるんだよと説明したのみだ。休み時間に話に来ている女子生徒の方が会話時間は長いだろう。

 「アポロ君はサポートがいらないくらい凄いよね。」

 ライトは弁当を持って美影の所に行く。

 「そうですね。なんで留学するのか不思議なくらい優秀です。まあ、留学は一つの経験ですし行って損ってことはないですから。」

 「そう言えばアポロ君は文化祭までいるんだよね。役職は決まってたりするの?」

 「私たちと同じ小道具係ですよ。人手が多くても問題ないのが、背景係と小道具係ですからね。私がいる小道具係になりました。」

 「そうなんだ。楽しみだね。手先とか器用かもしれないし。」

 「そうですね。あれだけ何でもできるなら、小道具とかも上手に作りそうです。」

 ライトと美影はアポロに期待を寄せつつ昼食をとり始めた。

 

 

 

 

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