二十八 夏祭り
高校最大のイベントである修学旅行が終わった。そして、二週間ほど短縮授業を超えて夏休みを迎えた。ちなみに、短縮授業とは午前中つまり4限までしか授業が無いことである。
一生に一度の高校二年生の夏休み。ライトという可愛い彼女までできた。そんな幸せ絶頂ともいえる涼平がどんな夏休みを過ごしているかと言うと・・・。
「くっそー負けた。やっぱり難易度ベリーハードでやるんじゃなかったかな。」
涼平は自室で積みゲーを消化していた。積みゲーとはゲームを購入したが、遊ばずに放置していることである。最近涼平は忙しかった。魔界での戦争、期末テスト、ライトとの件、色々なことがあり過ぎて、ゲームをプレイする時間をとることができなかった。その間にも、涼平がやりたいゲームが発売されたりして、積みゲーの数は10本を超えている。学校の無い夏休みに全てクリアしておきたかった。
「難易度をノーマルまで下げるか?いや、それは俺のプライドが許さないし。」
中盤のボスに負けてゲームオーバーとなった画面をみて呟く。積みゲーを消化することが目的なら、低めの難易度でプレイしストーリーを見ることだけに徹することが最適だ。しかし、それは涼平のゲーマー魂が許さなかった。難易度ノーマルだと、ヌルゲー過ぎてゲームが作業になってしまう。難易度を最高にすることで、緊張感のある戦いを楽しめるのだ。
「もう少しレベル上げをするか。」
涼平はゲームを再開する。夏休みはまだまだ始まったばかり。ゲームで満喫するぞ。涼平はそう意気込んでいた。
涼平がずっとゲームをしていることを面白くないと思う人物がいる。それは言うまでもなく涼平の彼女であるライトだ。夏休みの入ったのに涼平は一歩も外に出ない。ライトとしてはどこかに行ったりして遊びたい。要するにデートをしたいわけだ。しかし、今はデートのデの字もない。
「もう夏休み始まって五日経つんだけどー。そろそろデートに誘ってくれもいいよね。」
ライトは愚痴をこぼす。
「ライト様。涼平様にも一人の時間は必要ですよ。毎晩、一緒にゲームをしているのですから、もう少し気長に待ってみてはいかがでしょうか。」
涼平とライトは毎晩一緒にゲームをして遊んでいる。フレアやラナが参加することもあるが。
「でも~。」
涼平と毎晩ゲームをすることは、別に付き合ってからの話ではない。以前から恒例行事のように行われている。だから、ライトにとって新鮮味がないのだ。
「お兄ちゃんも初めての彼女だからどうすればいいのか分からないと思うよ。それに、お兄ちゃんは今まで女性と接する機会もなかったからね。妹の私くらいとしか話さなかったし。」
涼平が女性と接する話すようになったのは人間界に来てからといっても過言ではない。魔界では母親とラナ、フブキとしか話したことがない。母親とは学校に入ってからすぐに決別したし、フブキと涼平が一緒にアラン隊にいた期間は短い。だから、妹のラナくらいしかまともに話していない。妹を女性とカウントするのは違うだろう。
「そっか。そうだよね。」
ライトはもう少し待ってみることにした。ライトとしても余り涼平にデートを強要したりしたくないし、彼氏を束縛なんかしたくない。
ピンポーン
話がひと段落したタイミングで家のチャイムが鳴る。
「はーい。少しお待ちください。」
フレアは判子を持って玄関に行く。配達員から荷物を受け取り判子を押す。
「ありがとうございます。」
配達員はトラックに乗って次の配達先に向かう。
「何の荷物でしょうか。」
フレアは宛名を見ると黒井涼平様と書かれていた。送り主はどこかの会社の名前。フレアは聞いたことが無かったけど、名前を見る限りゲーム販売店といった感じだろう。
「何の荷物だったの?」
フレアはリビングに戻るとライトが尋ねてきた。
「涼平様の荷物です。おそらくゲームかと。」
フレアはテーブルの上に荷物を置く。
「何のゲームだろ。気になるね。開けちゃおっか。」
ラナは興味を持ったようだ。
「ちょっとラナちゃん。人の物を勝手に開けるのは良くないよ。」
「でも、ライトお姉ちゃんも気になるでしょ。勝手に開けても妹の悪ふざけで済むから。」
ラナはそう言いながらカッターで段ボールを開ける。中には可愛い女の子がのイラストが描かれた箱が入っていた。
「「「・・・。」」」
中身を見た3人は固まる。パンドラの箱ほどではないが、開けてはいけないものを開けてしまった。
「えーっと、これってゲームなのかな。ゲームにしては箱が大きいと思うんだけど。」
「ライト様。これはおそらく初回限定版です。ゲーム以外にもタペストリーや設定集等のグッズが入っていると思われます。」
「この箱まで開けたらお兄ちゃん怒るよね。」
「流石に怒ると思います。」
「・・・。」
3人は沈黙する。箱の中身は見たいが、これ以上先は踏み込んではいけないと感じていた。
「そっそうだ。スマホで検索すればいいのよ。」
「そうですね。」
「うん。」
ライトはスマホにゲームのタイトルを入力し検索する。検索結果、このゲームが18禁のPCゲームだということが判明した。
「まあ、涼平も男の子だしね。涼平のパソコンに既にこの手のゲームが何個か入ってるの知ってるし、別に気にすることないかな。」
「そうですね。涼平さんにも性欲はありますから。」
「お兄ちゃんが変態なのはいいんだけど、ライトお姉ちゃんがいるのにゲームで性欲を満たすのはどうなのかな。」
そんなことを3人で話していると、
「何話してんだ?」
涼平が水分補給のために一階に降りてきた。
「えっ涼平。」
急な涼平の声に3人はビックリする。
「なんでもないよ、お兄ちゃん。ゲームは終わったの?」
「ラナ、いつもと様子が変じゃないか?」
ラナの反応に涼平は怪しむ。そして、涼平の目がテーブルに向く。
「そっそれは。」
涼平は自分がこっそりと買ったエロゲがテーブルの上に置かれているのに気づく。
「おっお兄ちゃん。これは違うの。」
ラナが涼平の視界からゲームを隠す。
「大丈夫だよ。私はどんな涼平でも好きだから。エッチなゲームしてることくらい問題ないよ。」
「そうです。エロゲをやるのは普通です。何も変ではありません。」
ライトとフレアが涼平をフォローする。
「いや、別にそんな気を遣わなくても。今更、エロゲ買ってるのバレたからって気にしないぞ。ライトは知ってるし、フレアだって分かってただろ。」
涼平の言葉は半分本当で半分嘘だった。ライトには一度パソコンを見られているし、フレアにはライトで自慰行為をしていることを知られている。だから、そこまでダメージはない。ただ、いくらダメージが無くても、知られずに済むに越したことはない。
「そうだよね。お兄ちゃんが変態なことくらい皆知ってるもんね。」
怒られる覚悟をしていたラナは一安心する。
「ただ、ラナは別だ。」
「えっどうして?」
「この段ボールを勝手に開けたのお前だろ。ライトやフレアがそんなことするわけないし。」
とりあえず、再発防止のために元凶であるラナにはお灸をすえておく。
「もー酷いよ。可愛い妹のお尻を何度も叩くなんて。」
ラナは涼平に何度も叩かれたお尻を触る。
「その程度で済んでマシだと思え。」
涼平は本来の目的であった水分を補給しながらラナに忠告する。
「ねえ、涼平。そろそろ、私とデートして欲しいんだけど、時間作れるかな。」
ライトはこのタイミングでデートの話を切り出した。エロゲとはいえ、異性の話題になった今が好機だと見た。
「えっ。ああ、そうだな。少し待ってろ。」
涼平はテーブルの上に置かれていたエロゲを回収して一度二階に上がる。そして、自分の部屋の机に置いてある紙を持って再び一階に戻る。
「本当は今日の夕食の時に話そうと思ったんだけど、初デートはここにしようと思ってな。」
涼平はライトに持ってきた紙を渡す。
「これは・・・。」
ライトは涼平からもらった紙を見る。フレアとラナもライトの横から紙を覗き見る。
「夏祭りですか。花火もあるみたいですしいいですね。」
「お兄ちゃんにはいいチョイスじゃない。」
「夏休みにピッタリだね。」
3人とも納得してくれたようだ。
「夏祭りは明後日だから、明日にでも浴衣の準備をして欲しい。ライトの浴衣姿見たい。きっと可愛いから。」
涼平はライトにお願いする。ライトの浴衣姿は絶対に可愛いに決まっているし、浴衣を用意するとなると、明日は買い物に行くことになる。そうなれば、涼平は家に一人になることができ、さっき届いたエロゲをゆっくりとプレイすることができる。最近は部屋に誰か入ってくる可能性もあって、エロゲは深夜にしかできていなかったのだ。
「分かった。可愛いの探してくるね。」
ライトは嬉しそうに言った。
夏祭り当日。
涼平はリビングで待っていた。何でも、ライトたちが浴衣に着替えるのに少し時間がかかるらしい。まあ、昨日買って今日初めて着るのだから仕方ないだろう。
(これでいいんだよな。)
涼平は自分がライトを夏祭りデートに誘ったことが正しいか考える。涼平が今回ライトをデートに誘ったのは、もちろん彼女のためっていう理由もある。夏休みに入ってから、ライトがデートに行きたそうな目をしていたからだ。ただ、それ以上に涼平はシンラの計画のために行動をすることが最適だと考えていた。修学旅行の一件から、シンラの計画の最終目的がライトに誰かを殺させることだと涼平は推測している。敵の正体はまだ分からないが、神力によってあそこまで強くなったライトが戦う相手だ。弱いわけがない。なら、ライトが勝つために少しでも力になることが大切だ。
ライトを強くするにはもっと色々な経験をすべきだと涼平は考えている。過去の経験。それが成功経験でも失敗経験でもどちらでもいい。とりあえず、過去を振り返ることがより想いを強くできる。失敗経験の方が例に挙げやすいので、失敗経験を具体例に挙げて述べる。部活動の大会で負けた時、次の大会向けて猛練習することが大半だろう。その理由は、大会で負けた悔しさという感情が原動力となるからだ。このように、過去の経験が強い感情を生むことは間違いない。特に涼平は嫉妬・後悔・復讐とか負の感情の方がより強いと考えている。
では、恋愛においてどのような経験が良いのだろうか?恋愛における失敗経験と言えば失恋になるだろう。痴話げんかとかも一見失敗経験に見えそうだが、過去を振り返った際に。「あの時はこんなこともあったね。」とか笑い話になるのが関の山だろう。痴話げんかが原因で破局したとかなら話は別だが。つまり、失恋しない限りは恋人間のいざこざなんて、振り返ったとしても大したダメージにならない。それだと、ライトが強い力を得ることはできない。かと言って、ライトを強くするために別れるのは本末転倒な気がする。
こう考えると、恋愛においては成功経験、つまり楽しい思い出が大切である。ライトが敵と戦う時に、「この敵を倒せばまたあの楽しい日常が戻ってくる。」と思ってくれればより強い力を発揮できるだろう。そのためにも初デートは重要だ。何であれ、初めての経験というのは心に残りやすいからだ。そのために、涼平は自室でゲームをやりながら考えていた。デートの定番と言えば、遊園地や映画館だろう。しかし、そこらにはライトと付き合う前に既に行っている。目新しさがない。だから、夏祭りという普段では行けないような期間限定のイベントにしようと考えたのだ。
「お待たせー。」
涼平が色々考えていると、ライトたちの準備が終わったようだ。ライト、フレア、ラナの3人とも浴衣姿で涼平の前に立つ。
「3人とも可愛いよ。」
涼平は正直に感想を述べる。いつも一緒にいる女の子の特別な姿。萌えないわけがない。
「ありがとう。」
ライトはお礼を言う。
「もう、お兄ちゃんたら。私やフレアちゃんのことを褒めてくれるのは嬉しいけど、彼女を一番に褒めないと。3人ともなんて褒め方ダメだよ。」
「まあまあ。これでも涼平様は成長したと思いますよ。」
ラナは辛辣な意見を言い、フレアはラナをなだめる。
「とっとりあえず、現地に向かうぞ。」
涼平はラナの話を無視する。
夏祭りの会場は涼平の家の近辺ではなく、電車で数駅離れたところだ。それなりに大きな祭りなので、電車に乗ると祭りに向かうであろう浴衣姿の若者が多くみられた。
「今さらですが、私たちも一緒に行っていいのですか?せっかくの初デートですのに。」
フレアは自分たちがお邪魔なのではと心配しているようだ。
「気にすることないぞ。夏祭りに二人で置いて行くのも可哀そうだろ。それに、現地に着いてからライトと二人になればいいし。」
涼平はどうせなら夏祭りをフレアとラナにも経験して欲しい。涼平たちと別行動で現地に行くという手もある。しかし、ラナは当然としてフレアも電車に乗ったことがない。フレアはしっかりしてるから大丈夫だと思うが、涼平としては心配だ。迷子になっても最悪扉を使えばよいが、人に見られないためにも極力使わないのがベストだ。
「気にしすぎだよ。それに、初めから涼平と二人きりは少し緊張するし、一緒に来てくれて助かってるよ。」
「そうそう。お兄ちゃんたちのことは気にせずに、私たちは私たちで楽しむことを考えよ。」
ライトもラナも特に気にしていないようだった。この場合はフレアの気にし過ぎか。
現地の最寄り駅に着いたので涼平たちは電車を降りる。駅を出ると既に屋台が並んでいるのが見え、夏祭りに参加するであろう人たちで溢れかえっていた。夏祭りのみだと地域ごとに開催している場合が多いが、花火まで行われる地域というのは少ない。だから、花火を見ようと多くの人が来ているといった感じだろう。
「屋台がいっぱいある。フレアちゃん、早く見て回ろうよ。」
ラナがうずうずしてフレアの手を引っ張る。
「では私たちは失礼します。ライト様、楽しんでくださいね。」
ラナとフレアは一足先に行ってしまった。
「全くそそっかしい奴だ。」
「まあまあ。ラナちゃんはまだ子どもだし。それより、私たちも楽しみましょ。」
「そうだな。」
ラナも年齢だけで考えればまだ学生と変わらない。戦争中の国という過酷な場所にいなかったから、明るい生活を送っていたのかもしれなかったかも。
「私たちも行こっか。」
涼平たちも夏休みを楽しむことにする。実は涼平自身も夏祭りに参加するのは初めてである。今までは行く相手がいなかったからだ。大樹たちとは一年生の頃から仲は良かったが、夏休みに会うほどでもなかった。部活動があったりで忙しそうだったからだ。今日は土曜日なのでおそらく一日練習で、夏祭りの事なんて頭に入ってないだろう。
「美味しいな。」
涼平は焼きそばの屋台が目に入り一つ注文した。一つ三百円というのが高いのか安いのか分からないが、涼平は味に満足していた。ライトが一口欲しそうな目で見ていたのであげた。恋人になった今、間接キスなど気にならなくなっていた。
その後も、射的・金魚すくい・りんご飴・綿あめ等、色々な屋台を回った。涼平は屋台について下調べをしていなかったので、想像以上に色々な屋台があり驚いた。まあ、色々な屋台があれば、ライトが飽きることなく楽しんでいるようで良かった。
「そろそろ花火の時間だね。」
ライトは射的で手に入れたぬいぐるみを抱えながら言った。
「もうそんな時間か。」
涼平はスマホで時間を確認する。時刻は7時45分。花火の開始は8時からで、場所選びのことまで考えたらそろそろ行動するべきだ。
涼平たちは花火を見るのに最適な場所を探す。しかし、最適な場所というのは既に多くの人がいていっぱいいっぱいだった。涼平たちの動き出しが遅かったのと、この花火大会は毎年行われているので、常連たちは最適な場所を既に知っていたことが原因だ。つまり、涼平の下調べ不足だ。
「悪いなライト。こんな遠く離れたところで。」
人込みを避けた結果、花火を打ち上げる場所からは大分遠いところになってしまった。ここから花火が見えるか不安ではあるが、この場所にも何組か人がいるので大丈夫と信じたい。
「気にしないで。私は涼平と見られるだけで幸せだから。」
「そっか。なら良かった。」
涼平は安心する。ここでライトが不快な思いをしてしまえば、今日の計画は全てパアになってしまう。それどころか、初デートは最悪だったとライトが思ってしまったら、神力にを使える量が減ることだって考えられる。そうなれば本末転倒だ。
ヒュー バン
時間になり花火が打ち上げられる。一万発が打ち上げられるらしい。それがどのくらいの規模か分からなかったが、十分満足できる内容だった。少し残念なのが、離れた場所から見ているため、低い位置に打ち上げられる花火は見えなかった。それでも、特大花火は高い所に打ち上げられるので半分くらいは見れたのではなかろうか。
「すげーな。」
涼平は花火を見て感動していた。当然だが魔界では花火なんてない。あるのは、戦争で作戦成功や失敗を知らせるようんな信号弾だけだ。花火と信号弾、打ち上げるという手順は同じなのに花火は信号弾に比べて芸術的だ。魔界も平和になれば、こんなこともできるようになるのだろうか。涼平は改めて人間界の素晴らしさを実感した。
花火が終わり涼平たちの初めての夏祭りは終わる。フレアに連絡して駅前で合流することになった。
「お待たせー。」
涼平たちが駅前に行くと既にフレアたちが待っていた。
「私たちも今着いたところですから。」
「そんなことより、花火すごかったね。私興奮しちゃったよ。」
「良かったな。」
ラナはすごくはしゃいでいた。
「そっか。良かったな。」
涼平はラナが楽しんでくれたようでなによりだった。ライトに楽しんでもらうのはもちろんのこと、フレアやラナにも楽しんで欲しかった。
「それでもう帰りますか?駅は人でいっぱいですけど。」
フレアは駅の方を見て言う。花火という夏祭り最大のイベントが終わり、多くの人がお開きとなり帰宅していた。そのせいで駅には人が多く、電車を何本かずらさないと帰れなそうな感じだった。
「そうだな。少し時間を空けてから帰るか。」
涼平たちは駅から少し離れた場所でベンチを見つけ、そこに座り時間を潰すことにした。大半はラナによる祭りの感想だった。ラナは射的・型抜き・金魚すくい等々、遊びまわっていたようだ。それで手に入れた景品を自慢していた。
ピーピーピー
たわいもない会話をしていると謎の音が鳴った。
「何だこの音?」
「えーっとこの音はね。」
ラナは持っているバッグの中をあさる。
「あった。ここ押したらいいんだっけ?」
ラナは謎の機械?を取り出しボタンを押す。
「もしもし、アラン君。どうしたの?」
ラナが取り出したのはライトが用意した魔界と人間界で連絡を取り合える機会のようだった。涼平は使っているところを見たことが無かったので、ラナがアランの名前を口に出すまで分からなかった。
ラナの会話はすぐに終わった。
「それで、アランは何の用だったたんだ?」
「それがよく分からないんだけど、慌ただしい様子で、明日すぐに魔界に来てくれないかって。ライトおねえちゃんとフレアちゃんも一緒に。」
「何だそれ?」
ラナの話によると、概要等を一切伝えずに魔界に来いという用件だけ伝えて切れたそうだ。アランがそんなに慌ただしい理由、また戦争で不利な状況になったのだろうか?それなら、ライトたちをわざわざ呼ぶ必要はない。一体何の用だろうか?
「とりあえず行くしかないか。」
幸い夏休みで4人とも魔界に行くことができる。魔界で何が起こったか分からないが、明日行って確認すれば分かるだろう。涼平たちは家に帰り魔界に行く準備をした。




