二十七 修学旅行 三日目
「おい。起きろ。」
「涼平君。朝だよ。」
昨日同様、クラスメイトである男子二人に起こされた。昨日の夜も中々寝れなかったのだ。友達である大樹と翔にライトと付き合うことになったと報告したからである。いや、正確には報告させられたといった方が正しいか。昨日の自由時間の際、ライトが涼平を探してこの部屋を訪れたのだ。それで、涼平が部屋に戻ってきたのは自由時間を大分過ぎた後。二人が涼平とライトとの間に何かあったのではと勘繰るには十分な条件であった。それで問い詰められた涼平が白状したという感じだ。それのせいで、昨夜も前日同様深夜2時ごろに寝たというわけだ。
涼平は意識を完全に覚醒させるために顔を洗う。顔を洗う際に鏡を見ると、自分の顔がここ数日に比べて何か良い気がした。
「涼平。早く準備しろよ。」
「分かってる。」
今日の朝食もバイキングである。昨日から考えると、班のメンバーが揃えば早く食べることができるだろう。大樹は一刻も早く朝食を食べたいみたいだった。
朝食の間に班員と今日の自由行動について話した。この前の学校の授業中に、どこに行くかの目安は決めてある。しかし、予定は未定。実際に沖縄に来ることで新たに行きたい場所だって増えるかもしれない。女子を中心に話は盛り上がった。
朝食を食べ終えると部屋に戻って荷物を整理する。今日でこのホテルともお別れなので、自分の衣服等を鞄に入れていく。主に男子の修学旅行あるあるだと思うのだが、衣服を綺麗にたためないことや、荷物を考えもせずに適当に鞄に放り込むことから、荷物の量は同じなのに帰りの方が鞄がパンパンになっている気がする。涼平の荷物はフレアが用意してくれたので綺麗に入れられていた。ただ、涼平が雑に物を詰め込んだので、ファスナーを閉めるのが大変だった。最後に忘れ物がないかを確認し部屋を後にする。
集合場所はホテルのエントランス。大勢の生徒が集まるので、一般のお客様の邪魔にならないようにエントランスの端の方に先生たちが誘導した。
生徒たちはクラスごと、その中で班ごとに並ぶ。涼平たちは自分たちの担任の先生がいるところに行く。まだ、他の班は誰一人来ていないのでとりあえず後ろの方に座る。涼平たちは5班だからだ。
「何かあっという間だったな。」
大樹は物寂しげな顔をする。
「そうだね。楽しいことは一瞬だね。」
翔も同意見だ。
「確かにな。」
涼平も頷く。高校生活の最大のイベントといえば修学旅行だ。修学旅行が終われば、残りの学校生活は空虚なものになると言っても過言ではない。二学期以降にも体育祭や文化祭といった行事はあるが、修学旅行ほどのインパクトはないだろう。体育祭や文化祭は毎年行われるが、修学旅行は高校二年の一度きりの行事だからだ。それに修学旅行が終わり夏休みに入れば、学校生活のおよそ半分が終わる。そうなると、そろそろ受験について考える生徒が増えてくる。私立神命学園は一応進学校であり、毎年多くの生徒が国公立大や有名私立大学に進学する。それらの大学に行くためには二年生の頃から少しでも勉強していくことが重要だ。涼平の今後がどうなるか分からないが、勉強しておくに越したことはない。
涼平たちが会話をして時間を潰していると、次々と生徒たちが集まってくる。男子生徒の方が集まりが速い。女子生徒は荷物が多かったり、準備がかかったりするのだろうか。
集合時間になり学年主任の先生が生徒たちの前に立つ。
「それでは時間になりましたので・・・。」
自由行動についての諸注意やこれからのことについて話をする。
先生の話が終わり生徒たちは移動する。まず、キャリーバッグ等手荷物以外の荷物を空港に送るために預ける。そして、各クラス指定されたバスに乗る。ホテルから最寄り駅まで徒歩で30分程度かかるので、バスで駅まで送ってくれるという話だ。なんて良心的な話だろうか。まあ、徒歩で言った場合、二百人以上の生徒が駅を目指して歩くことになるので、通行人の迷惑になるから、学校側の配慮の結果だろう。
徒歩30分程度の時間だとバスで移動すると一瞬だ。信号待ちやバスから降りる時間を含めても10分もあれば十分だった。バスから降りたら自由行動だ。
「さて、行きますか。」
涼平たち5班のスケジュールは買い物が中心だ。まあ、多くの班が買い物を中心に計画を立てている。理由としては、多くの学生は文化財を見るよりも、買い物をしている方が楽しく感じるのは自然なことである。もう少し精神年齢が上がれば、逆の考えに至るかもしれない。ただ、後日レポートを作成しなければならないため、首里城や県立美術館といった沖縄の文化を学ぶ必要がある。しかも、レポートにはしっかりと行った証として班で写真を撮って貼らなければならない。ネットで見てレポートを書くといったごまかしがきかないのだ。
涼平たちは美影の要望もあって首里城に行くことになった。早速電車に乗り現地に向かう。面倒な事は早めに終わらせて、残り時間を楽しもうという魂胆だ。
「レポートどうする?」
電車での移動中に大樹が話しかけてくる。
「まあ、適当でいいんじゃね。現地行って写真撮って、パンフレットを入手すれば書けるだろ。」
「そうだね。そこまで真剣になる必要ないと思うよ。」
「良かった。そんなもんだよな。」
大樹は涼平と翔の意見を聞いて安心する。涼平たちの意見は不真面目な生徒特有のレポートなんて出せば何でもいいだろという思考から来ている。実際、修学旅行のレポートなんて適当でも特に問題ないのだ。レポートなんて名前をしているが、内容は大学生が書くようなガチガチのレポートではなく、感想文と大差ない内容でも構わない。さらに、修学旅行のレポートは成績や内申点に一切影響がない。修学旅行は学校行事の一環であり、特定の授業との関わりがない。だから、適当に書いたとしても、キッチリとレポートを書いても同じなのだ。
そんなこんなで話をしていると目的地に到着した。まず、首里城に来た証として写真を撮る必要がある。班で話し合った結果、守礼門の前で写真を撮ることになった。聖来が同じく首里城に来ていた別の班の一人に写真を撮ってもらえるように交渉した。交渉は無事成功し6人並んで写真を撮ってもらった。その後、首里城を探索する。せっかく来たのだからということで、無料区域だけだなく有料区域も見学した。見学の最中、パンフレットをもらったり、気になることはメモをしたりと一応レポートを書けるように下準備はした。
「こんなもんだな。」
首里城とその周辺を回り終えた。時間にすれば1時間弱くらいだった。弁財天堂や龍潭等、首里城の周辺には多くのスポットがあったが、一つ一つの滞在時間が短かった。当然と言えば当然である。学生にとって一番なことは学びよりも遊び。レポートに必要な最低限の下調べで終わらせ、少しでも多くの時間を買い物にあてたいのだ。これは決して首里城に魅力がないとかではなく、学生の遊びたい欲望が勝っただけである。
「それじゃあ、買い物をしに国際通りに行きましょう。」
涼平たちは首里城を後にし国際通りに向かう。移動手段はもちろん電車だ。徒歩で行くには少し遠いので、少しでも早く着く電車を選択したというわけだ。
涼平たちは電車の中で今後の予定について話し合った。予定では国際通りで買い物とざっくりした計画しか立てていなかったのだ。どの店を回るとか、どういった経路で回るとか細かいことは一切考えてなかった。話し合いの末、ある程度班で回りつつも、各々気になった店があれば個人で入るということになった。まあ、全員が全員同じ店で買いたい物があるとも限らないし、個人の好みはバラバラだろうし妥当な判断だ。ただ、昼食は班のみんなで食べようという話になり、班員が揃っている買い物前に食べようという話になった。
昼食は国際通りにある沖縄料理の店で食べた。この昼食は自腹なのでお金をやりくりする必要がある。学校側は修学旅行のお小遣いとして一万五千円までと指定していた。まあ、先生たちが一人一人守っているか確認するわけではないので、あってないような決まりだ。実際、大樹や聖来、翔までも規定よりも多くのお金を持ってきていた。涼平はフレアに用意してもらったので、規定通りの一万五千円。ライトも同様だ。ただ、涼平はこれで十分だと思っている。お土産を買うといっても一万五千円も使わないと考えていたからだ。特に涼平とライトはフレアとラナを含めて、四人分のお土産を買うお金があれば十分だ。自分へのお土産を奮発したとしても一万五千円もあれば足りるだろう。美影は涼平たちよりも少なく、八千円しか持ってきていないみたいだ。
涼平はお金を節約するよりも食欲が勝った。腹いっぱいになるまで食べたので、千五百円ほど使った。
「いよいよ買い物だね。」
涼平たちは店を出てお楽しみの時間が始まる。大樹たちは自分の気になる店に入っていく。涼平とライトだけが置いて行かれた。
「涼平はフレアとラナちゃんのお土産何にする?」
「特に決めてないな。」
「じゃあ、私たちで役割分担しない?涼平は食べ物系でお願い。私は手元に残る物にするから。」
「分かった。」
ライトはそう言い残すと適当なお店に入っていった。
「俺も探すか。」
涼平もフレアとラナの二人にお土産を買おうとは考えていた。特にフレアには日頃から家事を全部してくれているし、そのお礼に何かを買いたかった。何を買おうか迷っていたので、ライトの提案はありがたかった。沖縄のお土産で食べ物と言えば定番な物が二つある。ちんすこうと紅芋タルトだ。この二つを二人で分けて食べてもらえばいい。もし、ライトと役割が逆だったら涼平は悩みに悩んでいただろう。役割分担はライトなりの配慮だったのかもしれない。
「とりあえず店に入るか。」
涼平はお目当ての物を買うために近くにある店に入る。店内の一番目立つ場所にちんすこうがあり、そのすぐ近くに紅芋タルトがあった。二つの商品はそれぞれ6個入りとか12個入りとか、入っている個数が違うみたいだ。涼平は両方とも一番個数が入っているもの選択した。フレアはともかく、ラナは人間界に来てから食い意地を張っているからだ。
「これで目的は達成したな。」
涼平は商品を購入し店を出る。二つで三千円とちょっとかかった。なので、残金は一万円程度。まだまだ金銭的に余裕がある。別に欲しい物があるわけではないが、他の班員が買い物が終わっていないので、辺りを散策して時間を潰すことにした。
「あら、涼平さん。何を買ったんですか?」
何となく入った店を回っていると美影がいた。
「ああ。お土産を少しな。」
涼平は袋の中身を美影に見せる。
「定番ですね。」
「美影は何か買ったのか?」
「私は何も買ってませんよ。別に欲しい物もありませんので。」
「そうなのか。」
涼平も二人へのお土産以外に買いたい物があるわけではないので美影と同じということになる。生徒の中にはお土産代を最小限にして、残りのお小遣いを自分の懐に入れようとしている者もいる。お小遣いの使い方は人それぞれというわけだ。美影も無駄な出費をせずに貯金しようという考えなのかもしれない。
「ところで、涼平さん。昨日ライトさんから聞きましたけど、二人は付き合うことになったとか。」
「えっと、まあ、うん。そうだな。」
美影からライトとのことを話題に挙げられて動揺する。涼平が昨日大樹たちに問い詰められたように女子部屋でも同じことが起こったのかもしれない。もしかしたら、ライトが自分から言ったのかもしれないが。過程はどうあれ、美影が涼平とライトが付き合うようになったと知っている事実は変わらない。
(何か気まずいな。)
涼平は美影が自分のことが好きだと思っている。(実際に言われたわけではないが。)そう考える理由は、以前にカラオケ店で半裸で迫られたことがあるからだ。普通に考えれば、興味のない人にそんなことはしないだろう。そこから導き出した結論というわけだ。つまり涼平からすると、ライトと付き合うようになったことで、間接的に美影を振ってしまったことになる。
「私のことは気にせずに、これからもいつも通り接してくれると幸いです。それに私は涼平さんがライトさんのことが好きなことは分かっていましたので、大してダメージは受けていないので安心してください。」
「それなら良かった。」
涼平は美影が実際どう思っているのかが分からなかった。美影は普段から感情を余り表に出さないことが原因だ。気遣いとかした方がいいのかもしれないが、それがかえって迷惑になる可能性だってある。それに振られた男に慰められる状況もいかがなものかと思う。ここは美影の言葉を言葉の通り受け取って何もしないことが最善だと涼平は考えた。
「それでは私はもう少し他の店を回ってみようと思います。」
美影はそう言うと店を出ていった。
(美影はすごいな。)
涼平は美影を見送りつつ感心していた。内心はどうであれ、美影はいつも通りのように振る舞っていた。自分がライトに振られたと仮定したら、いつも通りになんて過ごせないだろう。それに美影は女の勘というのか洞察力も鋭い。涼平がライトに恋心を抱いていたことは気づいていた可能性が高い。それに肝試しのくじの時も感じたことだが、美影には駆け引きとかそう言った類の物で勝てない気がする。なんというか心が見透かされていそうだ。
(てことは、さっきの考えも読まれてたりして。)
涼平はそんなことを考えながら時間を潰す。
「涼平。お土産買った?」
涼平がぶらぶらと歩いていると買い物を終えて店から出てきたライトと鉢合わせした。
「ああ。」
涼平は美影の時と同様、ライトに袋の中身を見せた。袋の中身を見せた方が、言葉で説明するよりも楽だと感じたからだ。
「王道でいいと思うよ。」
「それは良かった。それでライトは何を選んだんだ?」
「私はトートバッグにしたよ。」
ライトは買ったトートバッグを見せてくれた。沖縄の海が描かれたものだった。ライトが言うには、フレアたちが普段買い出しに行った時に使えるような実用的な物にしたそうだ。最初はアクセサリー系で悩んでいたが、以前に涼平がフレアとラナにプレゼントしていたので似たような物だと面白くないと思ったらしい。
「ライトはこれからどうするんだ?自分の欲しい物は買ったのか?」
ライトもフレアたちへのお土産を買うという目的は達成し、お小遣いもまだ十分に残っているだろう。
「これといって欲しいものがあるわけじゃないんだけど、一つ涼平にお願いしていいかな?」
「俺にできることなら何でもいいぞ。ライトが気に入りそうな物、一緒に探そうか?」
涼平はこのままボケーっと自由時間を終わらせるにはもったいないので、少しでも彼女の役に立てたらと思った。
「涼平とお揃いで何か欲しいなと思って。キーホルダーみたいな小物で良いから。」
「いいぞ。それじゃあ、一緒に探そうか。」
涼平たちは色々なお店を回った。涼平はお揃いの物を買うということが少し恥ずかしかったが、彼女の頼みだし、修学旅行の間ライトの事を無下に扱った罪悪感もある。断る理由がなかった。それに、キーホルダーくらいならマシだとも思った。恋人同士だとペアルックとか、それ以上に恥ずかしいことをすることもあるみたいだからだ。涼平たちは自由時間ギリギリまで選びまわった。せっかく買うのだから二人が納得できるものを買いたかったからだ。
「いいのが買えて良かったね。」
「そうだな。」
涼平たちが買ったのはシーサーのキーホルダーだ。シーサーと言っても沖縄の家に置かれているような見た目ではなく、キーホルダー用にゆるキャラ化したような可愛いデザインのものだ。シーサーのキーホルダーは雄雌それぞれあったので、涼平が雄、ライトが雌のキーホルダーを購入した。
涼平たちは買い物を終え大樹たちと合流する。そして、班員揃って那覇空港へと行った。
空港ではいつも通り先生たちが点呼し、行きと同じ手順で飛行機に搭乗する。
「いやあ~修学旅行終わっちまったな。」
大樹が物寂しげに言う。
「あっという間だったね。」
「そうだな。」
涼平に言葉では翔に賛同しつつも、内心では修学旅行はとても長かったように感じる。涼平がまともに修学旅行を楽しめたのは三日目だけだった。しかし、それは自分の決断力の無さが原因だと納得している。それに、好きだったライトと付き合うことになった。これだけで修学旅行に来た価値はあったと感じている。それが涼平の今後に大きく影響することを今はまだ知らなかった。
何はともあれ、涼平の激動の修学旅行はこれにて幕を閉じた。
場所は変わって神界。時は修学旅行三日目の夜。
コンコンコン
「シンラ様。マイです。部屋に入ってよろしいでしょうか?」
神界にあるシンラの部屋を自分をマイと呼ぶ女性が訪ねる。
「・・・。」
返事がない。
コンコンコン
もう一度ノックをするも返事がない。
「シンラ様。入りますよ。」
マイはこれ以上ノックを続けるよりも、部屋に入った方が楽だと考え、シンラの了承を得ずに入る。ライトや他の神様だったらこんなことはできない。マイとシンラの関係性が他の神様とは違うことがうかがえる。
部屋に入ると、シンラは何かのパンフレットをじっくり見ていた。それに集中していてノックに気づかなかったのだろう。
「シンラ様。」
マイがシンラの近くまで行く。
「えっ。・・・なんだマイですか。」
シンラは少し驚いて声の方を向く。
「シンラ様。何読んでいるのですか?」
マイはシンラが手に持っているパンフレットを取る。
「これライトが通ってる学校の学校案内じゃない。これ見てて定時連絡さぼったのですか?」
「・・・定時連絡。忘れてたわ。」
シンラはマイに言われてハッとする。完全に失念していたのだ。
「大丈夫ですか?忘れるなんてシンラ様らしくないですよ。」
魔界の調査を担当しているマイは、毎日夜十時にシンラと連絡を取り合っている。マイは他の神様と違い、神様で唯一シンラの計画の全貌を知っているのだ。彼女が魔界にいる理由も計画をスムーズに進められるようにするためだ。一応、魔界を調査してライトにレポートを提出する仕事もある。ともかく、マイはシンラとの定時連絡で計画の進捗状況について逐一報告しているのだ。
「ちょっと想定外のことが起きて動揺しているだけです。」
「よっぽどのことなんですね?」
今までシンラの計画に想定外のことは一切なかった。涼平が戦争で戦った相手のように、当初の予定とは違うことは度々起きていたが、結果だけを見れば順調良く計画は進んでいた。だから、マイはよっぽどのことが起こったのだと確信する。
「ええ。あなたはミカゲって覚えてる?」
「・・・忘れませんよ。私たちの仲間をたくさん殺したんですから。」
マイの脳裏に嫌な記憶が思い起こされる。
「・・・そうね。忘れるわけないわね。」
「ミカゲ、想定外のこと。・・・まさか。」
マイはシンラの言ったキーワードから一つの可能性が思い浮かぶ。
「ええ。そのまさかよ。彼女が生きていたの。」
「そっそんなことが。それで、どうするんですか。計画を変更しますか?」
マイの予想が的中する。
「それは無理だわ。私には時間がない。計画は予定通り進めるわ。それで、定時連絡の件について聞かせてもらえるかしら?」
「そっそうでしたね。マクア王国の議会は順調にことを運んでいます。一か月以内には例の議案は可決されると思います。」
「それは良かったわ。あなたはこのまま計画を進めなさい。ミカゲの対処方法については私が考えます。」
「分かりました。・・・それでは失礼します。」
マイはシンラの部屋を後にした。




