二十三 シンラの計画
フレアの神力により、ライトの身体は万全な状態まで完治した。
「ライトの怪我も治ったことですし、場所を移しましょうか。ここでは話をしにくいですので。」
シンラはお茶会をした部屋に再び戻ることを提案する。提案といっても、シンラの言うことは絶対みたいなところがあるので、命令と言った方が正しいだろう。
とは言っても、今いる場所は椅子が無いので、話をすると立ち話になるか、床に座って話すことになる。それよりは、椅子に座りながら話をする方が良いだろうということで、反対する人は誰もいなかった。
移動をして各々席に座る。席の位置はシンラとライトは先ほどと変わらない場所に座った。ライトの隣にラナが座り、ライトの目の前にフレアが座る。涼平はフレアの隣、ラナの目の前に座る。
涼平はライトの隣や正面に座るのが気まずいので、ライトとは対角線上の位置に座る。
「話をする前に、ライト。あなたが成長できたことを嬉しく思います。」
「あっありがとうございます。」
ライトはいきなり名指しで褒められて少しビクッとした。
「あなたにはご褒美をあげましょう。」
シンラは指をパチンとならす。すると、ライトの目の前に一つの剣が顕現する。
「これは神剣ゴッドスレイヤー。この剣の所有権をあなたに移します。ライトは今後、神剣デモンスレイヤーではなく、神剣ゴッドスレイヤーを使うように。」
「分かりました。」
ライトはシンラの褒美が剣である理由は分からないが、シンラからの好意を無下にはできない。素直に受け取ることにした。
「それでは、本題に入りましょうか。今から、私に質問しても良い時間を設けます。涼平さんやライトは知りたいことがたくさんあると思います。可能な限り答えてあげましょう。」
(ようやくか。)
涼平がこのお茶会に参加した一番の理由。このためにくだらないお茶会を耐え忍んできたのだ。
「質問を受け付ける前に、一つで言っておきます。私は涼平さんやライトに色々してきましたが、全てライトが涼平さんに恋をする状況を作るためにしてきたことです。それを前提に質問してきてください。」
「じゃあ、なんで俺を人間界に連れてきて生活をさせたんだ?その・・・恋愛だけなら魔界でもできるだろ。」
涼平は早速質問をする。ライトの恋愛について口にしずらかったが、背に腹は代えられない。ここで真実を知る必要がある。
「簡単な話です。人間界と魔界、どちらの方が恋をするのに最適な世界だと思いますか?人間界の方が良いのは明らかですよね。それに、魔界にいたころの涼平さんに恋愛できましたか?」
「それは・・・できないだろうな。」
人間界と魔界、どちらが恋愛しやすいかなんて、火を見るよりも明らかだ。魔界は戦争で殺伐しているし、結婚だって強い子孫を残すために、貴族どもの見合い結婚が大半だ。人間のように自由恋愛をしにくいのは現状だ。
それに、涼平が魔界にいた時に恋愛、少なくとも異性と仲良くするなんて考えにも至らなかった。もし、魔界でライトと出会ったとしても、ライトが涼平に恋をすることはなかっただろう。少なくとも、ライトが言っていた涼平の好きな部分(優しさや気遣いといった心情)は、涼平が人間界に来てから得た感情だからだ。
「私からも質問いいですか?私が国宝を盗む理由はなんでしょうか?」
「それはモーデン帝国にあなたを襲わせる口実を作るためよ。戦争で不利な状況にあったモーデン帝国が切り札である国宝を盗まれた。あなたをマクア王国の刺客と思い込んで敵視するのは自然でしょ。」
「確かに、ライトおねえちゃんが国宝を盗んでから、帝国議会はパニックになってたってアラン君が言ってたよ。」
ラナの発言で、シンラの言葉の信憑性が増す。
「つまり、人間界で悪魔が私を襲う状況にしたかったってことでしょうか?」
「ええ、そうよ。恋に落ちるには、適度なピンチがあった方が良いでしょ。人間界に閉じ込められて、悪魔が自分を襲ってくる。ライトには不安な場面よね。それを涼平さんが薙ぎ払ってくれたら、惚れ惚れするわよね。」
「・・・。」
ライトは顔を真っ赤にして黙り込む。シンラの思い通りに自分が惚れてしまって恥ずかしくなったのだ。
「今のシンラ様の発言から考えたのですが、ライト様が国宝を盗むまで、人間界や魔界に行ったことが無かったこともシンラ様の計画に関係がありますか?」
「もちろん。特に人間界に行かせなかったことが計画に大きく関係するわ。人間界に来て、ライトは娯楽に夢中になったわね。ライトがあそこまで夢中になれた理由は、今までそういった経験がなかったからよ。楽しい生活を送らないと、恋愛なんて発想まで至らないでしょ。」
「そうだな。」
涼平は納得する。自分の悪魔時代は心に余裕が無くて、恋愛のれの字も頭の中になかった。環境の大切さは痛いほど分かる。初めての人間界、ライトが恋愛をしやすい環境だったというわけだ。
「じゃあ、どこまでが計画の範囲なんだ?適度なピンチって言うが、俺がアランたちに負けたことや、戦争に参加したことも計画の内だったのか?」
シンラが人間界での戦闘のことまで考慮していたとなると、涼平が人間界で生活してからの出来事は、全てシンラのシナリオの可能性が浮上する。
「ほぼほぼ計画の内だったわ。唯一計画外だったのは、涼平さんが戦争で戦った相手。本来の計画では、私が涼平さんの相手をしてわざと負ける予定でした。」
「そうか。」
涼平が人間界に来てから、今までシンラの計画通りにことが運んでいる。話を聞いているだけでも、かなり前から計画していることになる。ここ最近に計画したものなら、ライトが神界から出たことがないことと矛盾する。そんな計画の最終目的は何なのか?ライトに恋をさせるだけではない気がする。それに、この計画が今日で終わるとは思わない。これからも、シンラのシナリオ通りに進んでいくのだろう。
「あのーすごい単純な質問なんですけど、どうしてお兄ちゃん何ですか?」
ラナは恐る恐るシンラに質問する。
「どういう意味かしら?」
シンラはラナの質問の意味が分からず、質問を質問で返す。
「えーっと、ライトおねえちゃんが恋をする相手がどうしてお兄ちゃんなのかなって。人間界に来て変わってたんだけど、悪魔時代のお兄ちゃんって、愛想良くないし、悪魔不信だし、ライトおねえちゃんが惚れる要素なんてないと思ったんですけど。」
(確かに。)
ラナのとげがある発言は少しムカッときたが、ラナの言っていることは間違いない。それでも、多くの悪魔の中で涼平を選んだことには何か理由があるはずだ。
「大きな理由は主に二つ。一つは強さです。計画を進めていく中で、涼平さんには何度か戦ってもらいました。人間の身体になるというハンデを背負っても、悪魔に勝てる実力が必要だったのです。二つ目は涼平さんの魔界での立場です。涼平さんは魔界でも異端な存在として扱われていて、社会的な地位は低かったはずです。つまり、魔界から涼平さんがいなくなっても、困る人がほとんどいなかった。それに、涼平さん自身も魔界での生活は辛かったはずですし、いきなり人間界で生活をすることになっても何の支障もなかったでしょう。」
「それはそうだ。」
涼平は自分を改めて見つめなおすと、自分ほど人間界で生活することに支障のない悪魔はいないだろう。一つ目の理由である強さという条件なら、アランや他の悪魔でも満たせるだろう。しかし、二つ目の条件が厳しい。アランもそうだが、強い悪魔というのは上位の貴族であることが多い。そんな大物がいなくなったら、帝国では騒ぎになるかもしれない。
「それに、涼平さんが若いという点も良かったです。悪魔は20代までの間は成長するので、20代後半に強くなる晩成型の悪魔も多くいます。その辺りの年代の悪魔だと、人間界に連れてきても私の思うように動いてくれるかは怪しいです。特に、学校に通ってくれる可能性は少ないでしょう。」
「納得いったよ。お兄ちゃんの性格とかで選んでわけではないんだね。」
ラナはシンラの回答に納得がいったようだ。
「かなり質問に答えたけど、他に質問はあるかしら。」
「では、もう一つだけ質問よろしいですか?神力の理屈からして、恋愛が力を引き出すことにベストなことは分かります。そのために、ライト様が恋をするように色々な計画を立てていたことも知りました。でも、ライト様が涼平様のことを実際に好きになるかは不明瞭です。私ですら、ライト様が恋をしてるかもと感じていたくらいです。しかし、先ほどの特訓の際、シンラ様はライト様が涼平様に恋をしていると確信しているように見えました。何か決定打でもあったのでしょうか?」
フレアは長年ライトに付き添っている。ライトと過ごした時間だけであれば、シンラよりも長い。フレアはそんな自分ですら確信を持てなかったことが、シンラに分からるものだろうかと疑問に思ったのだ。
「それは・・・。」
シンラはすぐに答えを出さなかった。シンラの顔を見るに、答えがないと言うよりは、答えていいのか迷っている感じだった。
「まあ、これくらいならいいでしょう。実は、親である私は子であるあなたたちの心を読むことができるのです。だから、ライトが涼平さんに恋心を抱いていることを確信できたわけです。ちなみに、子同士で心を読むことはできませんよ。」
「そっそうなのですか。」
フレアが珍しく動揺していた。しかし、それは至極当然な反応だ。。自分の心の中を見られている。そんな恥ずかしい話はないだろう。
「ええ。あなたが夜にどんな妄想をしているかも知ってますよ。まあ、あなたの名誉のためにここでは口にしませんが。」
「えっと。それは・・・。」
フレアもライトと同じように顔を真っ赤にして黙り込む。
「涼平さんも最後に何か質問はありますか?」
「じゃあ、一つだけ。この計画の最終目的は何なんだ?これだけ念入りに組まれた計画だ。まさか、今日で終わりってことはないだろ。」
「それは教えることはできません。」
「まあ、そうだよな。」
シンラが教えてくれないことは分かっていた。涼平やライトが今後の計画の内容を知ってしまえば、シンラの計画通りことが進まなくなる可能性は大いにあるだろう。
「ええ。ですが、もう少しだけ計画続くので、心構えくらいはしておいても損はないですよ。」
シンラはそう言って笑みを浮かべる。
シンラへの質問会は終わり、涼平たちは人間界に戻ることなった。
「あっそうだわ。ライトにも世界を渡る扉の作成方法を教えてあげる。ライトに秘密にしておく理由は無くなったからね。」
シンラはそう言ってライトに扉の作成方法を教え始める。ライトに扉の作成方法を教えなかった理由は、ライトがむやみやたらに人間界や魔界に行くことを防ぐためだろう。今となってはその理由はいらなくなったので、教えても問題ないというわけだ。
「これでいいのね。」
ライトはシンラに教えてもらった通りに扉を作成する。涼平たちはその扉を使って人間界に戻った。
涼平は自宅に戻るとすぐに自室に引きこもった。理由は単純だ。ライトと顔を合わせることが気まずいからだ。先ほどのシンラへの質問の時は、ライトと直接会話をすることはなかったし、シンラへの質問に集中していたから特に問題なかった。けど、自宅ではそうはいかない。リビングにいれば、ライトと顔を合わすことは避けられない。自室に引きこもり、誰とも顔を合わせないことが最適解なのだ。
涼平はベッドに寝転がる。
「ライト・・・。」
一人になったことで、さっきまでの出来事を冷静に振り返ることができた。シンラの計画は、ライトが自分に恋をするためのものだった。結果としては、間違っていないだろう。シンラの最終目的は分からないが、今回のお茶会での目的はライトを強くすることだった。ライトのあの強さを見れば、一番強い想いは恋と断言できるレベルだ。ライトが強くとなること自体はそこまで大きな問題ではない。(大きくないだけで問題ではあるが。)一番の問題はライトが自分に恋をしている事である。しかも、それを口にしてしまったことが問題である。ライトが心の中で想っているだけなら、気まずい状況にはならなかった。
涼平自身もライトに恋をしている。簡単な言葉で言うなら、涼平とライトは両思いである。第三者から見れば、涼平がライトに了承の返事をすればいいのではと考えることだろう。実際、涼平がライトと付き合えば丸く収まる。今の気まずい状況も、恋人関係になるという楽しい状況に塗り替わるだろう。
しかし、涼平にはそれができなかった。涼平は自分がライトと恋人になれるような男ではないと考えているからである。ライトについて改めて分析すればするほど、その考えはより深みを増していく。
まず、ライトの容姿についてだ。顔は可愛い。もちろん、個人によって好みは違うが、少なくとも涼平にとっては、世界で一番可愛い女の子だと断言できるレベルだ。スタイルも抜群だ。グラビアアイドルも顔負けな圧倒的なボディ。涼平も、フレアのようなロリボディではなく、ライトのようなダイナマイトボディの方が好きなので、ここも特に問題ない。
次に頭脳だ。ライトは何百年、何千年と生きている神様である。その時間のほとんど史書作成に費やしてきた。その史書作成にあたり、人間界、魔界の知識を多く自分の脳に取り込んできた。学校のテストは当然のように全教科満点。ライトの学力は学校のテスト如きで計ることはできないだろう。
最後に運動能力だ。戦闘能力と言い換えても差し支えないだろう。お茶会以前のライトであれば、人間よりも能力が高い程度のものだった。しかし、今のライトに敵う悪魔は誰一人としていないだろう。もちろん、涼平自身も。これは涼平の推測ではあるが、ライトの強さはシンラすらも上回った可能性すらある。それだけ、ライトは強くなったのである。
つまり、ライトは容姿、頭脳、運動能力、全てにおいて完璧であることは間違いない。
では、そんな完璧なライトが恋をしている涼平(自分)について分析していこう。
まず、自分の容姿だ。自分で考えるのは変な気持ちだけど、中の上といった感じと思う。悪くはないけど、良くもない。実際、ライトも涼平の顔がかっこいいとは一言も言っていない。つまりは、その程度の容姿なのだろう。
次に頭脳だ。涼平自身、頭脳自体はそこまで悪くないと考えている。悪魔時代の涼平は学校の成績は良かったし、人間界に来てからも、別世界の勉強にすぐに対応できたと自負している。現在の高校での成績は微妙だが、本気を出せば学年トップ20には入ると思っている。でも、ライトには届かない。ライトは学年一位だし、全教科満点だし。ライトから見れば、自分の頭脳なんてたかが知れているだろう。
最後に戦闘能力。涼平自身は戦闘能力にかなり自信を持っていた。悪魔の身体の時に負けた相手は、神様であるシンラだけ。人間の身体になってからも、アランたちに負けただけ。涼平は基本敗北を知らない。実際、シンラも涼平は今の魔界では強者であると言っていた。まあ、その強さも今のライトと比べれば、ひよこ同然ではある。
つまり、今の涼平は容姿、頭脳、戦闘能力、その全てにおいてライトに全く敵わない状態である。そんな自分がライトと付き合う?あり得ない。涼平はそう決めつけていたのだ。
涼平はゲームをすることで、ゲームの世界に没入し、嫌な現実から目を背けることにした。
「涼平様。ご飯ですよ。」
部屋の扉が開きフレアが室内に入ってきた。
「・・・もうそんな時間か。」
涼平はゲームを一時中断して時計を見る。時計は7時34分だった。ゲームを始めたのが、2時過ぎくらいだったので、かなりの時間遊んでいたことになる。
涼平は一階に降りる。テーブルにはいつものように、フレアのおいしそうな料理が並んでいる。ライトとラナは既に席に座っていて、涼平が来るのを待っているだけだった。
涼平とフレアが席に座り、食卓に全員が揃った。
「「「「いただきます。」」」」
涼平たちはそう一言言った後は、誰も話さずに黙々と食事をとる。いつもなら、何かしらの会話が弾み賑やかな食卓であった。しかし、今日はそうではなく沈黙の食卓だった。その理由は単純だ。食卓で中心に話すのはライトだからだ。フレアは基本自分から話題を振らない。ライトの話を頷きながら聞いているだけ。ラナも似たような感じだ。ラナは基本家にいるので、提供できる話題が少ないからだ。
つまり、ライトが話の中心なのだ。今日はそのライトが全く話をしない。フレアもラナも事情を知っているが故に、話題を提供しにくい。涼平とライトがお通夜モードの中、話題を振るのは空気的にも難しい。
ライトが話さないのは席位置も悪い。普段の食卓と席位置が変わらないので、涼平とライトの席位置は向かい合わせなのだ。だから、ライトは下を向いて黙々と食べている。たまに涼平の方を見ては顔を真っ赤にして食事をとる。こんな状況でも席位置を変えなかった理由は、いつも通りの日常を演出したかったからである。しかし、形だけでは意味がない。平常心もいつも通りの生活を送るために必要なのだ。
涼平もライトと似たような感じだ。なるべくライトと顔を合わせたくないので、下を向いて早食いをする。美味しい料理を作ってくれたフレアには申し訳ないが、涼平は早くこの食卓から抜け出したいのだ。
「ごちそうさまでした。」
涼平は食べ終わり早々に食卓を去った。涼平が食卓を離れた後も、食卓は沈黙したままだった。
涼平たちは順番通りに風呂に入り、時間は12時を越していた。
ライトはいつも通り、自室で史書を作成する時間だ。ラナも12時前には就寝する。今、リビングではフレアが一人でゲームをしているだけだ。フレアはライトが就寝するまでは基本起きている。ライトに何かあった時にすぐに対応するためだ。
「なあ、フレア。少し話がある。」
涼平はリビングにフレアしかいないことを確認して話しかける。
「何でしょうか。」
フレアはゲームを中断して涼平の方を向く。
「俺を魔界に連れて行って欲しい。」
「それは構いませんが、理由を聞いてもいいですか?」
「少し一人で考える時間が欲しい。」
涼平が考える時間が欲しいのは事実だ。だが、一番の理由はライトと一緒の空間に居たくないからだ。
「一人で考える時間は必要だと思います。どのくらい魔界にいるつもりですか?確か、今週は修学旅行があったと思うのですが。」
「もちろん、修学旅行には参加する。だから、修学旅行の当日の朝に迎えに来て欲しい。そんな長時間かけて考える内容でもないしな。」
修学旅行は今週の水曜日だ。今日は日曜日。いや、日付が変わったから月曜日だ。二日もあれば考える時間には十分だろう。あまり考えすぎるのも良くないしな。
「分かりました。場所はとりあえず、前回アラン様たちと別れた場所でいいですか?」
「問題ない。水曜日も同じ場所に扉を開いてくれ。」
「分かりました。」
フレアは扉を作成する。
「じゃあ、フレア行ってくる。ライトには適当に伝えておいてくれ。」
「分かりました。・・・少しだけお話してもいいですか?」
「手短に頼む。」
「私はライト様の幸せを一番に考えています。ですが、恋愛は個人の気持ちの問題なので、涼平様がライト様にとって良い返事をしなかったとしても私は何も言いません。ただ、自分の気持ちに正直になってください。ライト様に嘘をつかないで欲しい。ただそれだけです。」
「大丈夫だ。心配するな。」
涼平はフレアに心の中を見透かされているような感じがした。涼平は気休め程度の言葉を言って扉の中に入った。
「・・・大丈夫でしょうか。」
涼平を見送ったフレアはそう呟いた。
そして、涼平の運命を変える修学旅行が始まる。




