ヒーラーをお求めなら異世界へお願いします
噓みたいな本当の話です。
少し前の出来事になりますが、患者さん家族とのやり取りでゾッとする出来事がありました。
驚きすぎて消化するのに時間が掛かってしまいましたが、思い出すと面白かったので書きました。
夜の10時過ぎでした。
救急の受付に2歳のお子さんを連れたお父さんがやってきました。
娘が足が痛いと泣きじゃくっているので診て欲しいとのことで受付をしました。
レントゲンを撮り、診察し捻挫という診断でした。
医師が父親へ説明と捻挫を治す為の処置などについて教え、帰宅となりました。
その2時間後、先ほど来ていたこの父親から電話がありました。
「〇〇ちゃんが痛いって泣いている!お前ら騙したな!」
とめちゃくちゃキレていました。
興奮状態でこちらの話を全く聞かずひたすら罵声を浴びせてきます。
とりあえず、気が済むまでキレ散らかしてもらい、一息ついたところで事情を聞いてみました。
父親の言い分は
・病院に行って医師に診せたから治っているはずなのに痛がっているのはおかしい
・娘が痛みを訴えて寝てくれないし暴れている
・治っていないという事は私たち親子を騙した
という事でした。
もうどこからツッコんで良いのか・・・。
まず、今日の診察について振り返って貰うために、医師の許可を貰ってカルテを読み上げました。
レントゲンを撮って骨折ではない事が分かった、診察して捻挫と診断した、捻挫の治療について説明・小さい子供なので親御さんの協力について話した(安静にしてもらうよう見守り等)。
カルテに書いている事は聞いたと父親は認めました。
しかし、病院から出ても治ってないのはおかしいんじゃないかと訴え続けられました。
おそらく、この父親は今まで大きなケガや病気をした事が無い・身近にそのような人がいた経験がないのでしょう。
常識の前提が違うため、その擦り合わせからしないといけませんが、父親の方は自分が絶対に正しくて病院側が騙しているという思い込みでこちらの話を聞く気が無い為うまくいきません。
なんとか私も無い知恵を絞りだして、引っかき傷や虫刺されが瞬時に治らないのと同じで、娘さんのケガも治るのに時間がかかりますよと伝えましたが
「医師が娘のケガした所に触っていたから治っているはずだ」と言われてしまいました。
ファンタジー世界のように魔法使いが手をかざしたら治ると本気で信じているようでした。
あまりにも常識が違い過ぎてゾッとしていまい、次の言葉が見つかりませんでした。
どうしようかと困っていたら、診察した医師が様子を見に来て下さり電話を代わってもらいました。
しかし、父親の言い分は変わらず埒が明かないため、心配ならまた連れてきて下さいと伝え一先ず終わりました。
電話での意味不明なクレームはよくあることですが、医師=ヒーラーと思い込んでクレームを入れてくる人は初めてでした。
流石に病院として非はなかったと思います。
世の中にはまだまだ私の常識と違う世界で生きている人がいるんだなと学んだ出来事でした。
でもここで言わせてください。
医師はヒーラーじゃないから!!!
瞬時に治して欲しいなら病院じゃなくて異世界に行ってください!!!!!!