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~異世界転移?~勇者召喚されたけど、本当は〇〇〇だった!?  作者: くろにくる?
第1章 異世界到達編
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第4話 異世界転移?

 歓声の中、どうにか体を起こそうとしたが、


 頭に(にぶ)い痛み、そして、強い目眩(めまい)のせいで再び倒れ、


 そのまま気を失ってしまった。




 どれぐらい眠っていたのだろうか?


 目を覚まし、体を起こしたのはベッドの上だった。


 軽い目眩がしたが倒れる程ではなかった為、


 ベッドから出て立ち上がろうとしたのだが...


 ドン!ガラガラ..ガッシャーン‼


「いてててて...」


 体の節々(ふしぶし)が強く痛み、うまく歩けずフラついて、


 テーブルに寄り掛かったのだが、テーブルを押し倒し転び、


 その上に()っていた物を盛大(せいだい)な音と共に床に落としてしまった。




 あれ程の音を立てて転んでしまったのだから、


 誰かが気付いたのであろう。


 部屋の外からパタパタと()けてくる音がした。


 体を起こそうとしたがうまく立てず、


 そうこうしている内に、ドアが開けられ、


 盛大にやらかしたみっともない姿のままで、


 駆け付けた者と視線が合った。




「!!...大丈夫(だいじょうぶ)ですか?」


 盛大にやらかし、みっともない姿の僕を見て、


 (あき)れるのでもなく笑うのでもなく、


 (やさ)しく気遣(きづか)う少女。


 そんな少女に一時(ひととき)見惚(みと)れてしまった..まあ少し変な間があったけども。


 少女はショートヘアの黒髪(くろかみ)で、


 (ひとみ)も茶色がかった黒?顔立(かおだ)ちも良く、


 そして、カワイイ感じで上の前歯がちょっと出ている。


 僕と同じぐらいの背で、歳も近い感じの少女だった。




「...チョッ..と転んだだけなので、大丈夫だと思います」


 見惚れていてちょっと()みかけたが、


 そう応答(おうとう)する。


 急いで起き上がろうとするが、


 痛みのせいもあるのだろうけど、


 なぜか、いつもより体が重く、


 思うように立ち上がれなかった。




「ご無理をなさらないで下さい!」


 今度は(しか)るような目付きをしつつも、


 少女は立ち上がるのを手伝い、


 ベッドに腰掛(こしか)けさせてくれた。




「...すみません。有難(ありがと)うございます」


 (もう)(わけ)なさ、気恥(きは)ずかしさを感じつつ、


 顔を上げて少女を見た。


 少女は椅子に座っており、


 さっきは何とも思わなかったが…決して顔に見惚れていて気付かなかった訳ではない、(あらた)めて見てみると、という意味でだ…ゲームや映画などでよく見るファンタジーの世界の村娘(むらむすめ)服装(ふくそう)をしていた。


 姿形(すがたかたち)は僕と同じ世界の少女のように見えるが、


 身なりはザ・ファンタジーである。


 気を失う前、ユ・ウ・シャ・ショ・ウ・カ・ン?やら、


 イ・セ・カ・イ?やらと言っていたが、


 あれは(ゆめ)だったのであろうか?


 病院とかにはとても見えないが、


 僕の世界の知らない場所なのかも...


 部屋の中を見回すが、


 現代(げんだい)の造りにしてはみすぼら...ではなくて、


 古く(おもむき)があるように感じる。


 考え込んでいても答えが出る訳でもなく、


 素直(すなお)に聞いてみる事にした。


 見てばかりで待たせ過ぎたのか、若干(じゃっかん)笑顔が引きつっているような...もしかして怒ってる?




「...ゴクッ、え、え~と、ここはどこですか?」


 怒ってないよね?とビビりつつも、


 どうにか言葉を引き出せた。


 ...あれっ?そういえば、普通に言葉、通じてる?


 異世界といえば、言葉が通じないのが定番である。


 なぁ~んだ、ユウシャショウカンや別世界云々(うんぬん)は、


 ただの気のせいだったんだと自分で帰結(きけつ)しかけたのだが、


 少女の返答は...




「ここは【世界樹(せかいじゅ)(まも)(ざと)】。


“世界樹”の〖()(びと)〗..


聖域(せいいき)(まも)()たちが暮らす里の里長(さとおさ)の家です、勇者様」


 少し表情が(やわ)らかくなった少女は気遣(きづか)わしげにそう答えたのであった。




「えっ...!?」


 僕は思わず声を上げてしまった。


 どこ?それ?と聞き返さなかっただけマシであろう。


 全然(ぜんぜん)聞き覚えのない場所だが、


 ひとつだけ分かる単語(たんご)があった。


“世界樹”ってあの“世界樹”の事だよなぁ~。


 知らない場所なのに知っている“世界樹”。


 ...これだけだと判断が付かない。


 そう思いつつも、


 今度はどのくらい気を失っていたのか知る為、


 日付を(たず)ねてみた。




「今日は世界樹暦(せかいじゅれき)何年何月何日ですか?」


 ...あっ!世界樹暦は余計(よけい)だったかな?




「世界樹暦...?今日はナナ暦22022年の7月7日..いえ、8日になった頃でしょう。もう、真夜中(まよなか)ですから...」


 少女は世界樹暦に()()かりを感じつつも、


 そう答えてくれた。




「えっ!...ナナ暦?二万二千...⁉」


 日付を聞いたはずなのに、


 肝心(かんじん)の日付は耳に入ってこず、


 別の方に気を取られてしまった。


 少女は僕が呆気(あっけ)に取られている様子を(さっ)して、


「勇者様、我々の都合で勝手に召喚してしまった事を、


()(もう)()げます。


ですが、我々は〈勇者召喚(ゆうしゃしょうかん)〉に(すが)るしかなかったのです。


身勝手(みがって)な事は、重々承知(じゅうじゅうしょうち)しておりますが、


何卒(なにとぞ)、我々にお力添(ちからぞ)えいただけないでしょうか?」




 ...何てキレイなかのじ..じゃなくて、


 丁寧語(ていねいご)でしょう。


 さらに見惚(みと)れ..ではなくて、呆気に取られ、


 (かえ)って冷静(れいせい)になった。


 僕は()(けっ)して、


 告白(こくはく)..じゃあ~なくて、尋ねた。




「...ゴクッ、()...ちがう、ちがう!


ゴホン...ここは異世界ですか?」




「...す?...え~と、〈勇者召喚〉は別の世界..異世界から〈勇者〉を召喚する儀式(ぎしき)だと聞き(およ)んでおります」




 少女は気付く事なく、そう答えてくれた...(あぶ)ない危ない、


 (あや)うく告白するところだった。


 ...って!そんな事よりも!!




「...異世界転移(いせかいてんい)?いや、異世界召喚?...か」




 僕はそう(つぶや)き、やっぱり、


 異世界へとやって来たのだと再確認(さいかくにん)する事になるのだった...





「面白い!」


と少しでも思ったソコのアナタ!


ぜひ下の評価☆☆☆☆☆をチェックして下さい。


★5でも★1でも良いので、よろしくお願いします。


ブックマーク登録していただけたら、モチベーションにも繋がりますので、


お願いしますm(_ _"m)



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