第19話 ぜ~んぶ?
アーツはこのスライムが如何に有能で、
尚且つ、自分が危険な〖魔物使い〗
ではないという事を証明する為、
まずは、アーツイチ推しのあのスキルを見てもらう事にした。
「...では皆さん!とくとご覧あれ!」
そう言いつつ、スライムには小声で...
「アレ、出してみて、取り込んでいるのを...」
そう伝えてしまった。
「スイイ!スヴィ~イ?」
「わかった!ぜ~んぶ?」との返事に僕はつい
「そうだよ、お願い」と返したのだが...
アレ?全部?って言ったなぁー..?
そんなに〈収納〉してたっけ?
僕的にはあの取り込み済の短剣
を出してもらえれば良かったんだけども?
一抹の不安が過り、待った!
を掛けようとしたのだが、時すでに遅し。
「ちょっと、待っ...!!?」
ドサッ!突然の大きな物音にビクッ!としたのは、
僕だけではないはずだ...
いやぁ~、だってねぇ~、短剣を出した時はポンッ!
てな感じで、スゲー!ってなったんだけども...
コレは、ねぇ~?
自分の不用意な発言に後悔し、
自分が引き起こしてしまった
この悲惨な状況にドン引きしつつも、
表面上はこれが
予定通りであったかのように平然と...
「...ド、ドウデスカ皆サン?スゴイデショ?」
...うん!皆、感動してるね!
..いえ、現実逃避ですね...すみません!
皆は当然、啞然としており、
カーナは「何をやってんのよ...」と頭を抱え、
溜め息をついている。
どっかのバカ者は
「オ、オレはコ、コンナコトぐらいでは、
お、おどろかないぞ!」と虚勢を張っている。
スライムに至っては、何をどう勘違いしているのか
「どうだ!すごいだろ!」てな感じで威張っている...
...スライムを非難する事は出来ないよね?
だって、これは僕の遣らかしだしねぇ~..
初っ端からの失敗だ!
コレ、どうケリをつけようかな?...ハァ~~~。
どういう状況かと一言で表すのなら...
中身を全部...
出してしまったみたいだね。
あのゴブリンやフォレ...オオカミ?
も食べたというか、取り込んで?
消化したんだと思っていたんだけどもねぇ~?
ソレが、出てくるとは普通は思わないでしょう?
...いえ、僕の把握不足なんだけどもね..
ぶっつけ本番は、するもんじゃないね!
今、皆の目の前には、
ゴブリンが持っていた短剣やオオカミ?
に折られた竹刀だけならまだしも、
ゴブリンの布×3、オオカミ?の牙×1、
オオカミ?の爪×1、オオカミ?の毛皮×1、
オオカミ?の肉塊×1、そして...
何故あるのか、見覚えのない
植物らしき物が山のようにどっさりと積まれていた...
まあ、見覚えのある物までは僕の責任だよ?
しかし、オオカミ?..何か〈解体〉されてるっぽいし、
ゴブリンは消化吸収されたんだろうね?
..布だけ残して..まあ、ゴブリンは、
使えそうな素材はなさそうだからね..
うん!ここまでは確かに僕の責任と言えよう!
だけどねぇ~、このどっさりと積まれている植物の
束たちは...何かな?
まったく、身に覚えがないんですけども...
僕のジト目を感じたスライムは...
「ズィ!スィ、スィス」
「あっ!それ、オヤツ」という感じで言いつつ、
植物の山はなかったかのように、
一瞬で取り込んでしまっ...
たあぁぁ~~~!!?
...いやいや、今更、遅いし、
もう、皆、見ちゃったよ!?
..いやいやいや!
ツッコミどころはそこじゃないよ!!
何今の?...あの植物の山が、
小さなスライムの体に一瞬で吸い込まれちゃったよ!!!
さらなる驚きで皆が固まっている中
「どうすんだ、これ...どうしようもないよね?」と
今までのはなかった事にしよう!
とする僕なのであった...
僕とスライムの命運、尽きたかな?
「面白い!」
と少しでも思ったソコのアナタ!
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