表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界チートコンソール  作者: 鬼頭 輝
9/32

player.addtale 9 movetoコマンド

その後も海岸を探索し、何体かのモンスターを倒した。

ジャイアントクラブを食えないか手加減して倒すも足をもぎ取る前に消えられたり。

エリートゴブリンが出てきたので環境にやさしく倒そうとして頭をホームランして吐いたり。

森の方からでっかい蟷螂と蜘蛛が出てきてちょっとチビってしまったり。

ビビッて全力で殴ってしまいミンチになったのを見て吐いたり。

服の汚れを海で洗っていたらでっかいサメが襲ってきたので軽くパンチして撃退したり。


というわけで精神的にヘロヘロになりながら結構な数のモンスターを倒して、アイテムも魔石以外に色々と手に入れていた。

手加減の仕方というか、上がった身体能力の把握も一通りできたと思う。

砂浜はカニがメインらしくほとんどがカニのドロップアイテムで、甲羅とか脚とかが出てきたが、その中の脚は鑑定で食用と出たので、当座の食料は確保できたようだ。


そろそろ飯にしようかと海岸を歩いていると、何やら見覚えのある景色が見えてきた。

どこも海岸と森の似たような景色ではあるが、砂浜にできたこのクレーターは他の場所にはなかった。

というかこれ、俺がカニを倒すときにできた奴じゃん!

ずっと左手に海というのは守って歩いてきて、ずっと右手側に湾曲してるなぁと思ってたけど、まさか一周、つまりここ島。


『まさかの島スタート…』


思わず呟いてしまった。

もう日が暮れそうになっており、さすがに今から泳いで他の陸地を探すのは無謀すぎる。というか方向すらわからないし。

今日は諦めて飯にしようと考え、森の入り口付近の枯れ枝を拾ってきて積み上げ、着火のスキルで焚火を始めた。カニの脚だが、甲羅ごと火にくべれば中は食べれるだろう。


『なあ、フィオ。まさかの島スタートだったんだけど、ここどこなの?』


「今更聞く所がさすがご主人って感じっスね。ここは5大陸で囲まれた内海にある孤島っス。

 それぞれの大陸からの距離はほぼ同じっスけど、正確な位置を知りたいならコンソールで座標を取得したらいいんじゃないスかね?」


『ここの座標が分かった所で大陸の座標がわからない事にはなぁ…。

 世界地図とかマップ表示とかないの?』


「マップ表示の機能はないっスね。

 世界地図はアイテムとしてはありそうっスけど、IDはわからないっス。

 一応、大まかな位置関係であればわたしが書けるっスよ?」


『マジか、それを早く言え!

 いや、お願いします書いてください。』


フィオはニタリという擬音がとても良く合いそうな笑顔をすると、その辺の小枝を使って砂浜に地図を描きだした。

ものの数分で世界地図を書き上げ、さらにドヤ顔で解説を始めた。


「内海を中心に書いてみたっス。この世界の大陸は北半球に3つ、南半球に2つっス。

 それぞれの大陸の間は群島や海峡があって、そこまで航海技術が無くても渡れるっスね。」


書きあがった地図はどこか地球の世界地図に似ているような所があった。ユーラシア大陸を中央アジアあたりで割って、オーストラリア大陸をなくし、太平洋を狭くした感じ。あんまり似てないか。


『俺たちが居る場所は?』


「ここっスね。」


フィオが差したのは狭くなった太平洋、いや内海か、の中心であった。ハワイかな?

どちらにしろ泳ぐとなると上がった身体能力をもってしてもかなり時間がかかりそうだ。

ここはコンソールの機能を使って何とか移動せねばなるまい。


『はぁ~、ボスを探すどころか人里にも着けずに一日目終了か~。

 まあいいや、明日考えるとして飯食って寝よ。

 フィオは飯とか食うの?』


「わたしは召喚獣扱いなんでご飯とかなくても大丈夫っスよ。

 食べれなくはないんスけど、そうっスね、美味しいお菓子でも手に入れたら頂くっスよ。」


なかなかのフェアリーっぷりだな。

というわけでカニは俺が一人で食べた。大味だったが、身は締まってて旨いと言っていいだろう。

今日一番の収穫かなぁ。

寝床は砂浜にヤシっぽい木の葉っぱを敷いて寝た。割とどこでも寝られる方ではある。






翌朝、朝日で目を覚ます。

無敵モードを頼りに特に見張りとか考えなかったが、夜襲はなかったようである。


今日こそは人里にたどり着き、まともな食事と寝床を手に入れたい。

というわけで、昨晩寝る前に考えていた作戦を決行する。


『コンソール起動』


tcl


まずは当たり判定をなくしておきます。

昨日ちょっと試してみたが、どうやら地面も含めてすべて当たり判定がなくなるみたいだ。

重力とか慣性とかも影響を受けないので、その場で停止する。呼吸とかはできるが、どうなってるのやら。当然このままだと動けない。これは万が一空中とか地中に移動した場合の保険だな。


getcoordinate.player


入力するとものすごい桁数の3組の座標系が出力された。

これは、xyzの座標なのか?となると、値によっては宇宙空間に行ったり、マントルのなかにいる状態になるじゃねーか。

というわけで、こちらはボツ。まあもう一つあるんだ。


getgcoordinate.player


入力すると数字は違うがやはり3組の座標系が出力された。

やはりこっちは緯度経度に高さだな。これなら一応地表上を移動できるはず。

落ちないから高さを高めにして確認しながら座標をずらしていけばいずれは陸地だ!

おっと、その前に。


『フィオ、座標入れてワープしようと思うんだけど、お前も一緒に飛ぶ感じになるのか?』


「起きたら即コンソール起動してると思ったら、そんな事考えてたんスね。

 わたしは基本的にご主人と一緒に移動するっスよ。

 あとは、外的要因とかで100m以上離れると自動的にご主人の近くにワープするっス。」


なら問題ないかな。

どうやら緯度経度はこの島が基点になっているようで、ほとんど0に近かった。海辺なので高さも0。

それでスタートがここだったのかな。

フィオの地図からは緯度経度は読み取れないが、大体の位置であたりを付けて出たとこ勝負だ。


player.moveto 45,0,5000


入力したが景色が変わらない…?

あ、コンソール終了しないとダメか。


console end、と


瞬間、目に映る景色がブレて暗転し、再び視界を取り戻すと、眼下には広大な草原が広がっていた。


島スタートを言わせたくて島にした感。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ