player.addtale 13 ケイとの出会い
驚いている猫耳さんを促して、牢屋から出てもらう。
「驚いたわ。一体あなた何者なの?」
『俺の名前は山田太郎。まあ旅人といった所かな、よろしく。』
「ヤマダタロー?なんか変…んん、長い名前ね。」
『ああ、山田が苗字で…まあいいか、長いならタローって呼んでくれ。』
「わかったわ、タロー。私はケイ。こちらこそよろしくお願いするわ。」
ケイが手を差し出してきたので、握り返す。握手の習慣はこっちでもそのままか。
握手で向かい合うと、ケイの顔がよく見える。きれいな象牙色の肌、少し釣り目気味だが、大きくパッチリした目に、低めで通った鼻筋、小ぶりだがぷっくりした唇と、かなりの美少女と言っていいだろう。フィオ(管理人さんもか)が黙っていれば儚く優しそうな美人だとすれば、こっちは明るく快活な可愛い女の子と言える。
というかこれまで見てきた中で容姿が残念な人あんまりいなかったな。
俺をボコボコにしようとしたエルフたちも、言動はアレだったが見た目は美青年だったし。
途中で見た首輪を付けられているケモミミさんたちや、推定ドワーフや普通の人間ですら割と整った顔をしていた。
もしかするとこの世界、顔面偏差値高め…? 逆に普通のしょうゆ顔の俺の価値が上がっちゃう?
「ご主人、ご主人、さっそくナンパっスか?
牢屋でつり橋効果狙って声かけるなんてなかなかの策士っスね!」
「え?フェアリー? …嘘、喋ってる…?」
フィオの奴があることない事言っているが、ケイがそれに驚いている。
もしかして普通のフェアリーって喋らないの…?
『あー、そいつは俺が召喚したフェアリーなんだが、何故か喋るんだ。
珍しいし、話し相手に丁度いいから召喚したままにしている。』
「わたしはフィオっスよ! ケイさん、よろしくっス!
ご主人は興味さげな雰囲気を出しながら、ガッツリスケベっスから気を付けるっスよ!」
『やかましい、ごく普通の男子と同じレベルだ!』
「え、ええ、よろしくね、フィオ。」
なんとか誤魔化せたようだな。
しかし容姿の件で脱出方法を思いついたぞ。例によってコンソールを使うが。
なんにせよ、その前にちょっとやる事がある。
『さて、なんでもするって言ったよな?』
俺はケイの顎に手を添えると少し上を向かせる。
「そ、それはそうだけど、こんな状況で!?
ちょ、ちょっと待っ!フィオの言ってた事は本当なのね?!」
『コンソール起動』
呟いてコンソールを起動する。
続いて慌てた顔のケイを注視する。
ケイ / ID:MOBbst000BF9C01
オッケー出た出た。しかし人間もMOBがつくのか、ムービングオブジェクトの方かな?自律して動くものすべてこれだと思われる。bstが種族名で、その後は…うへー、16進数かよ。
これは何かを連番で呼び出したりするの難しくなりそうだなぁ…。
ついでにステータスも見ちゃう。
MOBbst000BF9C01.showstatus
-----------------------------------
レベル 13
ステータスポイント 24
HP 112
MP 10
STR 1
VIT 11
AGI 11
DEX 1
MAG 1
[スキル]
アビリティ 「満10歳時、VIT、AGI+10」
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お、奴隷だったのにレベルは上がっているのか。モンスター退治に駆り出されたりするのかな?
あとはアビリティでステータスも+されているな。どうもこの世界というかシステム?、満10歳が一つの区切りになっているようだ。
いかんいかん、やる事やるか。
俺は今度はケイの首元にある首輪を注視した。
封印の首輪 / ID:item001D53
この首輪そんな名前だったんだな。アイテムはアイテムと頭につくのも分かった。
MOBbst000BF9C01.UnEquipItem [item001D53]
よし、これでケイから首輪が外れるはずだ。
コンソールを終了するとケイの首から首輪が消えていく。
俺は顎に添えていた手を戻した。
「えっ?首輪が…。
いったい何をしたの!?」
『何、ちょっと魔法をかけさせてもらったのさ。所で何を慌てていたんだい?』
「あの、その、わたし初めてで、心の準備が…。」
赤くなって慌てているケイを見てニヤニヤしていると横から声がかかる。
「ご主人、超キメェっス。イケメンムーブはイケメンじゃないとただのセクハラっスよ。」
うん、実は俺も内心ゾワゾワしてたんだ。ちょっと調子に乗り過ぎたね。
こっちに来てフィオ以外で初めて話した相手だからついつい楽しくて。
『からかって済まないな、とりあえず首輪は外しておいた。
ステータスオープンでウィンドウが開くはずだ。
逃げるにあたって少しSTRに振っておいてくれると助かる。』
「え、ええ、ステータスオープン」
ケイは不安そうに呟いてウィンドウを開くと、しばし呆然としてから涙をこぼし始めた。
『おいおい、大丈夫か?まあ最初はみんなそんなステータスなんだから気にしなくても…。』
「違うの…、嬉しくて…首輪は一生外れないって言われてたから、ステータスとかあるのは知ってても、一生見ることはないんだって思ってた。だから、こうやってステータスウィンドウが開いて、やっと解放されたんだって実感が出てきたの…。」
なるほどな、エルフ達にしてみればステータスを振られるとアドバンテージがなくなるわけで、いくら作業効率が悪くてもウィンドウを開かせるわけにはいかなかったのか。見えないから何に振ったかわからないしな。
しかし付けたら外れない首輪とか力業で壊せなかったら危なかったな…今度からは用心しよう。
ケイは涙ぐみながらもウィンドウを操作しているようだ。
やがて振り終わったらしく、「ステータスクローズ」と聞こえた。
「終わったわ。とりあえずSTRに20ほど振っておいたんだけど、これでいい?」
『ああ、大丈夫だ。まあ後は俺が何とかするよ。』
足りなかったら足しますし。
『それでな、作戦を考えたんだが、今から説明するから、実際やったときに驚かないでくれよ?』
そう言ってこの村からの脱出作戦を話し始めた。
HPはVIT*(個人値9.0~1.1)+100
MPはMAG*(個人値9.0~1.1)+10
あっ、タローのが計算合わねぇな、まあ転移者だけ+部分なしって事にしておこう。
評価、ブックマークありがとうございます。
割と自分用に書いてる節はあるけど、読んでもらってるとわかると嬉しいもんですね。




