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異世界チートコンソール  作者: 鬼頭 輝
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player.addtale 12 熱烈歓迎

さて、ついに念願の人里を見つけたぞ。

とりあえず見た感じはそんなに大きくない村って感じだが、街道沿いにあるし、宿とか商店はあると思いたい。店の金がなくなるまでアイテムを売りつけてやるぜ。


現在位置は村に続く街道沿いにある林。とりあえず空から降りてきた所は見えてないはず。

旅人を装うにしては軽装だがまあアイテムボックスある世界だし大丈夫だろう。


というわけで、意気揚々と村に向かったのが数十分前の事だ。

村に着いたら即大歓迎でしてね、今では屋根付きの丈夫そうな部屋に入ってますよ。石造りで鉄の柵までついた立派な部屋です。牢屋だね。


『しかし参ったな。』

俺は独り言ちた。

まさかこの周辺がエルフ至上主義で他の人類を奴隷にして繁栄している国だったとは。


村の入り口につくなり、「なんだお前、仕事はどうした?!」「こいつ首輪をしてないぞ!脱走奴隷だ!」なんて事を叫ばれつつ魔法を打ち込まれ(おかげでいくつか呪文を覚えた)、流石に即殺すのはどうかなと思いながら様子を伺ってると囲まれて棒で叩かれる始末。


ステータスと無敵モードでダメージは受けないので特に問題はないんだが、あまりの歓迎ぶりに言葉が通じてよかったとかしばし現実逃避。我に返ってどういう事かフィオに聞こうと思い、あたりを探すも、奴はどうやら最初の時点で逃げていたようだ。

訳が分からないので殴られながら聞いてみると、「こいつ奴隷じゃないのか?」「一体どこから?」「なんにせよ村所有の奴隷にするから牢に入れておくぞ!」「いや、全然効いてないの怖くね?」とかなんとか言いながら首輪を付けられて現在に至る。


エルフ至上主義なのは攻撃してきた奴らがすべて耳の長い白人ぽい顔立ちの奴らで、牢屋までの道中、ケモミミやらちっこいのやら、普通の人間もいたけど、全員首輪をしていたという所から推測。

まあ、確証を得たのはお隣さんの証言のおかげなんだけどな。


「あんたも大変ね。ていうかこの国がこんなだって知らずにどうやって旅なんかできたのよ?

 アイツらエルフ以外は人じゃないとか言って例外なく奴隷にするのよ?」


そう、お隣さんかつ先住民である。

牢に入れられる前に見えた姿は猫耳少女だった。明るめで背中くらいまでの栗色の髪に、同じ色の猫耳がついている。しっぽは見えなかったが、それ以外はまるっきり人間であり、重度のケモナーは怒るだろう。マズルがないと。

俺は極めてノーマルなので問題はない。見た目は10代後半くらいのかわいい女の子だし、結構なふくらみをお持ちなのだ。そこに目を吸い寄せられて猫耳以外覚えていない気もするが。


なんにせよ半地下の牢屋には見張りもいないし、同じ牢屋仲間としてちょっと声を掛けて色々聞いてみたのだ。ナンパじゃないよ。隣なので姿が見えないし。


『まあ人間は差別とか大好きな生き物だからな。これだけ目に見える違いがあればこんな国ができてもおかしくない。最初のきっかけとかは気になるけど。』


「だからってこんな、生まれた時から奴隷なんて間違ってるわ!

 私は絶対ここから出てやるんだから!」


この猫耳さん、どうやら奴隷制に反発して持ち主のエルフに逆らい、牢屋に入れられたそうな。

ちなみに付けられている首輪は発話によるスキル等の発動を阻害するらしく、ステータスも発話が必要なので、ウィンドウが開けなくなってしまう。

小さいころからつけられてしまうとレベルアップでのステータスポイント振り分けもできないわけで、力の差は歴然としてしまうわけだ。

コンソールも発話で発動するので、ピンチだと思ったが、取れないかと引っ張ったら壊れてしまいましてね。一応壊れてない振りして首に巻いてあるけど。


『ちなみに他には国とかないの?奴隷制じゃない国ね。』


「確か、山の向こうにこの国と戦っている集団が居るらしいわ。

 エルフ達が話しているのを聞いたの。人族すべてが平等に暮らしてるそうよ。」


平等ねぇ…。奴隷の主人のエルフまで平等なのかな?ちょっと気になるけど…。

『とりあえず脱出したらそこを目指すか。ここじゃアイテムの処分もできないし。』


「あんた呑気ね。処刑とかはないと思うけど、共有の奴隷なんて重労働ばっかりさせられるのよ?

 それに、遊び半分に魔法の的にされてボロボロになった人とか山ほど見てきたんだから…。」


奴隷は財産じゃないのかよ。まあ共有の備品の扱いは雑になりがちか。

まあ屋根付きの部屋だがベッドはないし、次の人里を探すか。ついでに逃げたフィオも。


と、考えていると都合よく明り取りの窓から見知った顔がひょっこり顔を出した。


「やっと見張りがいなくなったっスよ。ご主人~、無事っスか~?」


『お、フィオも戻ってきたか。よかったよかっ…いやダメだろ主人をソッコー見捨てやがって。』


「仕方ないっスよ。

 わたしは特に攻撃力もないし、回復できる召喚獣なんて真っ先に狙われるっスよ。」


まあ確かに知ってるなら先に狙うよな。

そしてフィオも無敵だから何かしら疑問に思われる可能性は大いにあった。

あっさり納得したところでお隣さんが慌てたように声を掛けてきた。


「何? 別の人の声が聞こえたんだけど、仲間でもいたの!?」


『あー、いや、コイツは仲間っていうかオプションていうか…。

 まあ牢屋から脱出出来る事は確かだよ。一緒に来る?』


「本当に出られるの?

 お願い、ここから出られるなら、なんだってするわ。」


ほほう、なんだってと来たか。本気を出さなければならないようだな。


俺は鉄格子をつかむと思い切り左右に引っ張った。

ウオオオオ、キンジラレタ チカラ ゴリラパワー!


この牢屋はステータスを割り振ってない奴隷用らしく、柵はただの鉄の棒だった。

ステータス最大の俺の前では飴細工も同じよ。

どこかで腰を落ち着かせてステータス1ポイントあたりどれくらいの影響があるか調べたいな。


悠々と牢屋を出た俺は隣の牢屋の柵も同じようにこじ開けた。

猫耳さんがとても驚いた顔をしているが、かわいい子は驚いた顔してもかわいいよね。


この子を連れて逃避行だけど、多分見つかるから何か対策を考えておかないとな。

やったーついに他の登場人物だ。

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