表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

契約の出会い

処女作品です

目を通して貰えると嬉しいです

『はぁ……はぁ……ッ……はぁ……』


 長い廊下を1人の少女が息を切らしながら走る。

 そこには右に左にと多くの扉があるが、少女はただ1つ遠くの扉を目指し進む。

 何者かに追われているのだろうか。時折後ろを振り返るせいでバランスを崩しそうになりながらも、必死に脚を前へ前へとできる限りの力で動かす。



 目的の扉にたどり着くと少女は扉のつまみに手をかざした。

 すると、つまみが小さく光を帯びて扉が開く。


 部屋に入り扉が自然と閉まる。


 どうやらその部屋は普段少女が使っていた居室のようだ。

 たいして広くはないが、左奥には本棚とガラス棚がある。

 右奥にはそれなりに豪華なベッドとすぐ隣の小さな机の上にはランプが置いてある。が、明かりは付いておらず、奥の窓からのわずかな月明かりによって部屋の中を把握できる。


 少女はゆっくりとした足取りで歩き、ちょうど部屋の中央で膝から崩れおちる


『……なぜ……なぜ私が!──私の国がこんな目に……!』


 薄暗い部屋の中で少女は床に膝をつき、こうべを垂れ、悲しみと憤怒ふんどを交えた涙を流す。


『誰がこんな事を──それになぜ……私たちは国の為……そこに住む国民の為に必死に……! 必死にやって来たのに……なのにこんな……っ』


 少女はなげく。


 静かに立ち、ガラス棚の前まで歩き、右手を頭の横で挙手をする。

 そして静かに力強く拳を握る。


『こんなの……おかしい……! こんな世界は……っ……間違っている!』


 そう叫びながら同時に右手をガラス棚に向かって拳をまっすぐ振り抜く


 大きな破壊音をあげ割れた破片が落ちる。


 ガラス棚の中にはそれぞれ形や装飾の違う瓶が並んでいた。

 少女はそのうちの透明の瓶を両手で持てるだけ手に取る。


 その透明の瓶に入った白銀の粉を元に、部屋の中央で魔法陣を画く。

 白銀の粉は瓶1本であっても一般庶民では決して手に入れられないほどの高価な物だ。

 だが少女にとってはそんな感覚はないのか、3本4本とためらいなく流し画き続ける。


 そして完成した魔法陣の前に立ち、左腰に備えていた短剣を右手に取ると、左手の(てのひら)に十字架を掻くように切り裂く。


『ぐぁあ!!』


 激痛がはしり血が溢れ出す


『必ず探しだし復讐してやる……!そして、こんな……ッ……こんな世界を良しとする神にも!』


 少女は確かな決意を抱きながら掌から流れる血を魔法陣に溢すと次に復唱する


『──転移者よ!我の永遠の契りに答えよ!──』


 その瞬間ーー魔法陣から勢いよく光が照らされ、少女は思わず顔を左手で隠した。

 隠した左手で多少の光を遮りながら光で照らされた魔法陣を見やると人影のようなものを察知する。




『子供……?』


 現れたのは少年だった。

 見た目は10才前後。男の子にしては少し長めの黒髪で顔立ちは可愛らしい感じだ。

 今のこの状況に理解ができないのか、不思議そうな表情をしている。


『な、なに? ここは? なんか光が出て……それから……』


『私が呼んだのよ』


 今は時間がないため、無理矢理にでも話を進める。


『お姉ちゃんが?呼んだってどういう……』


『説明してる暇はない!』


『え?うわっ!』


 少年を無理矢理起こし、手を引き、部屋の奥の窓から外へと素早く飛び出す。

 幸いにも誰もいないようだ。


『とりあえずあの森へ入る!話はそれから!』


『お姉ちゃん! 待って! 早いよ! もうちょっとゆっくり……』


『黙って!死にたく無いでしょ! それにあなたに死なれる訳にはいかないのよ……』


『それってどういう……』


 これは残酷な現実を見せられ悲惨な状況に落とされた元王女と突然異世界へと召還された少年の過酷な冒険の物語





最後まで読んで頂きありがとうございます。

まだ1話だけですが賛否評価頂けると嬉しいです。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ