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4/19

攻略開始されてるようです

親友くん視点です。

昼休みが終了しても、ヒロシは戻ってこなかった。

何があったのだろう?

ケンカでもしたか?

それとも、仲直りして午後の授業サボってデートでも行ったのかな?

ライン入れてみたけど、返信なし。

既読はついたから、まぁ大丈夫だろう。

結局、その日は戻ってこなかった。



放課後、特にやることも無いので、そのまま帰ろうとしたが、雨が降っていた。

朝の天気予報では、降るとか言ってなかったのにな。

全くついてない。

傘なしで走るには、ちょっとツライ量の雨だ。

止むまで待つか迷っていたら、横から赤い傘がさしかけられた。


「尚先輩、相合い傘しませんか?もれなく、桃との放課後デートがついてきますよ。」


そう言いながら、隣へ来て立ち止まる。

あれ?桃ちゃん?

ヒロシと一緒じゃ?


そう思い、思わず疑問を口にしたら。


「お昼休みには、会いましたけど。」


その後は、知らないかなぁ。

今日は、生徒会の方と一緒じゃないでしょうかね?


火曜日ですしね。

尚先輩も、知ってるでしょ?

生徒会の綺麗な人。


さらっと、何の気なしに、桃ちゃんは答えてくれた。

本当に、何でもない事のように。


「あ、ごめん。ってか、知ってた…の?」


…その、他の人たちのこと。


この質問、しても良いのか?

そう、一瞬思ったけど。

でも、つい聞いてしまった。


これには、苦笑しながら、答えてくれた。


「当たり前じゃないですかぁ。と言うより、バレてないと本気で思ってたんですか?」


そのおめでたい思考、あり得ないわー。


などと辛辣なお言葉も貰った。

ヒロシ、俺たちアリエナイらしいぞ…。


「まぁ、でも。」


桃は今日、一抜けしたので。

木曜日の放課後は、尚先輩が、付き合って下さいね。


今日は、その予行練習的な感じで、雨の日デートしましょ。

ね、先輩♡


そう言いながら、コテンと首を傾げて、ニッコリ笑う桃ちゃん。


あぁ、これか。

ヒロシが言ってた、『あざと可愛い』は。

確かに、これはヤバい。

破壊力満載だわ。

でも、その前に。


一抜けしたって、どういう事?

ヒロシとの付き合いやめたってこと?


「んー、その続きは、ここで立ち話じゃなくて。」


どこか、お店でも行って話ませんか?

折角傘持ってきたのに、濡れちゃいますよ。


と、傘を俺に押し付けてきた。


「身長差あるから、桃が傘持つ係はツライんで。」


あ、気が利かなくて、ゴメンな。


「大丈夫ですよー。それより、改めて横に並ぶと。尚先輩、背、高いですよねー。カッコいいなぁ。」


そんな事を何気なく言いながら、桃ちゃんはさっさと歩き出した。

この子は、いちいち、さらっと恥かしげもなく、何でも言ってくるなぁ。

…そんな事、正面向かって言われると、照れるわ。

かなり、嬉しいけど…。

…チョロいな、俺。


「ところで。」


尚先輩、どこ行きますか?

マック?ミスド?スタバ?


「んーそれなら…」


やっぱり。


「モス一択でしょう。」


年下の子に振り回されっぱなしも癪なんで。

わざと選択肢に無いものを選んだら。



一瞬、キョトンとした顔になってから。

花が咲いたように笑うから。

その顔がめちゃめちゃ可愛くて。


やっぱりこの子は、ヤバいと思った。


フレッシュネスも捨てがたいです。

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