表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/19

木曜日担当の私

お昼休みに友達とおしゃべりしていたら、ヤツがきた。

昨日までなら、友達置き去りにして、駆け寄ってたなぁ…。

皆、よく、友達やめないでいてくれるよね。

ありがたい。

きっと、ここは、主人公とヒロイン達に優しい、甘い世界なのかもしれない。


今も、先輩に呼ばれたから、ちょっとごめんねって謝ったら、にこやかに送り出してくれたし。

今までのお詫びに後で、皆の分のジュースでも買ってこよう。

安いパックのイチゴジュースでも、喜んでくれるかな?


そんな事を考えながら、ヤツが待っている場所まで、行った。


「佐藤先輩、わざわざここまで来て、何の用でしょうか?」


わざと他人行儀に、苗字呼びしてやった。

案の定、ムッとした顔が見れたので、ちょっとした嫌がらせは成功したかもしれない。

それと、要件はわかっているんだけどね。

朝の件でしょ?

昨日まで好き好き状態だったのに、急に冷たくなったから。

ご機嫌伺いでもしに来たってところでしょ。


「桃、今日一緒に帰ろ。先週桃が、行きたいっていってた、新しく出来たカフェ行こうよ。」


「お断りします。」


被せ気味に答える。

まさか、断られるとは、思ってもみなかったのだろう。

困惑した表情にかわった。


「今日は、木曜日じゃ、ないですよ。」


私の言葉にヤツは、さらに困惑する。

そして、しどろもどろに言い訳をはじめた。


違うんだ とか そう言うつもりじゃ無かった とか。


何を言ってるんだろう、この人は。

今までバレてないとでも、思ってたのだろうか。


「月曜は、図書室にいつもいる人で、火曜は生徒会の人。水曜は陸上部の人で、木曜が桃。で、金曜は幼馴染の人でしょ?」


本当は名前も知ってるんですけどね。



せっかくのローテーション崩しちゃダメですよ。

今日の担当の方が悲しみます。

でも、多分、皆気付いてますよ。

それでも、それで良いと思ってるんでしょうし。


ただ、桃は、もうローテーションから抜けたくなっただけです。

今後は木曜日は、別の方探して頂くか、ハーレムメンバーから交代で入れてくださいね。


「あ、あと1つだけ。」


先輩のお友達の事。

攻略開始するので、邪魔しないでくださいね。


「な、俺はそんなの認めないからな!」


あ、困惑から怒りにかわったかな?

まぁ、別に認めなくても、いいけど。


でも、


先輩、彼とは親友なんでしょ?

親友の恋は応援しないとダメなんでしょ?


自分で彼にやらせてる事は、自分でもやらなきゃじゃない?


彼はゲームのNPCじゃ無いんだから。



「ね、先輩。それくらい、わかってますよね?」



では、桃はもうログアウトしますね。


小首を傾げて、ことさら可愛く笑ってみせてあげた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ