キャラをやめちゃったら、私は
さらにネガティブ思考続きます。
苦手な方、注意です。
本当はあまり飲みたく無いけど、鎮痛剤飲んで。
痛みがマシになった放課後。
友達にドライヤーとメイク道具借りて。
いつもの桃のスタイルを崩していく。
尚先輩とお揃いのヘアピンに触れた時、ちょっと戸惑ったけど。
雑貨屋で買ったものだから、大人っぽいスタイルには、似合わないと思って。
…そっと外した。
下ろした髪を友達が丁寧に巻いてくれる。
いつもは、パウダーとグロスだけだけど、アイライン入れてチークも乗せて。
つけま付けて、唇に赤い色をのせて。
鏡の中には、あざとい系の年下攻略キャラじゃない私が、不安そうにこっちを見ている。
友達は、いつもは可愛い系だけど、こっちはキレイ系で良いねって褒めてくれた。
だけど…。
本当に、大丈夫?
キャラを降りたら、ただの私になっちゃうよ?
主人公を降ろされた、ヒロシ先輩の姿と鏡の中の自分が重なる。
子供っぽいってバカにされて。
そんな挑発に乗って、いつものスタイル崩して。
わざわざ友達巻き込んで、髪を巻いて、お化粧して。
そして、また、不安になって。
何してるんだろ。
何したいんだろう。
友達に、お礼を言って、また髪型戻そうとしたら。
友達に止められて、尚先輩に見せなよって、体育館に連れて行かれた。
「え?ちょっと待って?ダメ、こんなの見せられない!呆れられちゃう。…嫌われちゃうよっ!」
そう訴えたのに、みんな大丈夫とか、キレイだよとか言ってくれるけど。
そんな訳ない。
妹キャラじゃ無い私は、桃じゃないから。
…好かれるワケがない。
本格的に不安が襲ってきて。
鎮痛剤飲んだのに、またお腹が痛くなってきて。
それでも、体育館に着いたら、反射的に尚先輩を目で探して、追ってしまって。
部活が終わったばかりであろう、尚先輩は、さっきの大人っぽいキレイな先輩達に囲まれていた。
「ごめん、やっぱりもう帰るね。髪キレイにしてくれてありがとう。ごめんね。」
尚先輩に見つかる前に逃げ出したくて。
早口で友達に謝って。
その場を離れようとしたら。
「あれ?桃ちゃん?どうしたの、いつもと雰囲気違うね。」
ハーレム勇者さながら、女子を周りに侍らせて。
爽やかな笑顔で、尚先輩が近づいてきた。
やめて、見ないで。
すぐに戻すから。
いつもの、桃に戻るから。
だから、来ないで。




