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ふざけているのは、だれ?

昨日、尚先輩から、メッセージが届いた。

とても嬉しいメッセージ。


でも、なんてお返事したら良いのかわからなくて。

良かったね。でも、おめでとう。でも、頑張って。でもなくて。

全ての言葉が、ちょっとずつ私の気持ちと違っていて。


どうしても、上手い言葉が見つからなくて。

喜んでるように見える、可愛らしいスタンプだけ、返信した。


甘え上手な小悪魔ヒロインが、聞いて呆れる。

肝心なところで、何も言えてない。


だから。


放課後だと、きっとそのまま、バスケ部へ行っちゃうだろうから。

再スタートの邪魔したくないし。

でも、どうしてもちょっとだけ、会いたくて。

顔が見たくて。

朝、授業が始まる前に、尚先輩の教室へ向かった。


まだ、早い時間だから、人もまばらで。

すぐに、尚先輩を見つける事が出来た。

…側に、今、1番会いたくない人もいた。


そして、何か、騒いでる。


最悪だ。

見つかる前に戻ろうかな、なんて思ったけど。

また、尚先輩が、難癖つけられてたら大変だから。

こっそりと様子を伺った。


※※※※※※※※※



「…何だよ、ゲーム終了のお知らせって。意味わかんねーよ。ちゃんと全部読めよ。」


「わかってる、全部読むから。えっと、ゲーム終了のお知らせ。この度は、ご参加くださり…」



『ゲーム終了のお知らせ』


この度は、ご参加くださり、誠にありがとうございます。

お客様は、当ゲームのハーレムルートにご参加くださいましたが、現時点で、ヒロイン2名、友人サポート1名のログアウトが確認されました。

つきましては、ゲーム続行不可能となりましたので、このお知らせを持ちまして、ゲーム終了とさせて頂きます。

今後の高校生活を、どうぞお楽しみくださいませ。


またのご参加をお待ちしております。


スタッフ一同。



※※※※※※※※



尚先輩が淡々と読み上げてる。

それを受けて、あいつが叫んだ。


「ふざけんな!!何だよ、それ。終了なんて、認めないぞ!!リセット、リセットだ!!尚也、スマホよこせ!!」


その叫びを聞いて。

私は思わず飛び出てしまった。


「ふざけてるのは、ヒロシ先輩の方!!」


リセットなんて、させない。

私は、私のままで、いたい。

尚先輩も、自分のやりたい事、思い出せたんだ。


「尚先輩!スマホ、返さないで。お願い、渡さないで。」


そんな私の声を聞いてくれたのか、尚先輩は、バスケのシュートを決めるように、高くスマホを私めがけて放り投げた。


そして、私の手の中に、スマホが渡る。


「ありがとう。尚先輩。」


ねえ、ゲーム、終わったなら。

こんなスマホ、いらないよね。


私は、小さく首を傾げて、上目遣いで、主人公の前へ出て。

スマホを足元に落として。

思い切り、液晶画面めがけて、踏み潰した。

そして、笑顔で。


「じゃ、授業始まっちゃうので、桃、教室へ帰ります♡」


そう、一言だけ告げて。

自分のクラスへ足取り軽く、戻っていった。


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