最終話 真実①
そろそろ僕が語ろうか。
今まで他人の口を借りて語っていた僕の物語が終わりを告げる。
最後まで他人の力を借りることに僕は申し訳のなさを感じ、ついに僕の固い口が開くわけだ。
周りの人たちは、僕のことを聖人君子のように語っていたけれども、僕は決してそのような人間ではない。
精神年齢は年相応で、世間一般の高校生とほとんど一緒だと思っている。
世間一般の高校生と違うと自覚しているところは、冷淡と言えるほど論理的な思考に癒着しているところくらいだろう。
怪異を相手にする場合は、怪異に会った人物の感情も考慮するが、そのとき僕は彼ら彼女らに同調も同情もしていない。
そのとき僕の感情が揺らぐことはある。僕もそこまで冷酷な人間ではない。
でも、事件解決のためには、その揺らぎが邪魔になるので、事件が終わるまでの間だけは殺している。
そうやって殺すことができてしまうのが、僕の精神年齢が上という誤解の原因であろう。
それが僕の客観的な自己評価だ。
ちなみに心の揺らぎがあると述べたが、この一連の事件の中で僕の心は揺れに揺れ動いた。
いや、もしかしたらお姉ちゃんと別れた日からずっと、時計の振り子のように、音を立てながらゆっくりそして大きく揺れていたのかもしれない。
僕ば自分を人間と位置づけたその日から……。
その振り子がもうじき止まる。いや、止めなければならない。
目の前に現れた彼女を僕は救いたい。
この長い年月の中で僕が見つけた答えと彼女の答えを合わせてみたい。
それが同じだったら、この問題は平和という万人が万々歳な結果へと突き進むだろう。
だが、別れてから再会までの生きてきた道が大きく逸れた二人の答えはどうやら合わないみたいだ……。
そうなると、二人の満足のいく結果を僕らは互いに求めなければならない。
それが戦争という最悪の手段を使うとしても……。




