3話
レイはさっそくクレアの忠告を破り村の近くにある森に来ていた。
「剣振ってるだけじゃあ、つまんないんだよなぁ~」
と、頭の後ろに両手をまわしのんびり歩いている。
剣を腰にかけ水筒は肩にかけている。
そしてしばらく散策していると
「...いた!」
レイは木陰に隠れそれを見つけていた。
それはレイより一回り小さく肌が緑色の醜い顔をした魔物、ゴブリン。
ゴブリンは3匹おりうさぎを食べていた。
レイには背を向けていた。
「ふぅ..やるか。」
というとレイは水筒を置き腰の剣に手を触れた。
そして足音を立てずに走りながら剣を抜くと抜いた勢いのまま一匹の首を切り落とした。
「ギャギャ!」
二匹のゴブリンのうち一匹は、レイに気付くと地面に転がった棍棒を拾い殴ろうとしたが
「やらせないよ!」
と笑ったレイに手を切断されそして首を切り落とされた。
もう一匹のゴブリンは走って逃げようとするも
「逃がさない!」
レイに追いつかれ足を引っ掛けられ転び背中から一刺しし、息の根を止めた。
レイはポケットに入っていた布で剣についた血を拭うと
「味気ないなぁ~」
とつぶやき水筒を拾った。
◆
そしてまたしばらく1人森を散策していると剣同士のぶつかる音がどこからか響いていた。
「..どこだ?」
耳を澄まして場所を見つけようとすると
「奥か!」
森の奥に駆けていった。
そしてその場所につくと泥だらけの男2人と1人の少女がいた。
男2人はは汚い革鎧装備に手入れされてない剣に槍。
明らかに山賊か盗賊の類だ。
少女の方は、胸のところなど致命傷になるところを隠す軽そうな金属の鎧。
よく手入れされている綺麗なレイピアだ。
容姿は太陽が反射して輝いている銀髪に、眠そうに半分閉じた目からは金色の瞳が見えている。
レイはそれをしばらく見ていると
「そちらのお嬢さん~
お助けしましょうか~?」
と声をかけた。
3人とも一斉にこちらを見て少女は
「大丈夫..」
と呟くとレイの声かけに油断した男2人のうち槍を持っている男に向かって走り始めた。
男も少し遅れて槍を構えた。
少女に向かって男が突きを放つと少女は、左にそれながら槍をレイピアで弾くとそのままの勢いで男の心臓に向かって突きを放つ。
その突きは革鎧を貫き胸に深く刺さった。
「クソがっ...」
ともう1人の男が逃げようとするが
「待ちなよ」
とレイが立ち塞がった。
「ガキがっ、邪魔すんじゃあねえよ!!」
と男はレイに斬り掛かった。
レイはそれを剣で受け男をじっと見つめていた。
少女もその2人の攻防を見ていた。
左から右へ、上から下と男が斬り掛かるもレイは受けるだけ。
剣同士がぶつかり合う音が森に響いていた。
男はイケると思ったのか笑いながら
「所詮はガキだなぁ」
と言った。
レイは無表情で剣を受けながら
「つまんないや。
コピーする価値もないけど見せてあげるよ。」
と呟いた。
男がキレ気味で
「あぁん?」
というと
レイは無表情から獰猛な笑みを浮かべ
「だから、コピーしたよ。
全部お返しするよ!!」
というと
男の剣を弾き
左から右、上から下と先ほど男がした攻撃をそっくりそのまま返して見せた。
男はレイの剣を必死で受ける。
だが、いきなりレイの力が強くなったことに蹈鞴を踏み尻をついた。
「な、なんだよおまえは...」
男は怯えながらレイに向かって叫ぶと
レイは考える表情を見せながら
剣を肩にかけながら
「おれ?おれは、そうだなぁ...
模倣者だよ?」
と、笑みを浮かべ男の首を切り落とした。
模倣者
読み方いいのないですかねぇ