出会い
早く死にたい。こんな仕打ちありえない。僕は、僕は何もしてないのに・・・・。
冷たい風が僕の肌を刺す。月明かりが僕を照らした。下は、コンクリートの塊だ。怖がることはない。大丈夫、痛みなんて感じない。・・・・・だって、僕は今日トーキョーで自殺するから
「あら?キミ・・・こんなところで何してるの?もしかしてキミもここで自殺を?」
え・・・キミもって事はこの人も・・自殺を?」
「は、はい。あなたも・・・ですか?」
「ええ。私もここに自殺しに来たの」
女の人は「ふふ」と嬉しそうに笑った。
僕はなぜこの女の人が笑いながら自殺するとか言っているのか分らなかった。
でも、僕はなぜかこの女の人に惹かれた。
僕を見る凛とした目に・・・・
そして・・・女の人の自殺の理由を知りたいと思った。
「あの!」
「ん?何かしら?」
ってか!?もう自殺する準備してる!
「あ、あ、あの!もしよければ自殺をする理由を教えてくれませんか?」
「いいけど・・・・
じゃあ、あなたの自殺する理由を教えてくれる?」
「はい」
僕は迷わず答えていた。それくらい僕は知りたかった。
「じゃあ、うちで話しましょ」
「いいんですか?」
「ええ。自殺を決めて来てるから部屋の中はすっからかんだけどね?」
口元に手を当ててふふっと笑う彼女を見ると僕まで笑いたくなった。
「それでもいいです。あなたの話を聞きたいので」
素直な言葉を口にすると彼女は恥ずかしかったのか顔を赤らめて「ありがとう」と言った。
「それにしても私ったらあなたの名前を聞いてなかったわね。」
僕は大きく息を吸い込む。僕は今まで数えるくらいしか名前を言ったことがないから。それに・・・とっても久しぶりに自分の名前を言うがするから
「僕の名前は、吉木嶺斗です。あなたは?」
そして、僕は久しぶりに人に名前を聞いた。
「私は、美口朔羅。よろしくね。嶺斗」
「はい。朔羅さん」
こうして僕達は自殺の理由を明かすことになった。