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008 銃人との遭遇

 ヌイグルミ号は下方、グノシアの密林の中から、実弾や光線の火線に曝されている。船体強度的にまだまだ余裕で大丈夫らしいが、攻撃されている時点で気持ちの良い物ではない。


「船長!獣人って!?グノシアの人達か!?」

「ああ、違う違う。“銃人”だよ。やつらは、フィレクラムの放った機械生命体で、腕が銃とかの射撃武器になっているんだ」

「何でそんな奴らがここに?!」


 カティーナ船長の説明に寄ると。

 フィレクラムという世界は機械と科学が発達した世界で、魔力はある世界だが魔法技術は全く進んでいない世界らしい。科学技術の進歩の結果、魔力の観察とエネルギー化までは成功したが、制御するための魔法技術は開発できないなかで、ワールド・ウォーカーの存在には気付いたのだそうだ。そのため、フィレクラム世界を訪れるワールド・ウォーカーを捕まえてその技術を奪取すべく、色々と画策しているらしい。その一環として、フィレクラムを訪れたワールド・ウォーカーは捕まえようとするし、追跡者トレーサーも付けて、逃げられても異世界の情報を手に入れようとしているんだとか。

 追跡者トレーサーは、異世界に侵入出来ると、作戦行動するための身体を現地の生命体と融合して調達しエネルギーを収集・増殖し、フィレクラムへ道案内ビーコン信号シグナルの発信を行うらしい。ちなみにエネルギーは魔力でも摂取カロリーでも良いそうだ。ブリニャンがまさにそんな感じだったな。

 ところが、肝心のフィレクラムでは魔力はエネルギー化出来たものの、あくまでも科学技術で異世界転移を行おうとしているため、まだ実用化に至っていない。無理矢理次元にひずみを作って穴を開けるため、生物の安全な世界間移動もまだ出来ず、道案内ビーコン信号シグナルに従って機械生命体である“銃人”を一方通行で送り出しているんだそうだ。

一方“銃人”も自己増殖機能があるため、ここグノシアでは銃人の群が存在しているらしい。


「空飛ぶ船なんて魔法の産物だし、あいつらにしてみればフィレクラムの技術にない存在ってだけで攻撃対象になるんだよね。ま、高度取れば無視できるしヌイグルミ号は柔じゃないから大丈夫さ」

「ノルスでは“異世界ウォーカー”って旅行ガイドブックがあって、フィレクラム世界の注意点とかも書いてあるのよ。それの内容も覚えてたので、フィレクラムに行っちゃった時はもうすぐに脱出をしたんだけど・・・」

そのミリアでも追跡者トレーサー付けられちゃった訳か。しかし、“異世界ウォーカー”って、どこぞのガイドブックみたいだな。


 そんな会話をしてる内に、今までと違う風邪切り音が聞こえ、見るとなんと、件の銃人がロケット噴射機能でも付けていたのか空中に飛び上がってきてた。頭は三角帽子っぽい形で顔は一眼レフのレンズのような単眼。円筒形のひょろ長い胴体に細長いフレームの脚と二の腕、膝から下はがっしりと太く、肘から先はライフルのようなものが付いており手や指はない。


「ジェル・クッション!」

ミリアが叫ぶと、銃人の両手の筒先に直径50cm程の水の玉、いや、ゲル状の玉が出来た。発射された銃弾がゲルの中で減衰し溜まっていく。


「おおお!ミリアすげー!」

えへへと照れ笑いする彼女も可愛いな。よし、止めは俺が!


ビシャンッ!


 カティーナ船長が放ったらしき雷が、銃人を黒こげにして撃墜した。

・・・・・・出番なかった・・・・・・


「たまに、ああいう突然変異種がいるから油断は出来ないね。けど、普段は数体倒してあとは相手しないよ。高度取れば逃げられるし、密林に隠れた連中とやりあうには骨だ」

 確かに、下にいる連中狙えないものなぁ・・・・・・密林の中では姿が見えない。

「あ~!敵の自動識別手段があればいいんだけどなぁっ!」

 頭をガリガリ掻いて俺がそう言うと。


「マスター、私なら出来ます」

「えっ!?」

 ブリニャンがイケメンボイスで言い出した。


「機械生命体の感知ならば、体内のナノマシンの近似データを元に識別できます」

 そいつはいい!

「同時識別数の限界は?」

「やってみないと分かりませんが、半径1kmは大丈夫なはずです。ただし、一度に攻撃するには魔力をご主人から供給頂かないとなりません」

それならなんとかなるのかも。


「よしっ!ブリニャン!俺の頭の上の乗れ!」

「イエス、マスター!」

 ブリニャンは格好良くそう言うと、しゃがみ込んだ俺の後ろから背中を駆け上がって頭の上で前脚を置き、俺の首のすぐ脇に後ろ脚を置いた。

俺は、ブリニャンの前脚を両手で掴んで、自分の魔力がブリニャンに注がれるイメージをする。

 ブリニャンの身体が光り始めた。さて俺は決め台詞を、どちらを選ぼうか。


1番。ニャン!フラッシュ!

2番。百烈ミサイル!


2番にした。

「ブリニャン、準備が出来たら撃ってくれ。『百烈ミサイル』だ!」

ブリニャンの背中が開き、これまでとは違ってみっしりと上を向いて整列しているミサイル群が現れた。

「マスター、行きます。『百烈ミサイル!』」

 刹那、俺の頭上、ブリニャンの背中から、何本あるか分からないけど多数の小型ミサイルが発射され、ヌイグルミ号の下方、密林の中に潜む銃人目掛けて四方八方に飛んでいった。

 その次には、あちこちで爆発の光が乱舞する。

 ちなみに、俺のMPは・・・・・・「6789000」。1万と300消費したようだ。って事は、ホントに100発撃ったんだな。


 甲板上ではヌイグルミ号の乗組員が全員ぽかんとしていたが、カティーナ船長が正気に戻り、指示を出し始めた。

「生き残りが居るかもしれないから油断するんじゃないよ!高度下げて着陸態勢に入れ!この機会に出来るだけ殲滅するよっ!地上戦だ!」

「「「イエッサー!」」」

 船員達が動き出し、ヌイグルミ号は静かに慎重に高度を下げていった。


 ヌイグルミ号の乗組員が船を中心に四方八方へ散り、銃人の残党探索と、ついでにリクシア探索をするということで、俺も、ブリニャンを頭に乗せて、ミリアと一緒に密林の中を探索していた。ブリニャンのレーダーがあれば不意打ちも避けられるし、リクシアがどんな植物かは、ミリアでないと分からないからだ。

 あちこちに、ブリニャンによって破壊された銃人の残骸が転がっており、それらを横目に見ながらリクシア探索をしているのだが、貴重植物だけあって、やはりそう簡単に見つかるものではない。

 そうしてるうちに、俺はとあることに気が付いた。


 銃人の残骸を見ると、腕の銃のタイプが違うのだ。

 ほとんどの銃人は腕がライフル状だが、たまにショットガンらしく口径の太いものや、どう見ても大口径ビーム砲にしか見えないものがあるのだ。俺は残骸の中から銃人達の腕をある程度拾っていくことに決めた。これらを使って武器を造り、エンチャント魔法として登録してみたいのだ。


 爺さんの教えによると、エンチャント魔法とは、実際にある装備品を、ローブを着て白カードを接触させて念じることにより、カード内に封入する魔法である。これにより、自分独自のエンチャント魔法が使えるようになるのだ。俺の脳内に描かれたものは、出来るかどうか分からないが、挑戦してみたい。


 結局、今回は銃人の残党もリクシアも見つからずに、俺達は船に戻ることになった。

 カティーナ船長は、銃人の残骸を運んできた俺に目を丸くしていたが、事情を説明すると、ヌイグルミ号の資材庫に案内してくれた。たいした物はないからあるものは自由に使って構わないそうだ。太っ腹だなぁ、カティーナ船長は。


 俺は、クリエイト(道具製作)の魔法を使って、工作作業をしている。 元々、マジック・カードの内容は次の通り。


“クリエイト(道具製作)” 、“(2)”

“ソーサリー”、“ノルス”

“~粘土のように形を変えたり、削ったり接着したり。変質させたり色を塗ったり。目指せ偽金!~”


 相変わらず酷いフレーバー・テキストだ。

 俺はこれを参考に、自分の魔力で対象物を自在に加工するイメージを造り出した訳だ。とはいっても、万能じゃなかった。魔法カードを最初に試したところ、効果の持続時間はおよそ10分。その間、最初に決めた対象物は自在に改変できた。対象が変わると、魔法のかけ直ししなければならなかった。

 一方、本来の魔法で使うと、対象はなんであれ、削るなら削る行為だけで5分。着色なら着色だけで5分。さながら200の魔力払って、5分間制限の工作機械の使用が認められるって感じかな。


 色々と工作しまくって、やっと第一号が完成した。

目の前にそびえ立つのは、俺の背丈と同じくらいの縦長六角形な盾である。この大きさだと壁と行っても良いかもしれない。裏側には銃人の残骸から回収してきたビーム砲っぽいものを改造したもの。

こいつが・・・・・・シールドビット第一号だ!


絶不調です。

自分にはこういう話は向いていないのかも知れない。

今後の展開を練り直します。

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