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012 喧嘩と戦争の違い

非常に心苦しいのですが、この物語はここでお終いにします。

 ヌイグルミ号は見知らぬ標高の高い高山地帯に不時着していた。針葉樹の背が低い。つまり雪が降ると積雪がすごい地域ということだ。寒々とした空気だが、たまに見える広葉樹がまだ緑に見えるので、標高が高いだけで夏の気候かも知れない。

 すでに船員達が色々と動き回っている中で、俺はカティーナ船長に詰め寄った。


「船長!なんで邪魔をしたんだ!もう少しであいつをぶっ飛ばせたのに!」

「邪魔をしたのはあんただよ!シン!あのままじゃ勝てる戦も勝てなくなるところだったんだ!頭を冷やしな!」

「どういうことだよ!」

 カティーナ船長は俺を睨みつけ、ため息をついた。

「船長室へおいで」

そう言って船内に入るカティーナ船長。俺は仕方なく、付いていく事にした。


 船長室で向き合って座ると、カティーナ船長が話し出した。

「シン。あんたの怒りは判る。だがね、いくら怒っても、喧嘩ってのはやるものじゃない。特に、相手が権力者ならなおさらだ」

「じゃあ、どうしろって言うんだ!泣き寝入りかよ!」


「たわいない喧嘩ってのはあるだろう。居酒屋での口論とか、痴話喧嘩とか。そういのは、被害の程度もたかが知れてるからいいんだ。でもね、喧嘩ってのは基本、愚か者がやる事なんだよ。たやすく喧嘩を売る奴も、そもそもが愚か者だ。なぜか・・・・・・それは、喧嘩による被害の程度を理解出来ないからなんだ。いじめっ子だって、自分がやられたらどうなるか、どう思うか、その辺の想像力が欠如してるからいじめる、つまり喧嘩を平気で売れちゃうんだよ」

「戦上手な奴は、無意識に被害の程度を想定して、腹に据えた覚悟を持った上で戦うんだよ。つまり、やるんだったら完全に勝機を掴んで戦う。戦上手って言ったけど、これは言葉遊びじゃなくて、勝利のために戦う奴は喧嘩はしない。戦争をするんだ」

 カティーナ船長はそう言って、俺をじっと見つめた。


「喧嘩をしてるつもりの奴は、相手が戦争をしてる事に気付くと、普通はそこでもう心折れるものさ。まれに相手も喧嘩から戦争に切り替えられる奴がいるけどね。そんな訳で、お前はさっき喧嘩を買おうとした。でもアタシは戦争の準備をしていたし、あんたに喧嘩されたら戦争で勝てるものも勝てない。それがあんたを止めるためにヌイグルミ号を急発進させた理由さ」

カティーナ船長は一息ついてから続けた。


「あの場でサダルをぶっ飛ばしても、ミリアを助けることは出来なかっただろう。なぜなら、カード化された以上、実体化を解除されればミリアはアイツの下に戻ってしまうからだ。そういう状況のなかで不用意にアイツを傷付け、怒らせてみろ。ミリアを人質に、こちらの行動を制限してくるか、もしくはこちらがいない時に腹いせにミリアがどんな目に遭うか。アタシはそのリスクを避けたのさ。やるんならミリアを完全に救出してその後だ。この話が分かるかい?」

・・・・・・確かにカティーナ船長の言うとおりだ。でも、こうしてる間にも、ミリアがどんなことされているか・・・・・・畜生っ!


「シン。これからの作戦を伝えるよ。まず、クリーチャー・カードの使用はそれだけで誘拐・拉致・監禁の容疑だ。その証拠映像は撮れてある。ただし、相手は権力者でまっとうな手段ではその証拠がつぶされる可能性がある。そこでだ」


「まず、マジック・カードを開発したノルスの魔法省へ行って、クリーチャー・カードの開発経緯と現在のその利用条件、解除方法を確認する必要がある。それから、運輸省の許可証不正疑惑に対して、攻める必要がある。こちらは実は、出港時の通信記録が残っているし、港の管理所にも出港記録が色々残っているはずなんだよ。航海予定とか、接岸許可証とかね。だから、それも押さえる。そのうえで、映像と合わせて、マスコミに流すんだ」


「あとは、サダルの家に侵入して、カードの奪取をする。奴について予想だけど、愛玩用の人物をわざわざ持ち歩いたりしないと思うんだよね。そりゃあ、外出先でよろしくやるために、一人二人連れて歩くかも知れんが、曲がりなりにも高級官僚だ。おそらく自宅にハーレムを作っているとアタシは踏んでいる」


「その確証はないんじゃないのか?」

「だとしても、もう一つ。ローブだ」

「ローブ?」


「マジック・カードの細かな調整は全てローブを着て行う事になっている。事務次官級の政府高官なら、政府から官僚の正装用としてローブが支給されているはずなんだ。普通、個人用と仕事用の複数のローブ及びライフカウンターがある場合、どちらかにマジック・カードを変更登録しているはずなんだよ。おそらく奴がカードを登録しているローブは正装用だ。大事なものだから間違いなく自宅にあると思う。おそらくそれを奪取出来れば、カード化解除もできると踏んでいるのさ」


 なるほど、確かにそれは一理あるな。カティーナ船長はそこまであの瞬間に考えていたのか。


「後は、ゼインの奴がどこで出てくるか、だねぇ。それがまだ判らないけども。おそらくノルスに行けばいずれ出てくるんだろうねぇ。ともかく、腐るんじゃないよっ。次はやつらをギャウンっと言わせてやるんだからねっ!」

「カティーナ船長、俺・・・・・・すいませんでした」


 俺は、カティーナ船長に頭を深々と下げた。この人は、親身になって俺達を心配してくれ、そしていろいろな事を教えてくれる。この人に付いていくならきっと間違いはないんだろう。そう思わせるものがカティーナ船長にはあった。


「アンタが怒るのも無理はない。だが、戦争の仕方はこの機会に覚えておくんだね。そして、大魔法使いを怒らせたらどうなるかってのをたっぷり思い知らせてやればいいのさ」

カティーナ船長はニヤリと笑って言った。


 その時である。

 カンカンカンカン!カンカンカンカン!

 異常、危険を知らせる鐘が鳴り響き、伝声管から声が伝わる。


『船長!トロールの群が向かってきます。その数20!ここはやつらの縄張りのようですぜ!』

『判った!迎撃するぞ!』

 カティーナ船長は伝声管に答えると俺を見て言った。

「憂さ晴らしするぞ!」

「はいっ!」

 俺は船長に付いて甲板に登っていった。


 ヌイグルミ号の周辺は樹木がまばらに生えており、ヌイグルミ号も拓けた場所に不時着していた。その船を囲うように、周囲全体から、針葉樹林の影にトロールの巨体が見える。

 トロールの身長は2mから3mくらい。何かの動物の毛皮を腰巻きと腹巻きにしており、縄状のもので腹巻きから肩、そしておそらく背中側の腹巻きに繋がっているのだろうか。つまり。


 ごっつい巨体で青黒い肌の原始人が、パンツなしで毛皮の裸エプロンをしているようなものなのだ。

きっと後ろを向いたら尻がむき出しかと思うと・・・・・・嫌すぎる。


 ともかく、トロールならファンタジー的に言うと再生能力も持っているはず。おれは迷わず、グノシアで開発したフレア・ライフルの魔法を使うべく、空気中から魔力を集める事にした。しかし・・・・・・・


「あれ?魔力がない!」

「あ、シンには言い忘れていた。ここセフィニアはノルスやグノシアとは違って自由に魔力は使えないぞ」

「ええ~っ!」


 どうやら、セフィニアでは空間にあるはずの魔力が殆ど月に集められており、一ヶ月に一度、満月の夜とその前後に月明かりと共に魔力が降ってくるらしい。そのため、セフィニアの魔法使いはノルスやグノシアのようにイメージだけで魔法を使う事はできず、学問魔法といって色々と呪文を唱える必要があるんだそうだ。俺的にはむしろそっちが普通の魔法使いな気がする。


 しかし、それはともかく、今は。

「マジック・カードと自分の魔力しか使えないってことか」

アースと違い魔力の存在が許されているため、自分の魔力は使える。これだけでも救いだ。


 さて、だとすれば、俺は何の魔法を使うべきだろうか・・・・・・やっぱり、自分で作ったアレが使い出が良いな。俺はシールドビット1機を呼び出して砲塔を前面に展開し、その裏側のハンドルとタラップを起こして飛び乗る。これで、自走式空中移動砲台だ。自然界の魔力も貴重ならば飛翔の魔法も取っておくべきだし、シールドビットなら飛べる。


 俺は、シールドビットを操作してトロール共の側面や背後を取り、1匹づつ屠っていった。背後を取ると、もれなくトロールのプリケツが見えるのが非常に嫌だが仕方がない。


 シールドビットの砲塔部分、ガンビットと呼んでいるが、ガンビットはビーム砲のためか、トロール達の再生能力は発動していないようであり、5分後には、トロール達を全て倒し終わっていた。殆ど戦車タンクゲームの様相だったな。


 ゼインとサダルはこんなものじゃ済ませないぞ。ミリア奪還の暁にはきっちり締め上げてやる。

 俺達の戦いはこれからだ!


 ここまでお読み下さった皆様へ謝罪します。


 ギブアップです。現時点で私にはこの話を続けていく事が出来なくなりました。まさか自分がエタるとは思ってもいませんでした・・・・・・


 原因は設定とプロットの失敗です。どんなに酷くても終わりまでつなげる事が創作者の責任であると思っていたのですが、一方で自分が自信を持って他人様に勧められないものを書き続け、なおかつ公開し続けるのも心苦しい、その板挟みとなっておりました。


 失敗の原因は異世界に行ってからのプロットと魔法を何でもありの設定にしたところだと思っています。

 今後、セルフリメイクして改めて発表できればいいのですが、いつになるかは判りません。各賞応募も腰を据えて取りかかりたいと思います。

まずは、自分の出来る事から、ルイン・ブリンガーズの再始動をします。


 第一人称による軽い切り口の書き方は、これはこれで嫌いではなく良い経験にはなりましたが、同時に世界間の広がりの限界も感じました。この辺も設定の失敗と関連してくる部分ではありますが。


ちなみに今後のプロットですが、

 主人公のシンはこの後、ノルスでミリアの父親と遭遇し、その助力もあってサダル邸へ乗り込み、クリーチャー・カードに囚われた人々の解放とサダルの失脚を成功させます。その後、ゼインとの対決に勝利して大団円という流れにしていたのですが、主人公のノルスにおける建造物不法侵入と暴力行為は認められたものではありませんし、ストーリー展開や登場人物の登壇理由に蓋然性がなくて全然ダメですね。


数日間曝してアクセス皆無になった時点でこの小説は削除させて頂きます。


ここまで呼んで頂いた皆様には本当に申し訳ありませんでした。





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