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プロローグ

第2回ライト文芸新人賞MFブックス向け部門用に始めました。


「ワールド・ウォーカー、コロス。ソノシタイ、チョウサスル」


ブリキ猫は、機械音声マシンボイスで物騒な事を言うと、跳躍して襲い掛かってきた。俺は咄嗟にミリアを庇い身体毎避ける。ブリキ猫は勢い余って10m位先まで突っ込んでいった。


「なんだコイツ?」

「きっと、私に追跡者トレーサーが付いていたんだわ。アースに来る前に、フィレクレムって世界に流れちゃったの。その世界は、他の世界に侵略するために、世界転移者ワールド・ウォーカーを隙あらば捕まえて、その技術を盗もうとしているのよ。私はフィレクラムから逃げてきたの」

「とりあえずここじゃ人目がある。逃げるぞ!」


 俺は、ミリアの手を取って走り出した。ここは街外れだ。坂道を登ってカードショップ「ロンゾ」の前を抜けてから左に行けば、森林公園がある。


 坂道の中程で気になって振り返ると、遠くでブリキ猫の背中が開いたように見えた。その背中から出てきたのは――小型ミサイルが一発!マジか!?

 俺は咄嗟にハーフパンツのポケットから、封の開いた白いブースターパック、その中にある無地白地のカードを取り出した。


小型ミサイルが向かってくるのに合わせ、夢中で白地カードを前にかざす。

ミサイルの空を切る音がかき消え、俺の白地カードが“驚異”を無効化習得ラーニングしたらしい。

再び前を向いて走り出し、人気のない森林公園に向かいながら、さっきのラーニングしたカードをチラ見する。


“ハンドミサイル(飛翔爆雷)” 、“(3)X”

“ソーサリー”、“フィレクラム”

“~フィレクラム世界はフィレクラム帝国によって支配されている。帝国の先兵は魔力があればあるほど殺戮に狂うのだ~”


 物騒なフレーバーテキストだな。Xってのは、注ぎ込む魔力次第で、威力があがるのだろう。もしかしたら本数が増えるのかも知れない。ここアースは魔力のない世界だから、奴がこれを撃つ時は生命力を削って体内でミサイルを造っているんだろうか?

 猫型だったら体内でどら焼きかチョコ棒作ってろよ!

 ともかく、空撃ちさせていれば最後にはエネルギーが尽きるのかもしれない。


 それよりも、さっきのが初ラーニングだよ!やっぱ、このマジック・カードは本物か!

追われているのにも関わらず、俺はなんだか興奮してきた。カードを譲ってくれた爺さんに感謝だ!


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