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姫と王子とそれからお供。
いきなりだが、ここは学校なんかじゃない。たとえるなら、そう、戦場だ。毎日数多の男達が姫を求めて戦い、傷つき、そして去ってはまた現れる……。
おっと、また来たみたいだな。新しい挑戦者が……。
奴の名前は大熊健二。名前の通り、熊みたいにでかくてゴツい。今日で何回目の挑戦かはもう忘れてしまった。身長は二メートル弱くらいだろうか、いつも思うがあれが人間と呼んでいいものなのか、未だに謎だ。手足はつけもの石みたいにでかくて頑強だし、何よりあの胴体は、のしかかられたらただじゃ済まないだろう。髪型はいかにもなスキンヘッドだし。その口元には性質の悪い笑みが浮かんでるときた。言うなれば、悪魔だな。それも暴れ牛タイプのやつだ。
話を変えようか。さて、とりあえず闘いが始まる前に一つ言おう。これからこいつと闘うのは、他でもない、俺だ。なんでこんなことになったかって聞かれたら、まぁ長くなるが。聞いてもらおう。