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フェリムフィリア  作者: 小林月春
本編
5/5

4話 フェリム・コナーは駆け抜ける

 丸めたティッシュは火の魔法で手のひらの上で燃やし、臭い空気は風の魔法で窓の外に出す。これで完璧である。イサギは達成感を抱き、額を袖で拭った。時計の針が七時三十分になったことを示すと、イサギの手の中にあるスマートフォンが震え、世界で一番最悪な音を鳴らし始めた。

「やっべ」

 慌てて窓を閉め、ロンの枕もとにスマートフォンを置くと、それを探して彷徨っていた彼の手が素早く動き、アラームを止めた。ロンはのっそりと起き上がって、スマートフォンを操作する。よし、バレてない。ロンはSNSや今日の天気を見ると、枕に顔を押し付けた。

「めんどくせぇぇぇ……」

 イサギとしても気持ちは理解できる。だが、だからこそ言いたい。

「起きろ、学生」

「代わりに行ってくれ。魔法でどうにかしろ」

「出来るわけねぇだろ」

 ケツあたりを軽く蹴ると、ロンは「ぐえ」と鳴いた。

「分かったよ……」

 ロンは起き上がると、布団を畳んで部屋の隅に置いた。それから壁にかけていた制服を取り、ぴたりと動きを止める。かと思いきや、床に転がっていた消臭スプレーをイサギに渡してきた。

「あ?」

「一応かけとけよ。お前、昨日からずっとその服のまんまだろ」

「気が利くじゃん」

 イサギが消臭スプレーを受け取ると、ロンはさっさと制服に着替えた。布団は畳んだのに、寝間着は畳まず脱ぎっぱなしだ。消臭スプレーを使い終わったイサギは、近くの机の上に置いた。

 ロンはリュックを背負うと、イサギを振り返った。

「んじゃ、行ってくるわ」

「おう。……って、朝飯は?」

「俺は朝から食べない派」

「身体にわっる……!!」

 でも確かに、原作でもそんな感じの描写はあった。キャラクターとしてなら「そういうものか」で済ませられるが、現実で、基本カップラーメン生活で朝食抜きの人間を見ると引いてしまう。ああいうのは三十代になってから後悔するのだ。蓮沼イサギとして働いていた時の職場の先輩がそうだった。

「昼飯はちゃんとしたの食っとけよ」

「おー」

 これは絶対ちゃんとしたものを食べない。イサギは天を仰いだ。

 ロンが学校に行くと、家にはイサギだけとなる。正直暇だ。勝手に色々使ったら、ロンの両親が気づくかもしれないし。原作を無視してでも、元の世界──魔法のある世界に戻れるように、何かしてみるべきか。

 だが、原作を変えたらどうなってしまうのだろう?一抹の不安が心に過ぎった。

「あー!やめやめ、こんな考え!」

 敢えて声を出し、暗くなりかけた思考を飛ばす。押し入れから枕を取り出し、畳に放る。そこにぼすんと頭を乗せ、イサギは目を瞑ることにした。暇な時は、寝るのが一番だ。

 そして、浅い眠りの時ほど夢を見るものだ。魔法使いにとって、夢は啓示の意味を持つことがある。そういう夢を見ることは少ないが、見ればすぐに気づく。今のイサギがそうだった。

 夢の中で、イサギには身体が無かった。宙を漂う思念みたいなもので、見下ろしても自分の身体は見えなかった。けれど見るということはできていて、一人の男の背中を見ることはできた。

 イサギがいるのは、散らかった部屋だ。そこらにプラスチックの弁当箱の残骸が落ち、汚れたままの割り箸が床に転がっている。ペットボトルは数口分を残して大量に置かれ、エナジードリンクの空き缶が山を作っている。それらの中心に、安そうな折りたたみ式のローテーブルがあって、その上にノートパソコンが置かれている。男は一心不乱にキーボードをカタカタと打ち鳴らしていた。そして、すぐそばに置かれているペットボトルの上に放り投げられていたスマートフォンを手に取ると、男は何かの文章を読んで、またキーボードを打つ作業に戻る。

 そんなに夢中になって、何を打っているんだろう。

 イサギは気になって、覗き込もうとした。その時、突然胸の辺りが苦しくなった。おかしい。今のイサギに身体は無いはずなのに!夢の中だから──違う、この苦しさは、夢の中のものではない。

「は……っ!!」

 イサギは目を覚ました。無意識のうちに右手は胸もとを握り込んでいた。慌てて起き上がり、息を整える。だんだんと胸の苦しさも落ち着いてきて、額に滲んでいた汗を袖で拭う。

「なんだよ……」──そこまで言って、ハッと息を飲む。「まさか、ロン!?」

 今朝、イサギはロンのお守りと自分を繋げた。お守りに危険が迫ると自分にもそれが伝わるように。そしてあのお守りは、ロンが持ち歩いているはずだ。

 外を見ると、既に太陽は傾き、空はオレンジ色になっていた。この時間、この家には誰もいない。イサギは家中をひっくり返す勢いで箒を探した。現代日本によく似たこの世界、それも核家族世帯に、跨がれるような箒がある確率は低かったが、ロンの家にはあった。庭用の竹箒が、玄関のシューズクローゼットの横に隠すように置かれてあったのだ。

 浮遊魔法では速度が劣る。だが箒と浮遊魔法を組み合わせれば、魔法使いは車レベルの速度を出せるのだ。

 イサギはロンの部屋の窓から、箒に跨って空へと飛び上がった。お守りの気配は東からしている。その方向には海が見え、そのすぐそばの高台には学校があった。あれがロンの通う東ワダツミ高校だ。

「待ってろよ!ロン!!」

 イサギは東ワダツミ高校──「不思議解決部シリーズ」の舞台へと狙いを定めると、高速で空を飛び抜けた。

 スマートフォンが普及した時代に、わざわざ空を眺める人などいないし、この速度なら写真に撮っても人かどうかも判別不可能なはずだ。さらに、魔法使用時に全身を覆う魔力のおかげで、揺らいで見える。せっかくの美少女顔が風で酷いことになっていても、イサギは気にしなかった。それよりも、ロンを助けなければならないと思っていたのだ。原作通りなら、フェリム・コナーの助けがあってロンは無事助かる。だがもし少しでも助けが遅れたなら。

 屋上に降り立ち、箒を放る。屋上の出入口であるドアは、いつも開けっ放しという設定だったことを、イサギは覚えていた。今は放課後で、運動部の励む声と、吹奏楽部や合唱部の音楽が微かに響くくらいだ。すれ違う生徒の姿は無い。イサギはお守りの気配を辿り、迷うことなく駆け抜けた。

 生徒数が年々減っていることもあり、この高校には空き教室がいくつかあった。イサギが辿り着いたのも、三階にある、そんな空き教室の一つだ。

 空き教室の真ん中で、リュックを背負ったままのロンが両腕で頭を守るようにして蹲っている。その髪やリュックを引っ張っているのは、トンボや蝶々の羽根が生えた小さな人間たち──ピクシーだ。

「ロン!!」

 イサギは教室に駆け込んだ。

「フェリム、何で!?──あだっ!?」

 思わず顔を上げたロンの鼻を、ピクシーの一匹がつまみ上げた。別の一匹が、細い手を生かして鼻の穴から鼻毛を掴み、引っ張ると、ロンの口から断末魔のような叫びが漏れた。

「ぎぃああぁっ!」

「ピクシーども!!いい加減にしろッ!!」

 イサギは魔法で水を出した。バケツをひっくり返したように、水がロンを巻き込んでピクシーたちに浴びせられる。すると、甲高い悲鳴を上げて、濡れた羽根で飛べなくなったピクシーたちは濡れた床に落ちていった。そこに、イサギは機嫌悪く近寄り、仰向けになって虫のようにジタバタしている一匹の羽根をつまみ上げた。

「僕の召喚魔法に応じなかったお前らが、こっちの世界で何してくれてんだよ!?」

「キィィィッ!!」

「キィィィじゃ分かんねぇよ!!人語話せるだろ、コラ!!」

「キィ!キィィィ!!離せやゴラァ!!」

 ヘリウムガスを吸ったのかと思うほど甲高い声で、ピクシーは怒鳴り返した。負けじとイサギも怒鳴り返す。

「散々迷惑かけたみたいだなァ!?ロンにも、僕にも!!お前らの一匹でも召喚魔法に応じてくれれば、こちとら二十九回の補習を受けずに済んだんだよ!!」

 その二十九回目を受ける前にこっちに来てしまったのだが、些細なことである。

 ピクシーとは、最も召喚しやすいものとされている。召喚魔法に抵抗できるほどの力が無いからだ。どれだけ魔法ができない魔法学校の生徒でも、ピクシーくらいは召喚出来た。だがイサギは出来なかった。おかげで補習地獄だったわけだ。

 そうだそうだ、思い出した。原作一一巻にピクシー出てたわ。忘れてた。その後の展開が衝撃過ぎて。……そうだよ!真の敵はこいつらじゃない!

 イサギはつまみ上げていたピクシーを投げて──ピクシーは「覚えてろこんにャろー!!」と甲高い声で言っていた──ロンを見た。

「ロン!ここから離れよう!」

 だがロンは、床に蹲ったまま、ぷるぷると震えているだけだ。あ、やっべ、そうだわ。ロンって確かこの後──。

「……お、ま、え、なぁぁぁ……っ」

 やっぱりな!!

 ロンはイサギの胸ぐらを掴むと、がくがくと揺さぶった。

「お前お前お前ッ!!何濡らしてくれてんだよ!!まだ皐月だぞ!?しかも夕方!!乾かねぇよ!!さみぃよ!!俺、寒いと死ぬの!!」

「悪かったって!乾かす手伝いはするから!だから今はここから──」

「逃げても遅ォい!!」

 甲高い声がイサギの声を遮った。声の方を見れば、先ほどイサギが投げたピクシーが、机の上に仁王立ちになっていた。

「その者から離れろ、野蛮魔法使い!」

「誰が野蛮魔法使いだ!」

「蛮力使い!」

「魔法使いへの差別用語ッ!!」

 こうしている場合ではない。イサギは無理矢理ロンを立ち上がらせた。

「待てェい!!」

 ピクシーがそう叫んだ瞬間。聴こえていたはずの部活動の声が一斉にぴたりと止まった。風すらも凍りついたように、全てが停滞した。停滞した空間に、何故か波の音が聞こえた。すると、イサギとロンの前に、女性とも男性ともつかない、人間のようなナニカが滲むように現れた。深海を飲み込んだような長い濃紺の髪と目を持っている。その場にいるだけで、そのナニカの持つ力でひれ伏しそうだ。

 ピクシーが甲高い声で、その名を呼んだ。

「ウンディーネ様!!」

 四大精霊の一つだ。イサギはギリと奥歯を噛んだ。どうやら全て原作通りらしい。自分が咄嗟にやったことも、思い返せば全て、原作通りだったから。

「ピクシー」

 ウンディーネが口を開いた。その声は澄んだソプラノだった。呼ばれたピクシーはびくびくと震え、ウンディーネを見上げている。

「チェンジリングは禁止事項のはずですよ」

「は、はいィ、知ってます……」

「では、何故」

 ウンディーネの濃紺の目が、ぴたりとロンに向けられた。

「ここにサラマンダーの気配を残す者がいるのか」

 答えなさい、ピクシー。

 冷ややかな声にピクシーは「あわわわ」と鳴いた。イサギはそっとロンを見た。彼は何が起こっているか分かっていないようで、口をぽかりと開けて、ウンディーネを見ているだけだった。

「お、おそらく同胞が昔にチェンジリングをした者の子孫かとォ……」

「……ああ、思い出しました。千年近く前に、サラマンダーが怒り狂って人間の子どもを焼いていましたね。あの時のものですか」

「そうです!そうです!」

 ピクシーがぴょんぴょん跳ねた。

 ようやくロンがイサギの方を向き、口をパクパクと開閉させた。何をどう聞けばいいか分からないのだろう。だが、今は説明している時ではない。

 どうする。ウンディーネとピクシーの会話に介入するか?だけど、原作を改変することになる!そしたら……どうなる?

 イサギが悩んでいると、ウンディーネが「あの時は私も大変でした」と目を伏せた。それにピクシーが「そうですよねェ」と同情的な声を出す。床の上にいるピクシーたちも、そうだそうだと同意した。

「ええ。ですから、連帯責任です」

「えッ?」

 机の上にいたピクシーも、床でまだジタバタしていたピクシーたちも、頭上に現れた滝に押し潰される。イサギたちには細いホースから水を出し続けている程度の水量だが、小さな身体のピクシーにとって、それは命を明確に奪うものだ。ピクシーたちを押し潰した水はたちまち球体になり、息をしているかも怪しい彼らを包み込んだ。そしてそのまま、蒸発するように消えた。それら全て、たった三秒間の出来事だった。

「ピクシーが迷惑をかけましたね」

 ロンが「ひっ」と悲鳴を飲み込んだ音がやけに大きく響いた。

 イサギはウンディーネを見ながら、「いえ」と小さく返すことしかできなかった。

 こうなることは知っていた。小説として読んでいる時は何とも思わなかったのに、実際に目にすると、このウンディーネの恐ろしさに身体が震えてしまう。ピクシーとはいえ、あれは命だった。数個の命が惨い消され方をするのを見てしまった。そしてその数個の命をあんな簡単に、連帯責任と称して消してしまえる存在が目の前にいる。

「さて、そこのサラマンダーの子孫」

 濃紺の目がロンへと向く。ロンはびくりと肩を震わせ、分かりきったことだろうに、自分を指さして確認する。

「……お、俺のこと、ですか」

 声は震え、掠れていた。膝は内股気味になっていて、今にも腰を抜かしそうに見えた。

「ええ。そうです。どうしますか、我らが妖精の世界へ戻りますか。それとも、このまま人間の世界で過ごしますか」

 ロンが助けを求めるようにイサギを見た。イサギは震えを誤魔化し、脳内で原作の流れを思い出しながら、ゆっくりと口を開いた。

「ロン。まずは説明しとく。どうやらお前は、四大精霊の一つ、火の精霊サラマンダーの子孫のようだ」

「な、なんだよそれ……。俺は、普通の人間のはずだぞ!」

 そこまで言って、ロンは片手を目の上に乗せる。自分でも、赤い目が普通ではないと思っていたのだろう。

 原作でも言及されていた。普通、赤い目の人間はいない。だが、ロンや、ロンの父方の親戚にはたまにいる、と。

「でも、だいぶサラマンダーとしての力は低い。ほぼ人間だよ、お前。サラマンダーの子どもであるお前の先祖が、人間の子どもと取り替えられて、そのまま人間のように育って、人間と結婚して子どもを産んだ。そういうやつの繰り返しで、サラマンダーの血が薄まったんだと思う」

「蛮力使いの説明に間違いは無いでしょう」

 ウンディーネがさらりと魔法使いへの差別用語を言う。これはアレだ、お年寄りほど差別用語をさらりと使うやつと同じだ。特に悪意は感じない。それは先程のピクシーたちの始末の時も同じだが。

「ピクシーたちがお前に悪戯をしたのは、多分最初は、お前を妖精の世界に戻そうとしたんだと思う。でも、あいつらは頭が弱いから、すぐ忘れて悪戯に移行したんじゃねぇかな」

「……はぁ!?」

「だから無くしたと思ってたやつも、少ししたら返ってきた。そんなことよりもお前を戻さなきゃならないからな。それで、今まであいつらが見えなかったのに、今日お前が見えるようになっていたのは……」

 イサギはロンのリュックを指さした。

「その中にあるお守りのせいだと思う」

「な、なんで知ってんだよ!」

 驚くロンに、イサギは「ごめん」と返す。

「……実は、今朝、僕の魔力をそれに込めて繋がりを作った。僕の魔力が、お前の中のサラマンダーの血を刺激したんだと思う」

「ええ。おかげで私がこうしてここに現れることができました」

 ウンディーネが両手を軽く広げた。

「これから、ピクシー以外にも、あなたの血に惹かれてここに来るものは多くなるでしょう。この地にいる限り、騒ぎは起こり続けます」

 話を聞いて、ロンが「この地……」と気になった言葉を復唱する。イサギは「ああ」と頷いた。

「実は、今日ここに来て気づいたんだが、この東ワダ高は、この街で唯一魔力濃度が高い場所だ。普段は魔力の薄い場所では活動できないピクシーは、だからこの学校にいる時だけお前にちょっかいを掛けられたんだよ」

 という言葉で良かったはずだ。一言一句合っているかは分からないが、流れは間違っていないはずだ。「今日ここに来て気づいた」ことなんて何も無い。あくまで流れを間違えないためだ。だが、魔法使いのイサギが言うと信憑性があったのだろう。ロンは「そんな……」と呟いた。

「この地はかつて、長く儀式が行われていた土地。そのため、世界中の魔力が薄くなろうと、ここに染み込んだ魔力は残り続けていたのでしょう」

 ウンディーネは静かにそう言った。

「は……?儀式だって?……ここは処刑場跡地のはずだ……」

 ロンの目が窓の外へと向く。窓の外には校庭があって、その隅には石碑が建てられていた。

「処刑場という名の、生贄を使った儀式の場所だった可能性はある」

 それか、かつての日本と同じかもしれない。かつて日本では、刀の切れ味を確かめるために処刑された罪人の胴体を使うことがあった。それと同じことがここでもあった可能性はある。

「まあ、とにかく、だ。そういう偶然が重なっての今ってわけだよ、ロン」

「待て……マジで頭混乱する……。俺、平凡男子高校生だぞ!?なんだよ昨日から……小説じゃねぇんだぞ……」

 事実は小説よりも奇なりだ。

「どうする、ロン。妖精の世界に行っちまう?」

「いや、行かねぇよ!?怪しすぎる!宗教の勧誘より怪しいわ!!」

「ってことらしい、ウンディーネ」

 ロンの言葉を聞いたウンディーネは、特に表情を変えず、「分かりました」と返した。

「蛮力使いよ。力は弱いとはいえ、そこのものはサラマンダーの子孫です。お前たちに、我らの力を貸してやっているのだから、しかと守り抜くように」

 それを言うと、ウンディーネは弾けるように消えた。静かだった空間が壊れ、部活動の声も戻って来る。階下からは、吹奏楽部の演奏が響いていた。

 ロンはぺたりと座り込んだ。そのそばにイサギもしゃがむ。

「い、意味分かんねぇ……」

 大きなため息が床に落ちる。可哀想に。イサギもフェリムに転生した最初の時はそんな感じだった。

「説明されても飲み込めねぇよ……」

「だよな。でもさ、これだけは飲み込め」

 ロンがイサギを見た。

「これからお前の周りには、たくさんの“不思議”がやって来るってこと」

 それもピクシー以上のものが。

 それを聞いたロンは、天井を見上げた。

「俺の平凡な高校生活を返してくれええぇぇぇっ!!」

 うん、原作一巻って感じだな。

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