第65話 キュートな占いばあちゃん
今年もドンドン書いて行きます!よろしくお願いいたします!
実は秘湯は盗賊ギルドが稼ぎに利用する巧妙な罠であった。
盗賊ギルドから服を取り返したタケミ達は円形のちゃぶ台を囲んで座っていた。
「さてさて、お茶でも淹れましょうかね。何が良いかしら?お二人は元々日本人だから緑茶の方が懐かしくて良いかしら?」
そう話すのはテルー・バースタ。
猫のような見た目をした占い師。
彼女は猫の手をモチーフにしたであろう杖と、占い師らしさのある服装。それとポシェットを身に着けている。
「緑茶!」
「私も緑茶ってそういえばこっちに来てから飲めてないかも」
タケミとユイが手を上げてそう答える。
「私は酒」
「あら、お酒止めてなかったの?あれだけ言ったのに、しょうが無いわねぇ」
「うるせえよ」
お茶と酒をお茶で割ったものを提供してもらう3人。それと一緒にお茶菓子も横についている。
「さて、改めて自己紹介をしましょうか。私はテルー・バースタ。占い師と骨董品のお店をやっているの」
ペコリとお辞儀をするテルー・バースタ。
「それと盗賊ギルドのギルド長だろ?」
「ふふふ、そっちは副業程度よ。友達に言われて引き継いだだけだし」
テルー・バースタは微笑みながら答えた、ネラの態度に対してだいぶと慣れている様子だ。
「私の事はテルーちゃんやテルーおばあちゃんってよんでね」
「その、テルー・バースタさんは女神なんですか?」
「あらバレちゃった?それとテルーちゃんで良いわよ」
聞きづらそうな様子のユイに対し、テルー・バースタは気にしないでと言った様子で答える。
「そうなの。ずっと昔に天界から逃げ出したんだけどね。今は占いをしたりお散歩したり、お昼寝したりして過ごしてるわ」
「ご隠居生活謳歌してる……お茶菓子おいしい」
「猫の女神もいるんだな、獣人だっけ、あの姉弟みたいだな。これうまいな」
そう話し、ユイとタケミはおかわりしたお茶菓子を食べる。
「ああ、私は獣人じゃないのよ。私がこの姿なのは猫が好きだからよ」
「変装魔法って事ですか?」
「ちょっと違うわね。変装魔法だと魔法を解いたら元に戻るでしょ?でもこれは本当に猫になってるのよ」
「ど、どういう事……」
ユイが困惑している。
「こいつの外見に関してはあんま考えんな。もうずーっと猫の姿のみてるから元がどんな姿だったか私も覚えてないし」
「私もよー」
「いや、自分は覚えておけよ。自分自身の話だろ」
「ふふふ、そうねーでも外見なんて変わるものでしょ?」
テルー・バースタはちゃぶ台の側に座り笑っている。
みていると朗らかな気持ちになる笑い方だ。
「あ、ネラがこの街に来た理由って」
「そうだ、このババァに会うためだ」
タケミの発言に頷くネラ。
「あら、ネラちゃんが私を頼ってくれるなんて嬉しいわ」
「あーもう、頭撫でんな!」
頭を撫でる手をどかすネラ。
「でもその前に、私のお願い事聞いてくれないかしら?そしたら喜んでネラちゃんのお手伝いするわ」
「お願い事?こっちは先にみぐるみ剝がされそうになったんだが」
「でも露天風呂を壊したわよね。あれ一応うちのギルドの所有地なんだけど」
テルーの発言を聞いてお茶菓子を取る手が止まるタケミ。
「そりゃあ忍者のせいだ」
「でもおれが殆ど壊したかも」
「バカッ!なに正直に言ってんだ!」
タケミを叩くネラ。
「という訳で、このお願い聞いてくれたら修理代と私への依頼料もチャラにしてあげるわ」
それを聞いてネラは鼻で笑った。
「依頼料も取るつもりだったのかよ。良い性格してるな」
「勿論引き受ける時はプロとして請け負うわ」
自分の胸をポフっと叩くテルー。
「で、なんだ願い事って」
「私達の街でひそかにある物が出回ってるの、危険なものよ」
ゴソゴソと腰につけてたポシェットを漁るテルー。
「危険なもの?」
ユイがそう言うとテルーは一本の瓶を取り出した。
それはタケミ達が見覚えのあるものだった。
「エリクサーよ」
「私達は盗賊ギルドって人には呼ばれているけど、それは昔のなごりでね。基本はもう盗みなんてしてないわ。たまーにこうやって、人を化かしてイタズラする子達がいるみたいだけどね」
テルーはお茶を飲み、顔を後ろにいたギルドメンバーに顔を向ける。
「すんません!」
メンバーが一斉に土下座をした。
だいぶテルーは恐れられているようだ。
「今は商業ギルドとして動いているの。市場に怪しい物が出回って無いかとか、ほらこの世界は魔石で物を売り買いするでしょ?その魔石の鑑定基準が正常かとか」
「あー、確かに石の品質や量で売買って結構めんどくさいなって思ったけどそういう仕組みがあるんだ」
タケミがポケットから魔石を取り出してみる。
「それでここ最近、このエリクサーっていうのが闇市で出回って困ってるのよ」
「闇市は容認してるのな」
「闇市なんていくら規制しようとも無駄よ。規制を強めれば強めるほどそういう需要が上がっちゃうし。少し緩いぐらいが丁度いいのよ」
ネラに軽く言葉を返し、話を続けるテルー。
「このエリクサーはとても厄介でね。みんなこれに凄く依存しちゃうの、これ関係のトラブルが最近多くてね。だからこのエリクサーについて調べて欲しいのよ」
「またエリクサーについての調査依頼か。で具体的に何を調べれば良い?」
「市場に流している人物、あと出来ればこれを誰が作っているのかを」
「分かった」
そう言ってネラは立ち上がった。
「その前に宿だ、こいつら食わせないとな」
「やったー!飯だ!じゃあな、ばあちゃん!」
「ごはーん!ではまたテルーさん!」
ネラの後について出ていくタケミとユイ。
「あんなにあったお茶菓子殆どねぇよ」
「まだ食うのか」
お茶菓子が入っていた箱を覗き込むギルドメンバーたち。
「さてと、アンタたちは露天風呂の修理を進めてね」
「は、はい!」
テルーの命令に対し、ビシッと姿勢を正し答えるギルドメンバー。
翌日の朝。
薄暗い路地を進んだ先にある建物にユイが入っていく。
「へへへ、これはこれは綺麗なお嬢さんだ。こんな朝早くから何をお求めかな」
金網越しに怪しげな男が話しかける。
「すっごい薬があるって聞いたんだけど。魔力が高まる的な」
「ああ!エリクサーですね、すみません今品切れで」
「そうやっぱり扱ってるの」
ユイが後ろを振り向くとタケミとネラが入って来る。
タケミが金網を掴む。
「おい、金網から手を離すんだ!」
相手の警告を無視してタケミは金網を引き裂き、怪しげな男を引っ張り出した。
「な、なんだアンタら、お、おい!」
男は外に向かって叫ぶ。
「誰も来ないよー、外の連中はこの大男が埋めちまった」
「大丈夫だ、死んでない。肩から下が埋まってるだけだ」
タケミとネラが男の背後に立つ。
「落ち着いて、私は何もしない。答えて、エリクサーはどこで仕入れてるの?」
3人の調査が始まった。
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