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第59話 罰


巨大な壁の側で闘っているタケミとガツ。


タケミはガツとの戦いの最中に新しい一手を見出す事が出来た。


パンチの衝撃を遠距離まで飛ばすというものだ。


「ふぅー、中々難しいな。出来るときと出来ねぇときがまだバラつくな。パンチを出す時に一瞬だけ出力をあげてーっと!」


少しずつだが新しい一手を自分のものにしていくタケミ。


(だけど赤鬼の出力を切り替えるのにも慣れて来た。前よりも戦いやすい)


「クッ!結構精度が上がって来てるじゃねぇか!」

ガツはこの攻撃を身体を変形させながら避けていた。


「ほんと便利そうだなその体」

タケミが拳を突き出すのを止める。


「まあ避けられるのは凄いけど、あれは無理じゃない?」

そう言って彼はガツの後方上空を指さす。


ガツは咄嗟に振り向いた。


そこには落下してくる壁の瓦礫が。


「な……ッ!!」

タケミの攻撃によりガツの背後にあった壁が破壊されたのだ。


巨大な壁の瓦礫の下敷きになるガツ。



少しするとガツが瓦礫の隙間から液体化して出てくる。


「クソッ!油断した!体は、欠けてる部分は、ねぇな。ふぅアブねぇ」

身体を人の形にすると、彼はすぐに自分の身体に異常が無いかを確認し始める。


その様子をみてタケミが首をかしげた。


「ん?何をそんな気にして……」


タケミが質問し終える前にガツの背後に大きな影が現れる。


「おいガツ何してんだ?」

「え?なんだグラトニーナじゃねぇか」

現れたのはグラトニーナ・レッカーマウルだった。


「テメェまさか押されてる訳じゃねぇだろうな?」

「はぁ?何言ってんだ!今のは少し油断しただけだ、それにほら、身体もなんともねぇ!そうだろ?」


ガツはグラトニーナにそう言うと、彼女が後ろに引きずっている物に目を向ける。


「それよりお前のその後ろにある奴。山頂の魔石か!手に入れたんだな!」


「ああそうだ。途中旨そうな魔獣たちがいたが、どうにも警戒心が強くてな、捕食範囲に入ってこないから一匹も食えなかったぜ。まあそれもこいつを喰いきれば山ごと食ってやればいい話だがな」


グラトニーナは体を変形させ魔石包んでいた。


(魔石?山頂?ああ!この山の頂上にあったあのデッケェ石か!)

タケミはその魔石の事を思い出していた。


「やったな!じゃあ俺にもその力を分けてくれよ!」

ガツはグラトニーナにそう言って手を差し出した。


「なんだって?」

「いや、だってそういう約束だろう?お前が魔石の力をにいれたらそのうちの幾らかを俺たちに分けてくれるって」


二人の会話を聞いてタケミは構える。


(こいつら相手に二対一か、倒し方はなんとなく思いついたけど、早い事実際に出来るようにしないとな)


だがどうやらタケミの予想とは違う展開になりそうだ。


「そんな話したっけか?」

「なんだと……ッ!?」


グラトニーナの発言で眉間に皺を寄せるガツ。


「人間ごときに押されてる奴なんていらねぇんだよ。そもそもお前らは魔石を手に入れるのを邪魔された時に備えての身代わり役、魔石を手に入れた時点でもう僕には必要ない存在だ」


「テメェッ!!最初からこのつもりで!」


ガツがグラトニーナに襲い掛かる。


しかし最初に動き出したガツよりも素早くグラトニーナの腕が彼を捕らえた。


「そうだよ。ああ、これが魔力探知、これによるとお前以外の奴はみんな死んじまったみたいだ。人間ごときに負けるなんて、まあ最低限時間稼ぎにはなったから褒めてやるか。残りの連中は僕が喰うからお前は安心して僕に喰われろ」


「グラトニーナッ!!やめろっ!クソォォォッ!」

ガツは抵抗するが、それも意味はなく、一瞬の間にグラトニーナに捕食されてしまう。


「おいおい、どういう事だよこれ」

いきなり共食いを始めた相手にタケミは少し驚いていた。



「ここにいたか」

「いた!ってえ?共食い!?」

グラトニーナがガツを共食いした直後にネラとユイがその場に到着した。


「タケミ、ユイ、すまねぇミスった」

ネラは二人に謝って、鎌を取り出す。


「やっぱり魔石狙いだったか、もう随分と小さくなってるが芯の部分は喰いづらいみたいだな。さぁ、今度はこの鎌で木端微塵になるまで切り裂いてやる!」

「来たな死神!そうなんどもやられるか!!」


グラトニーナが飛び上がり、口から深緑色をした霧状のものを吐き出す。


その霧は一瞬で周囲に拡散していく。


「うわ!?何これ毒霧?解毒魔法で……」

ユイは即座に解毒魔法をかけるが効果が無い。


彼女は意識を失いその場に倒れた。


「ユイ!」

そう叫んだネラも体を強烈な痺れが襲う、立っていられずに肩膝をつく。


(まずいこの霧はアイツのだ!魔石を取り込んだから使えるようになったのか?毒じゃないこれは流石に私でも無理か)


「今日はどうも調子がわりぃな……」

ネラもその場に倒れてしまった。


「プハハハハハッ!凄いなこの毒霧!一網打尽ってやつじゃないか!あの死神も、グロトとネリアを殺した魔法使いも一瞬だ!」


毒霧の中で高笑いするグラトニーナ。


「おい!」

霧の中から突然声がする。


グラトニーナは声の方向に体を向けると霧を撃ち破って衝撃が飛んで来た。


「ぶふぅッ!?」

衝撃はグラトニーナの顔面に直撃。


霧の中からタケミが現れる。


「な、なんでテメェ動けんだこの霧の中で!」

「ちょっと前にこの霧はたらふく吸い込んだからな、とりあえず。すぅーーー」

タケミが息を思いっきり吸い込む。


彼はその場にあった毒霧全てを吸い込んで処理してしまう。


「な、何ィ?!毒霧がッ!!」

「これで毒は問題ないな。最近も毒を喰ったせいか全然なんともねぇな」

その場でジャンプしたりして体の調子を確認するタケミ。


「て、テメェ。ひょっとしてスライム族か?」

「人間族だよ」

呆気にとられるグラトニーナに対してタケミはそう答えた。


「あーもう!じゃあ直接殺してやる!」

「おっと!」

グラトニーナの攻撃を避けるタケミ。


(さっきのガツってのよりも早い。喰ったらその分強くなるみたいな事言ってたが、コイツはかなり喰ってんだな)


「デケェ図体してよく動けるな!それになんだその魔力量?なんで生きていられんだよ、気持ち悪ぃ!」


「おいおい、そこまで言う事ねぇだろ」


タケミは相手の攻撃を躱しながら、自身も攻撃を放っていく。


「しかし、お前本当にそれしか出来ねぇんだな。パンチの衝撃を遠くまで飛ばせるなんて聞いたことねぇが、僕には大して通用しないぞ。最初のは不意を突かれてオーバーにリアクションしちゃったがな!」


グラトニーナの言う通りタケミの攻撃は相手にはあまり効いていないようだ。


(ダメだ、まだあの状態になれねぇ。もっと赤鬼を引き上げるか?いや、なんかそれじゃあ引き金にならない気がする。なんだ?なんでアレになれない)


タケミは考えながらも次の行動に出た。


「ふん!」

「なんだ?地面を殴って」

彼は地面を殴り、抉りだした。


「ウオラァァッ!!」

そのまま抉り出した地面を持ち上げ、飛び上がった。


「なに!?」

「脱出不可能だぜ!!」


タケミはその地面を相手に投げつけた。


「ぶっ潰れちまえ!!」

更に上から殴りつけるタケミ。



「さて、これでどうなる?」

散々殴りつけた後でタケミがその場に立っていると、割れた地面の隙間から液体があふれ出して来た。


タケミはその場を飛び退く。


液体はグラトニーナの姿に戻る。


「テメェ、いま嫌な感じがしたぞ。危険を感じちまったじゃねぇか!!この完璧な女帝であるこの僕が!お前ごときの行動にヒヤリとしたんだぞ!」


「何をそんなに怒ってんだよ。そんなにヒヤリとしたくないならもっと強くなれば良いだろ?」


怒り心頭なグラトニーナにそう言うタケミ。


「黙れ!無敵な僕に指図するな劣等種が!魔石を離れた場所に置いてあったから良かったものの、もしあれに何かあったらどうしてくれるんだ!ゆるさんぞ貴様!」


そう言うとグラトニーナは背後から何かを持ちだした。


「見ろこれを!テメェのお仲間だ!」

彼女は捕らえたネラとユイをタケミが見えるように掲げた。


「っ!テメェ……ッ!」


「これから女帝みずからお前に罰を与えてやるぞ」



ここまで読んで頂きありがとうございました!


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