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第54話 グランドオークと一旦お別れ


襲撃してきた勇者たちを撃退したタケミ達は、予定通り祝宴を行うために準備をしていた。


準備がひとしきり終わろうとした所で見張り番がやってきた。


「姫様!里の外になにやら怪しげな女二人組が!」

「あら、随分とお客様が多いわね」


里の正門に向かうと衛兵たちが武器を構えて二人組みを取り囲んでいた。


「はいはい、争うつもりはないですよー」

「こ、この人たちがグランドオーク族、一人一人が凄まじい魔力。それ程の魔力をこんな近くまでこないと感じ取れないくらい抑えるなんて」


それはネラとユイだった。

二人は両手をあげている。



「おー!ネラにユイじゃねぇか!」

声を聞いたタケミは2人に声をかける。


「こちら、もしかしてタケミ様の?」

「ああ、一緒に旅してる仲間だ」


タケミがそう言うと衛兵たちが武器を下げた。


「タケミ様って、ああその様子だともう試練は終わっちまったみたいだな」

「という事は……」


「ここの花婿になった、おれ。はっはっは!」

タケミは笑う。


「初めまして、私はマートルと申します」

「マートルはグランドオークの姫なんだって、めっちゃ強いんだ!」


マートル姫がお辞儀をする。


「みりゃあ分かるよ。ここの中でも別格だからな」

「ど、どうも……」

二人は姫と他のグランドオークをみた。


(これがグランドオークの姫か、想像を遥かに超えてんな。殺し合いになったら今のタケミとユイじゃまず勝てない。姫だけじゃないか、他にも厳しそうなのが何人か……本当によく生きてたなコイツ)


そういってタケミを見るネラ。


(試練のおかげかタケミもかなり強くなったな、また無茶な戦いをしたんだろうな)



「貴女達も素晴らしい能力をお持ちなのですね!それにお美しい!私達は貴女方も歓迎いたしますわ!」


「え、歓迎?」

そういってマートルはユイの手を掴む。


「ええ、タケミ様は素晴らしい方ですもの。当然私達の将来の夫ではありますが、グランドオーク以外の奥様がいても問題ありませんわ、同じ家族として心より歓迎いたしますわ!」


相手の発言の意味を理解したユイは顔を赤くする。


「い、いや!私達は別にそういう訳では!」

「そんな恥ずかしがらずともよろしいですわ」


嬉しそうにそう話すマートル姫。


「本当に気に入られてんだなー。すまないが姫様、私達は次の目的地に向かわないといけないんだ。こいつを召し上がっちまうのはもう少し後にしてもらえないか?」


ネラがそういうとマートル姫はうなずく。


「ええ、その話はタケミ様より聞いていますわ。この会はタケミ様が試練を突破し、花婿となった事を祝してのものです。結婚の儀はまた別の時に行いますわ」


するとマートル姫の後ろから、ベロニカが話しかける。

「そうだ姫様、せっかくですしこちらのお二人もこれからの祝宴に招待されてはいかがでしょうか?」


「それは良い考えね!」

こうしてネラとユイが宴に招待される事に。




「やっほー!私ホットチョコー。あなたの赤髪最高だねー、火炎魔法が得意なんだって?」


祝宴が始まると、ホットチョコがユイに話しかけてきた。


「どうも、火炎魔法は一番まともに使えますかね。ホットチョコさんは?」

「私はねー火炎と大地魔法を合体させた、こんな感じでーマグマのお花」


ホットチョコは手からマグマを生み出し花を作ってみせた。


「ちょっとチョコちゃん、ご飯食べてる時に魔法使っちゃダメってベロニカ様に怒られるよぉ」


今度はディープパープルが現れて、ユイの隣に座った。


「私は氷水魔法と大地魔法を組み合わせて毒作れるんだぁ。でも今やると怒られるから後で見せてあげるぅ」


「そりゃあ毒を飯食ってるとこで出したら怒られるだろうよ」


そう話すネラの腰につけた鎌に、ホットチョコが気がついた。


「あ!それ鎌だよね?私鎖鎌使うんだ、ちょっとみせてよー!」


ホットチョコが鎌に手を伸ばす。

するとネラは一瞬で鎌を取り出し、ホットチョコの首元に突きつけた。


「気安く触れようとしないことだな、人の得物に」


「え、何それチョーカッコイイじゃん!今度私も使お、そのセリフ!」

両手を上げた状態でホットチョコは笑った。


「もーネラはすぐそうやって……ん!このご飯美味しい!」

「本当?味付け担当私なんだぁ、嬉しいなぁ」

「私が肉料理作ったよ!」

「私お魚料理!」

ユイのコメントに反応して他の調理担当の者たちが集まってきた。


「あ、毒は入ってないから安心してね。試練じゃないから、欲しかったら作ってあげるけどぉ」

「い、いや結構ですディープパープルさん。でもどんな調味料使ってるんですか?」


ユイはディープパープル達と料理の話で盛り上がっている。

 

「みんなさん楽しそうですね」

「ああ、ネラも意外と馴染んでんな。なんでか武器出してるけど」


タケミは宴会全体を見渡せる場所でマートル姫と共に座っていた。


「ふふふっ、流石タケミ様ですわ、素敵なご友人をお持ちなのですね」

「そうだな」


こうしてタケミ達は宴を楽しむのであった。



翌日、タケミ達は旅支度をすませ、里の正門にいた。


「本当にコイツ連れてっても良いのか姫さんよ?もう200年探してたんだろ?試練を突破できるやつ」

ネラがマートル姫にそう尋ねる。


「ええその通り、タケミ様は私達の理想を形にしたようなお方です。私達にとってかけがえのない御方です。だからこそタケミ様の意思を尊重したいのです」


姫はそう答えた。


「言っておくが命の保証はできねぇぞ。もう知ってると思うがコイツはただでさえ自分から死地に飛び込むような奴だ」


「それも既に存じ上げております」

「死ぬかもしれねぇんだぞ」

ネラが念を押してそう言うとマートル姫は小さく笑う。


「ふふふ、死ぬことを前提に送り出す花嫁がどこにいらっしゃるのでしょうか。ネラ様はお優しい方なのですね」


「そうかい、肝の据わった姫様だな」

マートル姫の微笑む顔をみて、ネラは頷いた。


「じゃあな、みんな元気で!」

「タケミ様もどうか旅路が素敵なものになりますように!」


こうしてタケミ達はグランドオークの里を後にした。


「さあベロニカ!みんなで花嫁修業よ!」

「そうですね、修行を全て終えられてからもう180年以上は経過してますから、復習しましょうか」




それから数日後、タケミ達は物資を補給する為に途中の街に寄った。

食料自体はマートル姫達から貰っていたが念のための補給……だったのだが。


「次の街の途中で物資調達するんだよな?」

「この町で……だよね?」

タケミとユイは町をみてそういった。


「ああ、そのつもりだったが、こりゃまずいかもな」

頭をかくネラ。


「どういうこと?ここってゴーストタウンとかじゃないよね」

「ああ、微かだけど人がいた匂いは残ってる。2,3日前まで人はいたはずだ」


そうユイの質問に答えるタケミ、町は不気味な静寂に包まれていた。


「誰もいねぇ」


町の中をしばらく散策するが人もいなければ食糧も一切がなくなっていた。

これだけなら町の人々がこの場を捨ててどこかに移住したと考える事もできるだろうが、どうやらそうでもないようだ。


「馬はいないが馬車は残ってるな。あと気になるのはこれだな」


タケミは周囲に散らばっていた一枚の布を拾い上げる。

それは人の衣服だった。


「どこもかしこも服や靴だけ残ってる。動物が入ってた檻に鍵はついたまんまだし。どうなってんだ?」

「変わった魔力の痕跡はあるんだけど、これかな……なんなんだろうこの魔力」

タケミとユイが周囲を調べている。


すると一瞬ネラは頭痛に襲われる。


「っぐ!……ああ、そう言う事かよこれは急がねぇとな。おい!二人共行くぞ!」


そういってネラが突然走り出した。


「なんか分かったみたいだな!行くぞユイ!」

「え?なになに急に?ちょっと!」


タケミとユイも続いて走り出した。


この町で何が起こったのだろうか、そしてネラは一体なにを知ったのか。



ここまで読んで頂きありがとうございました!


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