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第42話 デカすぎる隠遁者


タケミ達は今街の外を歩いていた。

その隣に黒兎のクレイピオスも歩いている。


「なあお前、カヅチ・タケミって言ったか?」

「ああ、そうだけどなんだ?」

「フォルサイト様と戦ったって言ってたな、どうだった?」


クレイピオスが質問をして来た。


「そりゃあめちゃくちゃ強かったよ」

「やっぱりなー!!だろーー!!そうなんだよフォルサイト様はすっげーんだ!」

タケミの答えに気を良くしたクレイピオス、彼の背中をバンバン叩く。


「ああ、パワーもスピードもあって、まだまだ底がみえねぇよ!そうだ!これ終わったらよ、3人で闘わねぇか?」

「いいだろう!フォルサイト様には土煙すら被らせないでお前を倒してやるぜ!」

何やら二人は盛り上がってる。


「ま、私はコイツの首切り落としたがな」

ネラがボソッと二人の後ろでつぶやく。


「何をォォ!!!キサマァァァァッ!」

「姉さん、やめて、落ち着いて!」

飛び掛かろうとするクレイピオスを抑える弟のアスタム。


そんなやり取りを一歩引いた所でみていたユイ、マリスそしてフォルサイト。


「何やってんだか」

「クレイはフォルの事が大好きだからな。一緒に戦う時は必ず、毎回欠かさずに、記念とか言ってフォルが砕いた岩とか集めてたりするんだ。初めて見た時はちょっとキモくてひいた」


少々呆れた様子でそう話すユイとマリス。


「ふふふ、ネラ様との闘い、あんなゾクゾクする体験は初めてでしたよ」

フォルサイトはネラとの戦闘を思い出して頬を染めていた。



そんな話をしていると、タケミ達は商人の男が被害にあったという場所に到着した。


「おー本当だ、馬車とかがぺちゃんこだ。この赤っぽいシミみたいなのも。巨人かー、どんくらいデカいんだろうなー」

「興味深々だな。でも私の鼻には、お前らとそこで潰れてるもんの臭いしかねぇな」

「本当にいるか分からないですよ?あの商人の男は錯乱してる感じでしたし」


タケミ、クレイピオス、そしてアスタムの三人が先頭で周囲を見渡す。


しかし巨人どころか周囲には背の低い木々があるだけで何もない。


「マリス先生、巨人ってそもそもいるものなんですか?」

「うーん、連中はもうかなり昔に滅んだしなー。私も見た事はあるんだが、だいぶ昔の話で殆ど覚えてないんだよな、あの頃は海に住んでたし」


ユイの質問にマリスが答える。


「傭兵の人たちが一瞬で潰されたんですよね?そんな巨大ならかなり目立つと思いますが……おや?」

「巨人ね……ん?」


フォルサイトとネラは同じ方向に目を向ける。

するとその少し後、視線の先に黒いローブを着た者が何もない空間から現れた。


「誰だ?」

「気を付けてください、女神です」

「でもなんか妙だな、魔力の流れが変だぞアイツ」


タケミ達もその者に気付く。


「天に御座します、わが主である神々よ、どうか彼の者に導きを」

天を仰ぎ何やら話している。


「おい!お前!やめろ!」


ネラがその者に何かをやめさせようとする。

相手は何本もの瓶を取り出し飲み始めた。すると身体にヒビが入り、炎がそのヒビから噴き出す。


「エリクサーか!いきなり出たな!」

「なんて魔力量!完全に許容量を超えてる!」

マリスとユイが槍と杖を構える。


「あああ!主神様!その大願のために我が身を、そして我が魂を捧げます!」

女神はそう叫ぶような祈りを捧げると、灰となりその身体は崩れていった。


「なんか勝手に燃えたぞ?」

「分かんねぇのか?生贄になったんだ、何かくるぞ!」

クレイピオスはタケミにそう言って盾を構える。


「まったく女神というのは!」

アスタムも剣を取り出した。




空中に白い光を放つ渦が発生する。


渦から巨大な腕が出て来た。


「よく分かんねぇが……!」

ネラが現れた腕に斬りかかる。


「ッ!!硬てぇな!!」

彼女の鎌が巨大な腕に触れる前に彼女はそう呟く。


鎌を斬りつけた、しかし腕には傷ひとつ付けられなかった。


「―――――ッッッ!!!!!」

周囲が大きく震える程の咆哮が轟く。


「うるせっ!」

思わず耳をふさぐタケミ。


今度は巨大な足が現れる。


「おっと!」

ネラは踏みつぶされないようにその場を飛び退いた。


「これが……?!」


ユイがその姿をみて驚愕する、隣でマリスが頷く。


「ああ、どうやら本当だったみたいだな……あれが巨人だ」


その者の手は一般的な家屋であればたやすく内に収められる程で、足は一踏みで馬車の3台ほどは潰せてしまうだろう。


「ひゃーでっけー」

「これが巨人かー初めてみた」

「それに想像よりもデカいですね」


タケミと獣人姉弟も巨人を見上げて驚いていた。


「あれ?腰に布つけてるけど、こいつ股になんもねぇぞ。珍しいな」

「本当だ!巨人ってオスやメスはいないのか?変なの」


巨人の股間を指さして、タケミとクレイピオスが話す。


「今の流れで気になるのそこ!?」

「どこで意見合ってるんですか!」

ユイとアスタムがツッコミを入れた。



巨人は木のような模様を持つ布を腰に巻き付けており、巨大な金属製と思われる兜も被っていた。印象としては軽装の戦士のそれだ。


タケミ達を認識した巨人は拳をふり下ろした。

回避したタケミ達、空振った拳は地面を割り、大地を揺らす。


「流石に巨大なだけあって一挙手一投足の規模が違いますね。どうやら敵意をもって攻撃してきているようですし。ここで相手してしまいましょうか」


フォルサイトが皆にそう話す。


「ああ、さっきの女神の件といい、コイツにはまだ何かある。油断するなよ」

ネラもフォルサイトの意見に賛成のようだ。


「よーし!ようはコイツ倒せば良いんだな!」

「ふふん!フォルサイト様にいい所見せる大チャンス到来!」


話を聞いたタケミとクレイピオスがいの一番に駆け出した。


「とりあえずぶっ叩くッ!!」

「自慢の脚をくらえッ!」


二人は飛び上がり巨人の顔面に一撃を叩き込んだ。


大きく後ろに下がる巨人。


しかし巨人も殴り返す。


「おっと!」

クレイピオスは魔力を固めた足場を作り、これを蹴る事でその場を脱出した


「え?!おれそれ出来ねぇんだけど!」

タケミだけがこの攻撃を受けることに。


そのまま巨人の拳ごと地面に叩きつけられるタケミ。


(あの一撃が直撃、ただでは済まない!早くいかないと)

アスタムはそう思いタケミの元へ行こうとした。


「気にしないでアスタム君、どうせ大したこと無いから」

後ろからユイが彼を呼び止めた。


「え……?」

もう一度タケミの方に目を向けると、何事も無かったかのようにタケミが起き上がっていた。


「えええ!!?無傷!?」


「何ボサっとしてんだ、アスタム。お前も手伝えよ」

マリスにそう言われ、再び巨人の方へ向くアスタム。


「とりあえずあいさつ代わりに行くぞ」

「はい、先生!」

マリスとユイは炎の弾を放った。


「ならば自分も!」

アスタムも剣に白い炎纏わせ放つ。


炎弾は合体し巨大な一つの球体へとなった。


「これでは私達の出番が~っと思いましたが」

「ああ、まだあるな。でもなんだこれは?」


巨人はなんとその炎弾を躱した。

ただジャンプしただとか横に転がったとかではない。


瞬時にマリス達の背後に回り込んだのだ。


「瞬間移動だと!」

「魔法の発動はなかったのに!?」

「まずい!」


巨人が手を振りかざすと、先ほどマリス達が放った物と同等かそれ以上の巨大な炎弾を生み出した。


「お二人共!下がって!」

アスタムは白炎で壁を作りその炎弾を防いだ。


「ナイスフォローです!アスタムさん!」

「あとは私に任せろ!」

フォルサイトとネラが白炎を飛び越えて巨人に接近する。


「破砕一鉄ッ!」

「デッドクレセントッ!!」

フォルサイトの棍棒の一撃、そしてネラの黒炎の一振りが巨人を襲う。


しかしすぐに巨人を襲う黒炎は消えてしまう。


「なんと、ダメですか」

「マジかよ」


巨人は反撃の一撃を繰り出す、今度は雷を放ってきた。

二人はそれを事前に察知し、回避したものの二人は困惑していた。


「おい、ユイ今の炎と雷」

「はい、全然魔力を感じなかったです。純粋な炎や雷を生み出すなんて」

マリスとユイもまた巨人の攻撃を見て驚いていた。


「加えて先ほどの移動方法、なんの前触れもなくあの距離を瞬時に移動できるなんて。巨人というのは魔法に長けていたのですか?」


アスタムはマリスに聞く。


「断定はできないが、魔法の類じゃないように思える。古代の魔法、それらは巨大な肉体と膨大な魔力を持つ巨人だから扱えたと言われる程に強力なものばかり。それを生み出したのは巨人だ。だけど今のはそういうんじゃ説明がつかない何かだ」


マリスはそう答えた。魔法の扱いに関して言えばユイは当然、バアル・ゼブルにも匹敵する程の知識と経験そして才能を持つマリスでさえ、巨人の行動を説明できずにいた。


「フォルはどうみる、今の」

「そうですね、私の目にも今の動きを説明できる決定的なものは映りませんでした。肝心な部分に靄がかかって見えないような」

「先に断っておくが私にも分からねぇ。まさかあの黒炎も効かねぇなんてな」


フォルサイトとネラも何が起きているか説明づける事はできなかった。


「こりゃあ、カラクリを解かねぇと厄介だぞ」


ここまで読んで頂きありがとうございました!

今後も投稿していこうと思うので評価、コメントなどして頂ければ励みになります!

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