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3.vs処女

 幸せは歩いてこない。

 じゃあどうすれば良いんですか?


「ただいま」

「あ、お帰り」


 アパートに帰ると、乙姫は落とした生卵の様に、だらしなく畳に寝そべっていた。

 昨日と同じTシャツと短パン姿なあたり、風呂にも入って居ないのだろう。


「小林さ〜。最近よく出かけるけど何してるの?」

「バイト」

「ほえ〜なんで? お金ないの?」

「そう。ウンコ製造機が居るせいで、貯金の減り具合が芳しくないのさ」

「大変だねぇ」

「犯すぞボケナス」

「は?」


 乙姫は怠そうに立ち上がると、特に何も言わず俺の腹にパンチした。

 相変わらず痛くはないが、果てしなくムカつく。


「なぁ〜お前もう帰れよ〜。2ヶ月以上居候してんじゃ〜ん」

「酷い! この人でなし! 私のアナル処女を奪っておいて! 私は帰らないからね! っていうか美少女がいて嬉しいでしょ! ありがとうは!? ほら感謝の言葉は!?」

「うぜぇよぉ〜! 帰って欲しいよぉ〜!」

「かーえーりーまーせーんー」


 いくら可愛くても、性格が残念だから本気で帰って欲しい。金もかかるからもうヤダ。

 本当ならあと1年くらいは余裕でニート出来たのに、なんで自称92歳の乙姫の為に働かなくちゃならんのだ。


「まぁいいや。とりあえず飯買ってきた。食うぞ」

「わーい。今日は何かね?」

「ハンバーガー」

「私のは何バーガー?」

「フィッシュバーガーセット。サイドメニューはポテト、ドリンクはメロンソーダで宜しいでしょうか?」

「やるじゃん。後でおっぱいとアナル好きにして良いよ」

「そりゃどーも」


 乙姫は腹が減って居たのか、勝手に袋を漁ってフィッシュバーガーを美味そうに食い始めた。

 まぁ良いんだけどね。良いの? 良いの。そっか。

 俺も食おう。


「あー死にてぇ」

「出た、いつもの病気。草生えまする〜」

「ほっとけ」

「ご飯食べながら死にたいって矛盾してるよね」

「人間ってのはな、矛盾を抱えて生きてるんだよ」

「浅いなぁ。死ねば良いのに」

「うるせぇ犯すぞ」

「ひょえ〜」


 バイトして、飯食って、アナルセックスして、あとは寝るだけの生活を約1ヶ月。

 思えば毎晩の様にアナルセックスしてるのに、この女のマ○コを一度も見たことがない。

 いつもいつもご丁寧に隠しやがって。本当にマ○コ付いてんだろうなぁ?

 もしかするとチ○コが付いてるのかもしれない。

 もしかするとっていうか、マジでワンチャンあるぞ。

 え? もしかして俺、チ○コ付いてる奴とやってたの? ほぼホモセックスやん。いくらおっぱいがあったとしても、チ○コが付いてたら、それはもう男だよな?

 ちょっと待ってよお兄さん。金返せ!


「お前チ○コついてんの?」

「チ○コ? え、犯すよ?」

「やっぱチ○コ付いてんのか。そのチ○コで俺のアナルにイタズラしようったって、そうはいかないからな」

「あのさ。どういう経緯で私にチ○コが付いてると思ったか知らないけどさ。こんな美少女にチ○コ付いてたらそれはそれで良くない? おっぱいもアナルもあるし、おまけにチ○コもあるんだよ? お得感ハンパなくない? チ○コだよ?」

「確かに。お前頭良いな」

「えっへん」


 めずらしく言い負かされた。

 そうか、そうだよな。

 こんなに美少女にチ○コが付いてるのなら、別にマ○コなんて無くても良いじゃないか。むしろチ○コ付いてた方がプレイの幅が広がるしな。

 俺にそっちの趣味は無いが、美少女のチ○コなら気にならない。


「うっし。しゃぶってやるからチ○コ出せ」

「は? 無いけど。馬鹿なの?」

「じゃあアナルセックスの時に隠してるのは何なんだよ?」

「おマ○コだけど」

「え〜おマ○コかぁ。じゃあ良いや」

「いやいや、なんでテンション下がってるの? ホモなの?」

「ホモちゃうわい」

「じゃあ喜びなよ。喜んでおマ○コしゃぶりなよ。私だってチ○コしゃぶってあげてるんだからさ。アナルじゃなくておマ○コをしゃぶりなよ」

「正論だな」


 そう来たか。今日の乙姫はつくづく賢い。

 まぁここまで勿体ぶられて、今更マ○コをチラつかされても大した事はない。

 だが今後一緒に生活する為にも、コイツの股間に付いているのがチ○コなのかマ○コなのかは、確認しておいた方が良いだろう。


「よし乙姫。マ○コ出せ」

「やーだね」

「お前さっき俺のこと殴ったよな? サイレント乙姫パンチしたよな?」

「げっ。覚えてたんだ」

「うん。よって、俺にはお前を犯す権利があるのよ。アンダスタン?」

「あーあ! 私の処女も今日までかぁ!」


 テーブルにポテトを広げたまま、乙姫は大の字に寝転がる。

 相変わらず覚悟だけは決まってるな。

 

「あ、ちょっと待って小林」

「なんでしょう?」

「一応さ、初めてのセックスは好きな人と、綺麗な格好でって決めてたんだよね」

「なるほど、それで?」

「私の着物どこやった?」

「あー売った」

「マジ!? いくらだったの?」

「端金だった」

「一応お気に入りだったんだけど」

「ごめんね」

「ん〜。まぁ、いいよ」


 お互いに暫く無言のまま、俺は取り敢えずポテトを食べる。

 流石に着物を売るのは申し訳なかったかな。

 とかまぁ、柄にもなく心苦しさがあるけど、今は別に良いだろう。

 それよりも、今のうちに告白しなきゃいけない事がある。


「あの〜乙姫さん?」

「何かね小林くん」

「実は俺、小林じゃなくて高橋なんだよね」

「え、嘘ついたん? なんで?」

「初対面の怪しい女に本名伝えるほど馬鹿じゃないもんで」

「ほえ〜驚愕。本名は?」

「高橋巧」

「じゃあいいや、巧って呼ぶね」

「うん。お前の本名は?」

「メリー・サラ・キラキラ・ラブミー=乙姫」

「こわっ」

「ひかえろ〜!」

「はは〜」


 乙姫は乙姫で良いか。

 名前はそこまで重要じゃないだろう。

 彼女は天井の一点を見つめたまま、動こうとしない。

 ポテトも大体食べ終わったし、本名も教えたし、あと何かすることあったっけ? 

 ないよ。そっか、ないか。


「じゃあ、まぁ、するか」

「お好きにどーぞ」


 テーブルを移動させても乙姫は特に動く様子もなく、瞳だけで俺を追いかけている。

 いつもこうだ。事が始まれば積極的になる癖に。


「失礼します」


 シャツの下から手を入れて、ゆっくり短パンをずり下ろす。相変わらずパンツは履いていない。

 いつもの癖か、一瞬局部を手で隠そうとしたが、上がった腕を再び畳に付けたので、覚悟は決まっているのだろう。


「うわ、めっちゃ濡れてんじゃん」

「黙れ小僧」


 初めて見る乙姫のそこは、変な形のアナルと違いピッタリ合わさっていて、とても綺麗だ。

 その割れ目から透明な液体が溢れ出していて、まぁなんともエロい。


「ねぇ巧」

「何?」

「ほら、私って処女じゃん?」

「知らないけど、それで?」

「いやほら、初めてする時って、めちゃめちゃ痛いらしいじゃん?」

「らしいな。それで?」

「私たちって、チューしたことなくない?」

「無いね」

「して」

「いいの?」

「うん。頑張れる気がする」

「痛い時は無理しなくていいよ。勝負じゃないんだし」

「自分との勝負かなぁ。負けないけど」

「なるほど」


 ここが正念場だ。

 頑張ってくれるなら俺も頑張ろう。

 それにしても、よく見ると本当に可愛いな。まるで人間じゃないみたいだ。

 まぁ、そんなことはどうでも良いか。

 そろそろ始めよう。

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