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86.お馬さんを見に行く約束をした

 新しいお洋服をアモンが持って来てくれた。ヒラヒラしたスカートの服ばっかり。あと、お馬さんと豚さんのお洋服も入ってた。動物の格好の服を着ぐるみと呼ぶんだって。


「また着ぐるみか」


「これは可愛くて小さい子しか似合わないんだから、カリスちゃんにピッタリじゃない!!」


 全力で力説するアモンは、にこにこ笑ってる。パパも反対しなかった。僕はどれでも着るよ。お洋服可愛いと、皆が撫でてくれる。嬉しいから。


「今日はこの縫いぐるみ抱いて、そうよ。ほら、馬も可愛いわ!!」


 人参という野菜の縫いぐるみは三角で細長くて、綺麗なオレンジ色だった。これが食べる時に切って入ってる人参と同じなの? きょとんとしながら馬の着ぐるみで人参を抱っこする。


「可愛いことに異論はない。カリスなら何を着ても可愛い」


 パパが褒めるから、顔がへにゃっと崩れちゃう。嬉しくて笑っちゃうの。人参を抱っこしてない方の手を伸ばしたら、すぐに抱き上げられた。馬は茶色に白の模様が入ってる。頭の部分と背中の長い毛と足のところ。


「こういうお馬さんいるの?」


「ああ、明日は休みだったな。馬を見に行くか」


「やった!」


 パパとお出かけだ! お馬さんは大きいけど優しい動物だって、絵本に書いてあった。僕が知ってるのは馬車を引いてるお馬さんだけど、絵本の騎士や王子様は直接背中に乗ってたよ。僕もパパと一緒に乗せてもらえるといいな。


 お馬さんに会いに行く時は、違う服で行こう。仲間だと思ったら違うなんて、可哀想だもん。アモンは何度も僕を見て満足そうに帰っていった。手を振ってバイバイした後、僕とパパは一緒にお風呂に入る。


 体を洗って、髪も洗う。綺麗になったら湯船に浸かるの。これは贅沢なことだと聞いた。僕はお風呂が大好き。パパと触れ合えるし、すごく気持ちがいい。お風呂の後にいい匂いがするのも嬉しい。


「たくさん数えられるようになったんだよ」


「ぜひ聞かせてくれ」


 1から順番に数える。5から後ろが難しいの。


「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10……うーんと、11、12、14、あれ?」


 パパに言われてもう一度数えた。今度は手も使って指を折る。この方法はプルソンが教えてくれた。


「11、12、13、14、15! 出来た!!」


「さすがは俺の息子だ。よく頑張ったな」


 パパがキスをくれる。嬉しくて擽ったくて、ぎゅっと抱き着いた。僕が何か出来るようになると、皆が喜ぶ。今までそんな経験したことなくて、擽ったくて幸せになる。胸がじんとするんだ。


「カリス、何があっても幸せにしてやるからな」


 変なパパ。どうしたんだろう。少し苦しそうな顔だよ。ぺたぺたと両手でパパの顔を触ったら、擽ったいと笑った。いつも僕と一緒に笑ってて欲しい。大好きなパパ。何があっても、僕はパパがいれば幸せだよ。

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