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171.昨日の明後日は今日の明日?

 今日はパパと一日遊んだ。朝はベロのお散歩をして、池のお魚に餌もあげる。それからお絵描きしたんだけど、パパも一緒に描いたの。僕達の絵の後ろに、お城も描いた。


 お昼寝も一緒だった。お部屋の中じゃなくて、パパに抱っこされてお外で寝たのは初めて。風が気持ち良くて、上を見たら葉が揺れてた。うとうとした後で、ぐっすり寝てたみたい。起きた僕の上にベロが乗ってた。パパに渡されたお茶を飲む。


 すごく気持ちよかったよ。パパと一緒だったのが嬉しい。ベロを抱っこすると、その僕をパパが抱っこした。お風呂に入ってベロを洗い、僕も頭と顔を洗う。体を洗おうとしたら、パパが手伝ってくれた。


 お風呂に浸かって、夕飯は何かな? って思う。ゆらゆらするお湯を掬って見ていたら、タオルが沈められた。大きな頭があって、押すと空気が出るの! ぶくぶくと音がするタオルが嬉しくて、何度も沈めて遊んだ。


 ぼうっとする前にお風呂を出て、一緒に着替える。僕は自分で体を拭けるようになったの。ごしごし拭いたら、髪をパパに乾かしてもらう。魔法でやるから早いんだよ。ベロも乾かしたパパが、ストンと着られる服を差し出す。頭の上に用意された服に両手を通して、頭の位置を合わせて被った。


 ようやくお着替えが終わり。ベロは毛皮着たままお風呂に入るの、狡いよね。僕も服を着たまま入ろうと考えたけど、パパがダメと教えてくれた。服も僕もバラバラに洗う方が綺麗になるの。ベロは脱げないから仕方ないんだ。狡いとか思ってごめんね。


 夜のご飯を前に、僕は気づいた。昨日の会議で「明後日は神を封じる」って言ってたよ。昨日の明後日は、今日の明日? 指を使って数える。日にちの数え方はプルソンに習った。今日、明日、明後日……指を折ってもう一度確認する。


「パパ、明日は神の人と戦うの?」


「戦わずに退いてくれたら終わりだが……戦うかも知れん」


 パパは僕に嘘をつかない。だから僕もちゃんと聞くよ。知らないでいて、後で聞けばよかったと思うのは嫌だもん。


「パパも戦うの?」


「そうだ」


「僕は? ベロも」


「一緒だ」


 びっくりした。置いていくのかと思ったから……だって、今日は一日一緒にいてくれた。僕を置いていくから、寂しくないように遊んでくれたんじゃないの?


「カリスと一緒にいたかったから遊んだ。それ以外の理由なんてないぞ」


 嬉しくて、抱きついて「ありがとう」って言って、頬にキスした。パパも僕にキスしてくれる。一緒に行っていいんだね。僕は子どもだし、戦えないけど。でもパパや皆の応援は出来るよ。ミカエル達も戦うって聞いた。今回は皆、仲間なの。だから全員応援する。


「カリスの応援があれば勝つさ」


「うん、頑張るね」


「明日のために早く寝ないと、朝起きられないぞ。食べて一緒に寝よう」


「ベロもベッドに乗せていい?」


「ああ。そうだな、カリスがそうしたいなら構わない」


 わんっ! 話を聞いてたベロが興奮して鳴く。今日は一緒だよ。用意されたベロの器を下に置いて、いっぱい撫でた。長細いパンを切って、スープに沈める。それを食べると柔らかくて美味しかった。スープを吸ってるパン、僕は大好き。


 臭いバターが塗ってある左側は、パパの分。でも少し分けてもらう。右側の塗ってないパンもパパと半分こした。


 一緒にベッドに入って、ベロも僕の枕の近くで丸くなる。眠りかけた時、僕は慌てて起き上がった。


「どうした?」


「明日のベロ、このままだと負けちゃう!」


 わん、わん! ちゃんと大きくなるの? じゃあ大丈夫だね。ケガしないで帰ってこようと約束して、今度こそ目を閉じた。誰もケガをしたり、痛い思いをしないといいな。僕、いっぱいいっぱい応援するね。

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