解毒
「嫌だ マリーン いかないでぇー」
カイト おねがい マリーンを助けて、、
「カイトォ、、」
カイトの指輪を マリーンの唇に当てるクロス
冷たい赤い石の 感触、、
マリーンの口が かすかに、動く
お母さんが、見逃さなかった
マリーンの口に、採出した お茶と 灰の煮汁を、流す
飲んでマリーン
「マリーン!」
僅かだけれど 飲んだ、、
口が 喉が、、動いた
息を吹き返す、、マリーン
マリーン聞こえる マリーン
「、、、」
「ゆっくり飲んで、、」
「良かった口が動いて、、」
だめかと思った、、
神かぶとの
解毒湯が、届いて
なんとか 飲むマリーン
息も 少し 穏やかになる
後は解毒湯が 効いてくれれば、、
ミツキ様の 噂の3人目の犠牲者に ならないで 済む
「発作の後の1時間が 勝負だった 」
「明日の朝の出発は 無理だ
マリーンが回復するまで 待とう」
「コウさん サキさん ルイさん
ありがとうございます」
お母さんが 膝を崩して泣いた
「南部の城の中に 神かぶとの毒と お茶での解毒を
扱う人間がいるとは 驚きだ」
「ミツキ様が、関係しているの?
そんな ひどい人には 思えなかったけれど」
「ノア様も 誰かからマリーンに
飲ませるように 言われた だけかもしれないし、、」
「犯人は、特定できないが 思い通りに動かない者は
解毒の茶を 飲まないと
自然を装って 消していくとは、、
死人に口無しで 南部では 他にも 犠牲者が 居るかもしれない」
「お城って 怖い所だなぁ」クロスが呟く
解毒湯が 効いたのか、
次の日は 重湯も食べられて 回復するマリーン
「 白華糖は、マリーンの体に 合わないで、大変だったのよ
変わったものは、飲まないで 慎重にね マリーン」
「わかったわ お母さん」
マリーンが、毒を もられていたと 知ると 傷つくと思い
注意だけにしておく リン
「あなたの様子見て 出発を決めるわ
休戦で、国境も 緩やかに なったそうよ」
ホクリュウも、、お父さんも もう都に 戻ってカイトに会ったかな、、
数日後 隣国に出発する マリーン達
コウさん達が 国境近くまで 護衛で
織物業者の行商として 連れ立つ
1台の馬車と数頭の馬 マリーンの一行が 浜辺を 出た後に
コウさんの仲間が 浜辺家の近くに
「マリーンここに死す」 と、刻んだ 十字の、墓を 建てた
誰もマリーンの 行方を探さないように
動物の骨を埋め
マリーンの、消息を絶ち 隣国に 行った事を 知られない為の墓。
マリーンは、念の為 コウさん達と馬車に乗り
その後ろを 行く クロス達
「お母さんの田舎って 鳥の島の近くで、南なのに どうして北に行くの」
「コウさん達の 仕事の都合で 遠回りしていくの
黙って付いて来て、お願いよクロス」とリン
「うん、わかった
マリーンも、カイトに会いにいくのに最初南に行ったし 都合があるんだね」
1日2日は 街道の宿に泊まる
3日頃になると
道は ホクリュウの数万の兵士たちが 通ったらしく
広く続くが 家並みも 宿も 少なくなる
この国 最北西の小さい宿に、泊まり
お母さんとコウさんが 地図を見て 相談に入ってる
最後の2時間は 厳しい山道で 馬が、、
ここと ここが一番狭くて、、
コウさんが 縄を出して説明してる
「私達は、、この近くで、、」
なんだか 難しそうな話をしている
翌朝
朝食の時 宿主が
「この前も2日程 泊まってくださった布屋のコウさんだね」
「はい、お世話になります」
「ここで長く宿を しているが
こんな寂れた所に 常連以外は
役人様は1年に1度くらいは 来るぐらいなのに
この前 この国の兵士が 数十人も来て
それも 強そうな兵士ばかりで
森に入っていったが
帰って行った姿を 見てないんだ」
「ここまで 兵士が、、」
「もう10日も、前だから 大丈夫と思うが
あまり奥に行かずに 仕事の草木染めに 使う植物を
見つけたら 早く帰ってきなさい」
「はい そういたします」
深い森に入る 方向を間違えたら 迷いそうな森だ
前を行く ルイさんとサキさんが 慌てて戻ってきて
コウさんと、お母さんに なにか報告してる
不安になるマリーンとクロス
ルイさんが先を行き サキさんの、手信号で前に進み
道を 案内してくれた
10m横の 茂みから、横たわる人の足が 見えた
マリーンは 気がついても 黙って
お母さんとコウさんが 慎重に前を行く 森を
前だけ見て クロスと進んだ。
抜けると 崖に出た
北に 伸びる崖伝いの道
30m下に幅の広い川が 流れている
「マリーン クロス、、
実は、、この川の向こうに行きたいのだが
橋が だいぶ前に流されたままで 、、
作られてないんだ、、」
「この川を 渡るの、、」
「この崖を 降りて?」
クロスが
「それで昨日 縄を 出してたの」
ちゃんとクロスも 見ていたんだ、、
「マリーン知ってた?」
「今 はじめて 聞いた、、」
「お母さんの田舎は この川の先なの?」
「この川を 超えた所よ」
「此処から先は 私達3人で 行くの
コウさんたちとは ここで お別れよ」
「念の為に 崖は一緒に 降りよう
川の手前まで行くよ」
「ここで 見送ってくださっても 結構です」
「いや ここまで来たから 荷物持ちでも もう少し役に立つ」
ルイさんとサキさんが 太い木に 縄をかけて
下に 長く垂らす
「私が先に行くから 同じように降りてきて」
「マリーン クロス リン殿の 順番だ」
マリーンに 命綱を つけるコウさん
時々崖の石が滑り 下に落ちる
コウさんが最初に 崖の下についた時に
急に 雨が降り出して 強風が吹き
ひょうまで 落ちてきた
「山の天気だ 変わりやすい」
5cmの、大粒のひょうが 落ちて来て
河原の石に 当たって40cmの高さまで 飛びはねる
カツン カツンと 石に当たって すごい音が響く
頭に まともに当たれば 怪我をする
「少し先に 洞窟があるから そこで雨宿りしよう
2,30分で止むだろう」
「大丈夫かい 3人共 崖を降りるの上手いな」
「、、、、」
なにか 洞窟の奥で、、
「洞窟を、住処にしている 動物かもしれない
刺激しないように 静かにしてよう」
クロスが 奥まで 見に行こうとする
「好奇心旺盛を 褒めてしまったからな
この短剣を 持っていきなさい」
と クロスに投げるコウさん
パシッと受け取って
ソロリ ソロリと 洞窟の奥に進むクロス
帰ってこない
コウさんが 気がつく
「そうだ 来る途中にも 兵士の死体が いくつも転がっていたんだ
やばい 10日も前だし 崖を降りて安心してしまった」
兵士の死体が やはり マリーンが 森で見た 足は、、
3人が 洞窟の奥に 入る
「クロス、、」「クロス、、どこ」
クロスが 居て 動かない
「どうしたの」
クロスの前に 大きな、、人間の死体
血の中に横たわる 真っ黒な物体が、ひとつ転がっている
全身血まみれで 大きな傷あとが いくつあるだろう
身動きしない
顔を隠す鎧から
わずかに顔が 見える、、
「お父さん、、、?」




