カイトの居場所
「カイトは お父さんの、家に居ないの?」
「今は、城に居るんだ」
「お城に カイトが?」
「この家か、お城か どちらかで 待っていてくれ
私は 着替えてくるよ」
お父さんの 着替えの準備を ムツミさんが 世話をしている
マリーンもクロスも なぜだか見ていられない
目線をそらす
お父さんと お母さんの 2人の 姿を、まだ、思い出してしまう
向こうの 隣の部屋で 着替えるリュウ
「エイキは、無事なの?」ムツミさんの声が聞こえる
「大丈夫だ、、心配ない」
ホクリュウとムツミさんに、確か子供が居たと、、聞いた事がある、、
クロスは、、
着替えの済んだ 父の姿は
本当に凛々しくて引き締まって 優しかった目が 前より 厳しくなっている
「着くのが遅くなって お城の王様達を 私が、待たせているんだ
時間がなくて すまない」
「お父さん お城で 待っているよ 僕達」
「そうか、 終わるまで 悪いが 待っていてくれ 必ず連絡するよ」
マリーンとクロスの 髪を なぜてくれた
手がゴワゴワして 隣の国との争いの中 大変なのが うかがえる
父も居なくなり カイトも居ない
ムツミさんがいる この大きな お屋敷
居心地が、、自分たちの居場所が 無いように感じ
2人は ホクリュウの家を 後にする
ムツミさんは 引き止めなかった、、
門の外に 出て すぐにクロスが、マリーンに 抱きついてきた
二人は ただ ホクリュウの家の 外の壁に もたれていた。
父の育った家を すぐに 離れがたい、思い
なんとも言えない気持ちの 整理をするのに 時間がかかった
父が 元の 自分の場所に 戻ったのだけは 分かった
私達を 大切に育ててくれた あの大きな人は
今は 国や多くの兵を、助けるために 動いてる
私達を 大切に育ててくれた その深い思いと、同じで
きっと、兵士たちに 接しているのだろう
お父さんは もう自分の道を 進んでる
私も もう自分の力で、自分の道を 歩く時なんだ
クロスは、、
私より幼いクロスは 何を思っているんだろう、、
何も言わずに、一点だけを 見ている様な 瞳のクロス
ただ、私は、そばにいる事しか できないけれど
お城に戻り
お父さんの 連絡を 待つ2人
時間がゆっくり流れる
二人の時間の 流れの中で
マリーンは、やっと 姉としての 声が出た
「お父さんが元気で 良かったね クロス、、」
「、、、、、 うん、、
カイトは、お城に居るって言ってたのに
どうして、会いに来ないの 僕達に、、」
「お父さんと同じように きっと
なにか 理由があるのよ、、」
「どんな?」
「わからない、、
けれど、、私、、
覚悟してる、、
お父さんと同じように、、
何かで、戻れなくても、、」
「マリーン」
「元気でいれば 良い、、」
涙が、あふれる
声を 出さなければ 涙は カイトの思いは 我慢できたかしら
「僕は、そばにいるよ
マリーンの そばに ずっと居る」
「クロス、、」
弟の 前で 泣くなんて、、
ホクリュウの、
今さっき マリーンを馬に乗せてくれた人が、来た
「ご案内します」
2人は お城の東棟から
長い廊下を 渡り
本棟の、一室に案内される
「ここで お待ち下さい」と、下がっていく
マリーンは その部屋が
王様や シバと 会った 近くの部屋なのが 分かる
そして、部屋の作り 雰囲気で 誰の部屋かも
ホクリュウの部屋も ミツキ様の部屋も
それとなく分かるように、、
この お城の この大きな部屋の、、、主は
足が崩れるマリーン
「マリーン 大丈夫?」
「うん、大丈夫、、」
「 ここは、お城の お父さんの 使ってる部屋かな?
どう思う マリーン?」
「、、、、誰かの 部屋なのかな、、」
「誰の?、、」
顔を 見合わせる2人、、
まさか、、と思う クロス
部屋の外で 何人かの足音が あり
何人かの 足音が 去っていった
静かに、部屋の扉が開き
一人の、装いの良い 青年が、入ってきた
服装は 立派だけれど
ひと目で、誰か分かった
見間違うはずの ない カイトが居た。




