後場の試合
ミア姫の肩に かかったカイトの手に、力が入った
カイトを 見上げる ミア姫
彼の瞳は、、力強くて 魅了される、、
「冬眠から もう、覚めて ここに来ていますから」
どうして こんな 体調の悪い妹を
カイトは ここまで 信用するんだろう
信じられない
「本当に、私は知らないわよ どうなっても」
カイトの意思は 真剣で変わらない
「どうしょうもない 小娘だわ」 観念するミア姫
「すみません」体が 縮まりそうだわ
「カイトが よく遅刻していたのが やっと分かったわ
この娘の 冬眠のせいね 本当に もう!」
「カイト 良いのね このマリーンで 勝てるの?」
カイトが 静かに マリーンに 目を移し 言った
「後場は マリーンで 行きます。」
はっきり答えた
ニックが
「マリーン 頼んだよ」と言ってくれた
「みんな 行くわよ」 とミア姫様の 声が飛んだ
マリーンは 赤い はちまきを きりりと結んだ
「相手も 手強くて 速攻で来るから 油断しないで
流れを掴んで 早めに 行くよ」
カイトが 攻め方を教えてくれた
「いつも通りなら チャンスは有るよ」
いつも通りなら、、
いつも通りと違う自分の体を 今 感じてるマリーン
まだ、心配顔の マリーンにカイトが
ポンポンと、おでこを 叩いた ちょっときつめ
「、、痛い」
「当然だろ 早く いつものように 目を覚ましてくれよ」すまして言う
「遅すぎて 心配したよ」
カイトも昨日 きっと私の、そばに居て
看病で ゆっくり眠って 疲れが取れてない はずなのに
どうして そんな爽やかで 平気で居られるの カイトは
みんなに わからないように マリーンの手を しっかり握る
「カイト、、」
その自信に あふれる いつもの姿に 私は 癒やされる
いつも通りの 元気な自分に なれと
励ましてくれる カイトの手
思いっきり行こう 試合の 間は
朝の 自分のドジを忘れ
今だけに 集中!
「起きちゃえば いつも通りよ」
マリーンの目の色が変わったのを 確かめるカイト
「頼むよマリーン」 優しく 涼しげに響くカイトの声
「頑張るわ カイト」
「大丈夫だよ マリーン 僕がついてる」
「百人力だわ」
「よし 行こう」
そうカイトが 私のそばに ついていてくれる
試合場に進む 赤色チーム5人
マリーンは 気合を入れる
後場の開始
真ん中に置かれた 木まり の、取り合い
カイトの 一瞬の 素早さ
そうよ カイトは いつも誰にも 負けない
どんな時も 正々堂々と輝いている
サンドとマルクが 必死で繋いで
回り込んだ カイトに 渡して
カイトに回れば 誰にも追いつけないわ
相手選手を、一馬身二馬身 離して
昨日の夜の 練習通り マリーンに 木まりを投げる
いつも通り
でも一瞬 ほんの一瞬の差で
マリーンの前で 北家チームが 阻み
木まりを 取られてしまう
「マリーン 頑張れ」
本当に強い相手だ 気迫がすごい
マリーンが 追いかける
相手も早い
お願い ハナ頑張って 追いついて ハナ!
ハナと、息を合わせる
一呼吸 二呼吸 三呼吸 追いついて
四呼吸、五呼吸 、、ほんの少し前で
息を止めて 木まりを 奪う
長柄の、スティクで 器用に動きを止め
後ろの カイトに 送る
バックパスに 観客が どよめく
カイトを マークしていた 人も
まさか そっちから 来るのは 予想しない
カイトが 木まり を持てば
誰も追いつけない
追いついた人居ない たとえ北家チームの人でも
ドッドッドッ カイトが走る 美しい若い騎士が 風を切って
行って そのまま 進んで カイト
ゴール前に カイトを邪魔する人を ミア姫が前に出て かわして
カイトが ゴールした。
わぁあーっと 歓声が起こる
1対2
目標 後1点
「時間が あまりない」
カイトが 必死になる
馬 同士の首が ぶつかってでも 木まりを 取りに行くカイト
馬の汗が 飛び散りそうだ
球馬大会が そのまま
まるで 戦場の争いの如く 激しく厳しく 競い合う
カイト一人に 向こうは1対3で カイトが 取り囲まれる
カイトは 長柄の、ステックで 木まりを 運ぶのを諦め
長柄のスティックで 敵の馬との 距離を 阻み
馬のシューの 蹄で 木まりを 蹴っ飛ばして
前に出て 長柄のステックで 上高く 木まりを 思いっきり 投げ上げる
今 さっきの高さだと マリーンに投げた 木まりは 邪魔されて
北家チームに 奪われたので
試合中に 見極めて 判断するカイト
高すぎて 誰もが ミスだと 思った時
マリーンは ハナの 上に 手綱だけで 2本足で立ち
また うわーっと 驚きの歓声が飛ぶ
大きく 手を上げて 長柄のステックの 先を これでもかと伸ばし
木まりを コツッと、止めて 落ちてきた木まりを
思いっきり ゴール目指して 投げ返す
馬の上に 女性が 自分の2本の足で立ち 木まりを
空中で コントロールする驚き
体のバランスが 崩れるマリーンに
ハナが マリーンの体を 受け取るように動く
ドスッと 痛い音が する マリーン「痛ーいっ」
普通なら 軽く座れるのに 余裕がない
木まり も あまり距離が 伸びず
ゴール3m前で 落ちてしまう
そう いつもの マリーンの力なら ゴールまで飛ぶ はずだった
「あぁーっ」
もう 決めれない、、
ゴールに近い 北家チームとミア姫が 焦って走る
カイトも ゴールに向かって走る
「お願い ミア姫様 押し込んで!」
北家チームとミア姫の 長柄のステックが
重なって 折れた
折れる一瞬前に、ミア姫のステックが 木まりに 触れたのだろう
ころころ ころ、、と木まりが スローモーションのように
ゴールに 近づいて
入ったか 入ってないか 分からない時に ゴール線上の 木まりを
カイトが 決定的に 入れ込んだ!
うわぁーっと 球馬会場中が、観客の声で湧いた
1対3
花火がパーンパーンと上がり 試合終了を知らせた。
勝った。
南部の赤色チームが 何年も 勝てなかった 都の北家チームに
勝利した瞬間。




