南部からの出発
今 台座に座る ミツキ様と、
この前の
ひとりで 寂しく漂っていた ミツキ様を
思い出す。
あっ、私なんてバカな 質問しちゃったんだろう
「ありがとうございました
とても良いものを 見せていただいて
絵の 参考になりました」
と、ミツキ様に、お礼をしたマリーン
「もう 良いのか?」
「はい」
曇りのない 瞳だ、、
「お前の頭は どうなってるんだろうな、、」
どうもこうも
ミツキ様のことは とにかく 興味を持たない
何も 考え無いと、、
地下に 入る扉を
翡翠の牌が、鍵になっていて
くるりと回して、カチッと、締めた
湖に 浮かぶ橋を
もう一度ゆっくり見て 渡り
こんなに きれいな所に 二度と
来れないだろうなぁと思う
岩の奇怪さも、、
また目隠しして 入り口は どこかわからない
ひんやりした 岩のトンネル
目隠しされた マリーンの手を引く
いつもクールなミツキの手の
暖かさが残る
カイトの 頼もしい手でなく
細く弱々しい
触れるか、触れないかの 男の手
来たときと 同じように
ミツキの馬の 前に乗るマリーン
「この後 私の部屋に 来なさい」
「絵係の 仕事が 残っていますので
絵係の館まで お願いします」
なにか まだ ミツキ様が 言いたそうなので
「明日は お母様の ノア様の
絵皿の 約束が入っていて
その次は もう 球馬大会で
都に行く 用意が、
あります」
「 フフフフ よくそんなに はっきり 私の誘いを
大きな声で 平気で断るな 面白い娘だ」
「私の主義で 無理強いはしないが、、
後悔する日が 来るぞ」
「その日が 来た時は 宜しくおねがいします」
「わかっているさ
お前が 私の元に
戻ってくる日が 来るのが 見えている」
と言って 立ち去っていく ミツキ様
残念でしたー、
あたしは もう二度と
ここには
戻ってこないわ
次期 城主の自覚は
持ってるみたいね 少しは
ハサミ用意したのに いらなかったわ
ミツキ様の馬の 前に乗った時
はさみの硬さが
わかっちゃってたの かもしれない
だから あたしの手
こわごわ 握っていたもの
ハサミ役に立ったかも
絵の係の 部屋に 入ると ワンユ先生と
カイトが親しく話してる
「カイト」
「マリーン」
「色んな所に 行かれてる
ワンユ先生の 武勇伝は 楽しいよ」
「カイト君の 海の底とか 狩りの話も
面白かったよ」
「恐縮です」
「マリーンを 少し お借りしても いいですか」
「いいよ、兄妹で ゆっくり話してきなさい」
2人で また 川の方へ 歩いていく、
人が いなくなると
マリーンはカイトの腕に しがみつく
川辺に座る
マリーンの手の上に カイトの、手を置いて
からみあわせて
その手を、カイトの膝の上に 乗せて
両手で 優しく包んでくれる
少し 前かがみに なってマリーンの顔を 見る
いつもの優しい瞳の カイト
カイトの、瞳は
今さっきの 鳥の目のダイヤモンドより
星の光が入った赤いルビーより
カイトの目の方が 好きだ
真っ白い目の 中に 瞳が
ちょっとブルー かかってるの カイト知ってる
カイトの目を 一番 近くで 見てきたのは
あたしが 一番多いよね
ミツキ様と 出かけるの
知ってて 心配で きてくれたんだ
今日の ことを 話する
「すごいねー」
「そうなのよ、
この川の 向こうの あの森に
ちょっと白い岩見えるでしょう。」
「あれが 屏風になってて
その中に 真っ青な湖が あって
あんな所 カイトと一緒に 歩きたいわ」
「僕はマリーンと一緒の場所が 一番だよ」
「うっふふふ 一緒だ」
「ミツキ様は 今回は紳士的だったけど
ちょっと残酷そうな面を 持ってるよね」
「そうだねー。
やっぱり上になる 器だと
いろんな面を 人に合わせて
持ち 合わせて いるんだろうね」
「カイトは頼もしくて 爽やかで、
それだけで人を 引き付けて
いろんな面を 持っていなくても、
それだけで
魅了できるわ」
大会が 近いからマリーンに
何も 手を出さないで いてくれたんだ
自分に 寄り添ってくれてる
マリーンの肩を 優しく抱いた、
自分だけの 一番の 宝物のように
次の日
球馬の練習に行くと、
ミア姫様が 白い名馬を
自慢げに みんなに見せていた
「品評会で今年一番になった馬よ」
「これで大会に出るわ」
見るからに美しい馬で
品格の良さを 持っている馬だ
城主の娘の ミア姫様には お似合いだ
午後も練習の、仕上げで
カイトが 例の合図とかを 選手に教えていた
マリーンはノア様に、会いにいく
お皿の 絵柄を 決めて おきたかった
お世話になった 南部の お城の方たちへの
言えないけれど、さよなら も込めて
マリーンが、行くと
ミツキ様が、居て母の、
ノア様と仲良く話してる
私が 来ること知ってて
きてるのかも しれない。
ノア様に 絵を見せるマリーン
「どれがいいと思う、ミツキ」と
ノア様が優しく、ミツキ様に聞いた
ミツキ様が、母のノアを尊敬しているのが 分かるような仕草で
「これはどうですか」
「いいわね
じゃあこれにして」と
マリーンも 気に入ってた、
絵柄を 選んでくれた
「ミツキが あなたを、大会の時に そばに置くと、
貴方の絵の価値上がると
押し通したのよ。」と教えてくれた
「ありがとうございます」
そんな風に上手く行ったら
’カイトと 2人、あの浜辺で 私は 絵を描きながら
生活できると いいなぁ
次の日は 支度で
バタバタしていて、
やっと都の方へ行く
出発の日が来た
私達2人じゃ
入れなかった、
都の お城の中に、
やっと これで 球馬大会の選手として
入れるわ
本当に
長かったけれど
北部の都に、お父さんが いれば良いなぁ
お城で 一番に 調べたいことは
確か 北家 の 北龍
ホク リュウ
お父さんの 名前に似た人が
どんな人か、、だけは 調べるわ




