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因達羅の悲劇
「一番は決められないし、全員のお相手もできないから、毎年一体ずつご指名するというのはどうでしょ。」
薬師如来の申し出に、十二神将はホストじゃないんですからと突っ込みもいれられない。
「目印として、頭にそれぞれ動物を乗せておいてくれない。」
ねずみ、うし、とら・・・。乗せてみるとそれなりに見栄えはするもんだ。そんな中、因達羅だけが沈んでいる。
「蛇ですよ。強そうじゃありませんか。ねずみだって丸呑みですよ。」
他の神将たちも励ます。頭の上には鎌首を持ち上げた立派な蛇がいる。
人間の子供たちが見学に来た。
「周りにいる強そうな方々が神将といって、如来様をお守りしています。」
ガイドの声に、一人の子が叫ぶ。
「みて、頭に、う○ちを乗せてる人がいるよ。」