優しい再会
「盛り上がっているところ、申し訳ないのだが」
レオ様だ。
「貴殿は月の精霊王だとお見受けする」
『そうよ。ちゃんと対面するのは初めましてね。レオ君』
「な、レオ君……まあ、いいか。それで、月の精霊王。俺の後ろでずっと固まっている男にいい加減声を掛けてやってくれないだろうか」
あ、本当だわ。太陽の精霊王様がさっきと同じ立ち位置で固まっている。
『ふふふ、忘れてたわ』
てへ、と聞こえそうなおどけた顔で言うモーネ様。
立ち尽くしている太陽の精霊王様の前まで行くと
『ただいま、ソール』
それはそれは美しい笑顔で優しく言った。
『モーネ……』
やっと稼働した太陽の精霊王様。
『ふふふ、私の想像ではもっとロマンティックな感動の再会になるはずだったんだけどね』
『おまえは千年くらいでは変わらないな』
そう言って、太陽の精霊王様がモーネ様の腕を掴んで引き寄せる。
『会いたかった、やっと、やっとだ』
『私も会いたかった。これからはずっと一緒ね』
そう言って笑い合った。
レオ様にそっと目元を拭われる。
「あら?どうして」
泣いていたようだ。モーネ様が私の頭を撫でる。
『一緒に喜んでくれてありがとう。ルーナは本当にいい子ね』
うふふと笑いながら『さて』と気を取り直すように言う。
「あぁ、待ってくれ。話の続きは場所を移動してからにしよう」
確かに先生たちが後片付けに忙しそうだ。私たちは生徒会室へと向かった。
『じゃあ改めて、レオ君がめでたく覚醒を果たした所で、作戦会議でもする?』
月の精霊王様が緊張感皆無な感じで言う。
「ちょっと待ってくれ。今、俺の力が覚醒したって聞こえた気がするが……」
『覚醒したぞ』
太陽の精霊王様が当然というように言ってのける。
「……いつ?」
『キメラと闘っている時だな』
「なんの実感もなかったが?」
『だろうな。特に何か変化があるわけじゃないからな』
『ルーナもそうだったわよねえ』
「はい、モーネ様に教えて頂いて知りました」
「はははは、なんでもない事のように言うね、ルーナ嬢は」
リナルド様だ。サンドロもアニエラもお姉様も居る。
「そんな所も可愛らしいのよ、ルーナは」
お姉様がニコニコして言う。アニエラもうんうんと相槌を打っている。
『それ、わかるわあ。ルーナはちょっと天然ちゃんよね』
月の精霊王様が言う。
「お分かりになりますか、精霊王様。そうなんです。見た目はクールでスキがなさそうに見えて、実は天然でマイペースな鈍感ちゃんなんですのよ」
お姉様とアニエラが力説している。
なんだか微妙に馬鹿にされてるような気がしないでもないんですけど……ま、皆楽しそうなのでいいですけど。
一通り盛り上がった後
『レディたち、そろそろいいかな』
優しく言う太陽の精霊王様。改めて見ると、とっても綺麗。そう見惚れていると
「おい、ルーナが見るのはそっちじゃない」
レオ様が私の顔を無理矢理、レオ様の方へ向けさせて言う。
「ふふ、焼き餅ですか?嬉しいですけれど必要ないですわよ。私にはレオ様だけですから」
「はいはい、話が一向に進まないから」
リナルド様に突っ込まれてしまった。




