学院の惨状
夏休みが終わって再び学院へ。
アニエラには休み中に会ったが、サンドロは会っていなかったので、おめでとうを言う。
するとサンドロが
「ルーナもおめでとう。兄上から聞いたよ。昨日、殿下と婚約の話が成立したって」
「本当に?ルーナ、おめでとう」
「ふふ、ありがとう。本当に婚約という事で解決したのか、イマイチ実感はないのだけどね」
そう言って、昨日の話をすると二人とも大笑いだ。
「ははは、さすが溺愛家族だね」
「あとはリナルド様とロザナ様だけですわね」
アニエラがニコニコと言う。
「兄上は何やら決意新たにと気合十分だったから、あとはロザナ嬢次第だと思う」
サンドロが言うので、アニエラと二人で
「じゃあ大丈夫ね」
と笑った。
それから数日、あちこちに屍のような令嬢の姿を目にするようになった。
どうやらサンドロとレオ様の婚約の話が広まったらしく、ショックのあまりそんな状態になってしまっているようだ。
これではリナルド様に、皆が集中してしまいそうだと思っていたのだが、屍令嬢は増えるばかり。どうしてかしら?と疑問に思っていたら、レオ様とリナルド様が反対方向からやって来た。
「ルーナ、会いたかった」
言いながら、私の腰に手を回すレオ様。
「あの、恥ずかしいのでちょっと……」
私が言うと
「大丈夫だ。慣れればいい」
とレオ様。そういう問題?慣れませんから。
「ルーナ嬢、婚約おめでとう。もうレオはルーナ嬢にメロメロだね。女性を前にすると、不機嫌極まりない顔を必死で隠していたレオがこんな風になるんて、ちょっと想像していなかったよ」
リナルド様が笑いながら言う。
「ありがとうございます。リナルド様も気合十分だとか……」
「はは、そうだよ。まずは誠意を見せなくちゃと思って頑張っているんだ」
そうリナルド様が言った事で、最近の屍令嬢増殖の理由がわかった。
「もしかして、もうご令嬢方に愛想良く接してないとか?」
「うん、そうだよ。俺が笑顔で話しかけるのはもうロザナ嬢だけ」
「なるほど。だからですね、この増殖の勢いは」
そう言うと二人が不思議そうにする。
「最近、屍のように生気のないご令嬢が増殖していて。レオ様とサンドロの婚約の話のせいでという事は分かっていたので、リナルド様にご令嬢方が集中しているだろうと思っていたら、増殖する一方だったので何故なのかなって思っていたんです」
「あぁ、なるほどね」
二人が納得する。
「では、そんなリナルド様に最後のアドバイスを」
「え?何々?」
リナルド様が聞いてくるので一言。
「一刻も早く告白するべし、です」




