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銀の天使と金の獅子  作者: BlueBlue
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魔物討伐合宿

 夏休みが近づいてきた頃、二年生にとっては初めての、三年生にとっては二度目となる魔物討伐の訓練がある。

二泊三日で王都から馬車で三時間程の位置にある森に行って五~六人のグループを作り魔物の討伐をするのだ。


勿論、学生だけでなく先生たちも居るし、近衛騎士の一部隊の面々も訓練と指導を兼ねて同行することになっている。


グループは実力によって均等に組まれるので、残念ながら私たちはみんなバラバラだ。それでも討伐時間以外は自由なのでとても楽しみだ。


 大型馬車で移動する。ヴェントが風の魔法で馬車の揺れを軽減してくれているお陰で快適だ。アニエラとサンドロが嬉しそうにヴェントにお菓子をあげている。絶対近い将来、ヴェントは毛だるまになるに違いない。


「今回泊まる宿舎の近くに精霊の泉が湧く場所があるんですって。ルーナ、一緒に行ってみない?」

アニエラがウキウキした様子で言う。


「勿論いいわよ。それで、その泉には何か言い伝えでもあるのかしら?」

ニコッと笑いながら聞くと、アニエラがサンドロを一瞬見て照れたように

「その泉で願い事をすると泉の精霊様が叶えてくださるんですって」

と言う。私はキョトンとして

「え?でもアニエラのお願いごとならもう叶っているんじゃない?」

と言うと、アニエラは真っ赤になってサンドロは咽た。あれ?言っちゃダメだった?


「ハハハ、ルーナ嬢。まだそれは公然の秘密なんだ。内緒にしておいてあげて」

といたずらっぽくリナルド様が言う。


「そうなのですね。じゃあ願い事が叶うようにたくさんお祈りしなくちゃね。リナルド様の分も」

とリナルド様を見ながら笑顔で言うと

「え?なんで俺?」突然ご自分の名前が出たからか素になった。


「だって……いい加減本気でいかないと。私のお義兄様にはなれません」

リナルド様に耳打ちする。

「ちょ、ちょ、今それ言う?」

慌てたリナルド様って可愛い。


「おい、近いぞ!」

殿下が私をリナルド様から引き剥がしながら

「私も一緒に泉に行って祈るとしようか」

ニヤニヤしながら言う。


「殿下も何かお願い事が?」

そう聞くと

「あぁ、私の想いが、愛しい人へ届くようにってな」

そう私の耳元で囁いて、そのまま耳に触れるか触れないかのキスを落としていった。


「そこ!近すぎですわ」

今度はお姉様が殿下から私を引き剥がす。だけど、私は殿下の不意打ちによって思考が停止状態にされていたのだった。


 それからほどなくして無事(?)森へと到着する。私の思考は相変わらず停止しているが、お構いなしに討伐用のグループに分けられる。

私は、剣と治癒魔法の両役を担う事になっている。近衛騎士の方もお二人ほど補助でついてくれる。


森の奥にゴブリンが、大量に発生しているのでそれの討伐がメインになるそうだ。

ゴブリンだけならば、一体一体の力は弱い。数が多いのは厄介ではあるが、まとめて魔法で倒してしまおう。


油断せず、慎重に奥へと進んで行く。


 しばらく進んで行くと、なにやら生臭い匂いがしてくる。すると、騎士のお二人がこの匂いはゴブリンの匂いだと教えてくれた。

そしてそれから少し進んだ先に緑色やら鼠色の小さな人型のような物がわらわらと群れていた。ゴブリンの群れだ。


とても生臭い。気持ち悪い。一刻も早くこの匂いから解放されたい。他の皆も顔をしかめて鼻をつまんでいる。

騎士のお二人の指示で、左右に分かれて一斉に攻撃をする。数は多かったが、思っていたよりあっけなく討伐することに成功した。


無事に今日の討伐は完了。だけれど、皆の顔はどんよりしている。生きていた時も相当臭かったのに、燃やしても臭かったのだ。しかも身体に匂いが染み込んだように臭さが取れない。討伐は成功したのに、なんとも言えない敗北感が漂うのだった。


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