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Side:エジディオ
くそっ。一体何なんだ。俺は代々続く、バルバリーニ公爵家の嫡男なんだぞ。なのに何故、あんな扱いを受けねばならないんだ。
月の精霊王の愛し子は、私のような高貴な身分の元に嫁ぐのが当前だろう。
こうなったら、何が何でもあの娘を手に入れてやる。
殿下がいようが関係あるか。月の精霊王の愛し子を手に入れれば、この国だって手に入れることが出来るんだ。
そうだ。いっそのこと私がこの国の国王になってやろう。私にこそ相応しい地位じゃないか。
そう息巻いているエジディオのオーラが一瞬、黒く揺らめいた気がするが本人は全く気がつかなかった。




