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恋唄

俺がずっと片想いしている律子は、先生のことが好きらしい

作者: 間咲正樹
掲載日:2019/05/24

須藤(すどう)先生、さよならー!」

「はい、さようなら」

「先生、じゃーねー!」

「はい、さよなら」


 絵に描いたようなイケメンである須藤は、女子達からの黄色い声をサラッと受け流している。

 クソッ、相変わらずいけ好かないやつだ。


「あ、あの……須藤先生」

「ん? 何だい」


 っ!

 そんな須藤のところに、俺がずっと片想いしている律子(りつこ)が、緊張した面持ちで近付いていった。


「あの、これ……、読んでください!」

「え?」


 なっ!?

 律子が須藤に差し出したのは、ハートのシールが貼られた可愛らしい封筒だった。

 あ、あれはまさか……、ラブレター!?


「……」


 須藤はラブレターを見つめながら、少しだけ困惑した表情を浮かべている。

 ――が、


「ありがとう。後でちゃんと読ませてもらうね」


 すぐにいつもの余裕ぶった顔に戻ると、そのラブレターを受け取った。

 はあああああああ!?!?

 お前の立場で、そんなもの受け取っていいと思ってんのかッ!?


「っ! は、はい……。返事はいつでもいいので……」


 律子は目を潤ませながら、口元を両手で覆った。

 ――その律子の顔を見た瞬間、俺の中で何かが弾けた。


「律子ッ!!」

「え?」


 気付けば俺は律子の腕を掴んでいた。


「帰るぞッ!!」


 俺は強引に律子の手を引いた。


「ちょ、ちょっと待ってよ慶介(けいすけ)! 私、須藤先生と大事な話があるのよ!」

「うるせぇ!! 帰るったら帰るんだよ!!」

「何でよ!? 理由を言いなさいよ!」

「くっ……!」


 こうなったらもう自棄だ。


「それは…………、お前が好きだからだよッ!」

「なっ!?」


 途端、律子は頬を赤らめた。


「な、ななななな、そんな……、悪い冗談はやめてよ……」

「冗談なんかじゃねえよ! 俺は……、ずっと前からお前が好きだったんだ」

「……慶介」


 律子はポーッとした顔で俺を見つめてきた。

 須藤はそんな俺達の遣り取りを、口元に笑みを浮かべながら見ている。

 チッ! とことんムカつく野郎だ。


「……行くぞ」

「う、うん……」


 俺は再度律子の手を引いた。

 今度は抵抗されなかった。


 見てろよ須藤。

 律子は絶対にお前には渡さねえからな。




「あらあら、どうかしたんですか須藤先生?」

「あ、園長先生。……いえ、どうやら僕は、慶介君に嫌われちゃってるみたいでして」

「え?……ああ、ふふふ、なるほど。慶介君は律子ちゃんが好きですもんね。三角関係ってやつですね」

「ハハハ、どうしたもんか困ってます」

「ふふ、それも保育士としての仕事の内ですよ。上手く対処してごらんなさい」

「はい。まあ、何とか頑張ります」


 おわり



最近の若い子は、早熟なんやなぁ(すっとぼけ)。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 女の子はませてるからね~。 (//∇//)
[一言] こういう恋愛モノも、いいですねぇ。 思わずニヤけてしまいましたよ(苦笑
[良い点] 恋唄シリーズ、ハズレなしですね。 レベル高すぎ。 オチがぁぁぁ! 黒鯛さまのレビューからきました。 楽しかったです。
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