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揚足裁判  作者: 花南
第一章
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裁判部編

 裁判部の中はてんやわんやになっていた。それもそのはず、この生徒会裁判は裁判部の一大イベントだ。毎年大勢の生徒が立候補して、それに一人ずつの弁護士がつく。

 放課後に宣伝に励む候補者達を双眼鏡で観察しながら二年生空乃綺(そらのあや)は言った。

「はぅぅ。とうとう選挙に向けて、立候補者の戦いが幕開け、したのですねぇ」

「そうね。また大変なことになるのかしら」

 反応したのは同じく二年生の陸さやか(りくさやか)だった。その隣で候補者名簿に目を通しているのは森下透もりしたとおるだ。

「大変でなかった時期なんて無かったじゃない。この戦いは毎回視聴率高いから広報部も放送部も食いつくわよ。今年も派手にやらなきゃ」

 こう喋っていると女のようだが、この海馬白雪(かいばしらゆき)、男である。別に女装しているとか、そっちの気があるとか、そういうわけではなくただ口調がオネエ口調なだけだが、野太い声で喋られるとそれでもかなりの恐怖を与えてくれる。

「今年はどのあたりがメインになるかな……」

 一生懸命に名簿を睨んだままの森下が皆に、と言ってもそこの四人だけの話なのだが、聞いた。陸が自分のプリントを見ながら

「データを見た感じだと飯島冬姫が集中的に攻撃されるでしょうね」

「そうですねぇ。彼女ぉ、何でもできるしぃ、良く思ってない人も多いみたい。それより鈴木に注目ですぅ! 彼も優秀だし話題性もあるし、一番叩かれそうで、はにゅぅん……」

「お願いだから空乃はその萌え語とかいうの、裁判では使わないでよね」

 既に日本語がかなり破綻してしまった空乃に陸が低くうめいた。

 その時廊下のほうで西園寺の声がしたのを聞いて海馬が呟く。

「もう既に西園寺に目をつけられているみたいよ? ほら、また揉めてる……」

「あの三人が互いに足を引っ張って共倒れ、意外と他の目立たないその他大勢にもチャンスがあるかもしれないね」

 まるで競馬でもしているかのようなノリの森下だった。ふと空乃が名簿を見て

「あっ、そーいえばー、元副会長二年生の秋野さんもまた出るんでしょぉう?」

「あのお嬢様けっこう人気あるからね。でも連続何回も副会長ってすごいわ」

「何かあるのよ。今年こそあの女狐の化けの皮を剥いでやるんだから」

「ちょっとやっだー、陸ちゃんったらすぐ秋野さんに敵意剥き出しなんだから。陸が秋野さんの弁護士になるかもしれないのよ?」

「ごめんよ!願い下げだわ」

 海馬の言葉にきっ、と鋭い視線で返す陸。一年生の時に陸は生徒会に立候補した。しかしよくわからない原因不明の中傷により落選したのだ。薄々千早の仕業だということはわかっていたのだが尻尾を掴みきれず悔しい思いをした。

「僕ら……どの担当になるかわからないけれど、これからまた敵同士だね」

 森下がやれやれと呟く。それは裁判部にとっては日常的なことだった。空乃が元気よく、よくある少女漫画の表紙の絵のように目の前でVの字をつくり

「大丈夫、無事選挙さえ終わればみゅー達また仲良し四人組ですぅ!」

 その謎のみゅー達という言葉が私たちを指しているのはなんとなく分かったが、それより三人がびっくりしたのは自分達が仲良し「四人組」であったということだった。

 その日の会議で四人はなんの因果かこのような配置になる。


 海馬白雪…西園寺勝

 陸さやか…飯島冬姫

 空乃綺…鈴木北斗

 森下透…秋野千早

 以下省略その他五人となる。

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