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オルテンシアの瞳  作者: 香葉
第1章 目覚めたら、魔王でした・・・
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(6) 魔族 ── 五大爵との対面

 


 衣装部屋の披露が終わり、無駄に体力を使った感があります。

「ご衣装を替えましょうか?」ってルチアが言うので、思わずこのままで良いですっ、て叫んだ。お母様がまたオヨヨと泣いたが、これ以上にすごい御衣装ばかりで……む、無理っ、今日はもうこれ以上…お兄様も笑って今日は勘弁してやってよ、とお母様に言ってくださった。


 はぁ、もうちょっと地味目のワンピースをつくってもらおうと固く誓ったのでした。

 ただ頭が締め付けられて痛いのって言ったら、ワンピースとお揃いのリボンにしてくれました。




 これから魔力計測と五大爵と言われるペルラ王国魔王の家臣となる、魔族の方々との面会が待っています。


 魔族の国ペルラ王国は魔王を中心に、五大爵は五彩家とも言われる魔王に絶対的な忠誠を誓う上級魔族がいて、その配下に魔王軍があり、国を動かしているそうです。


 我がナバレ侯爵家は表向き銀で調査、探索を担い、裏では暗部を受け持つ黒を貴色としている。宰相さんのタリス侯爵家は白と金で執政を受け持つ。カミーユさんのアイヴァン伯爵家は紫で魔術院や魔術部隊の統括研究、財務や産業等の生産の統括を担うクレモント伯爵家は赤、外交防衛をサヴィン伯爵家、青が担っている。その他の家の魔族は伯爵、辺境伯、子爵、男爵など数多の貴族がいるらしいですが、古くからある五大爵はこの国では、絶対的な力を持っていて長く入れ替わるのともなかったそうです。


 しかしその均衡が破れる危うい状態になりかけたそうですが、宰相さんもおいおい話しますねって言ってお茶を濁した。


 私を抱いていたお父様は難しい顔をしていましたが、語ることなく私の頭を撫でるので、私は何も聞き返せませんでした。


 しかし、私がナバレ家出身の魔王となるので、片寄らないように専属侍従や護衛として五大爵家からそれぞれ付くそうです。


 上級魔族の属性は主に、吸血鬼(バンパイア)狼族(ライカン)蛇族(スネイル)鳥族(バルドー)夢魔(インキュバス)とあり、五爵家の其々には固有の種族で片寄ることなく、生まれながらに基質が現れる。


 他に半魔族と呼ばれる獣人、妖魔たちは、完全な人型を取ることが出来ず、魔力も少ないので、貴色を纏わず、主に平民として貴族に仕えたりするそうな。


 親が吸血鬼(バンパイア)であっても必ずしも、吸血鬼(バンパイア)が生まれるわけではなく、夢魔(インキュバス)が生まれることもあり、纏う貴色 ── 瞳や髪の色やオーラで皆なにかしらでどの家の出身か区別出来るらしいです。


 私はナバレ家出身ですが、黒髪に暁の瞳で属性が"魔王"とわかるのです。




 まずは魔術院で魔力計測です。

 王城内の西、通称"夕霧宮"と呼ばれる搭が魔術院です。

 ずっと抱かれたまま移動していましたが、魔王城はとても大きく、かつ複雑に造られていて、迷子になりそうです。


 子供の頃測定したときには、器ばかり大きく魔力が弱かったそうです。それは以前と変わらない結果でした。


「それはそれで良いのだよ。」とお父様が言う。魔王の(オーブ)を受け入れることができる身体(うつわ)の容量が必要で、

 容量は───「ほう!?流石魔王様、無限大容量ですね。これなら明日、問題なく伝達式が出来るでしょう。」とお墨付きを魔術院から頂くことが出来ました。



 さて、いよいよ魔族の人達と対面です。広間に通されましたが、これは私的な会見時に使う広間で、世界球(ユニベール)の間の横にあります。皆さんが入ってくるドアとは違うドアから入ります。衝立などは置くと刺客等が隠れやすいので無いそうな。そうすると待っている方々の前にこれるわけですね。


 皆さん揃っているそうですが、椅子がひとつだけ置かれていて、私はそれに座らせられた。皆さんお辞儀していて顔が見えませんが、10人前後程いるでしょうか。宰相さんとナバレ家は私の横に付いていてくれています。


「…皆様、顔をお挙げください。そして此方が、我らが心待ちにしていた生まれながらの魔王、オルテンシア様でいらっしゃいます!」宰相さんが皆さんに声をかけると、皆顔を挙げ、私を凝視した。


 一拍の後「うおおおっー!!」と凄い音量で皆叫んでいた。


 こ、(こわ)っ!!て音量で風圧を感じるの始めてです。


 皆さんのことは殆ど知らないので、またこれほどの人達に見られたこともこんな大きな音も聞いた事もない。


 小さな私は凝視され、この雄叫びで驚いて固まってしまった。



「……まったく君達は。私達のオルテンシアを驚かさないでくれよ?まだ6歳なのだ。」とお父様は大きなため息をはぁーと呆れたように吐いた。









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