(37) 魔王としての戦い ── 子飛竜に名前をつける
今日2度目の投稿です。短めです。
子飛竜ちゃんは、まだ男の子か女の子か性別が直ぐにはわからないそう。
でも、名前をつけてあげなくちゃね~♪何にしよっか?と子飛竜と遊びながら私ははしゃいでいた。
「・・・・・。」えっ何?パリス君。
「シア様は名付け上手くないから・・・。」って不信顔を私に向け、ボソッっと言う。
「・・・・・。」ちょっと酷いじゃない!私も負けじと不信顔をして見返した。
「だってカッコいい僕のウルトにチャグってつけようとしたじゃないですか!」
「カッコいいってどう見てもチャグチャグ馬っこにしか見えないよ!」ウルトは馬型の魔獸で、どう見てもサラブレッドではなく、子供の時に見た大型農耕馬にしか見えない。しかもパリス君のウルトはかなり黒くごっつくて、なのに無駄に華美に飾り付けられていたから、鈴をつけていたら、本当のチャグチャグ馬っこだ。
「 ─── って!?チャグチャグ馬っこて何ですか!」
「えー、岩手の優秀な農耕のお馬さんのことをそう言うんだよ!おばあちゃんに教わった~」
「・・・・・もう、いわてって何ですか。」パリス君ははぁ~と盛大な溜め息を吐いた。
ああ、前世のことだった。「だって、パリス君が名付けてと言うから。」
結局、パリス君のウルトはお兄様が名付け親になって、フェリクスという名前に落ち着きました。・・・何だか普通。
ピュイッって子飛竜ちゃんは鳴く。
怪鳥さんのギャーという叫び声が鳴り響くこの魔界で、ピュイッって鳴く子飛竜ちゃんはメチャクチャ可愛い。
「ピュイって鳴くから、ピーちゃんかなぁ。」
「・・・・・。」またパリス君は私のことを残念な者を見るように無言だった。
「ちょっと、何?」さっきより残念度が前面押し出されている表情をしている。
「・・・そのまんまじゃないですか。やっぱりセンスない。」
結局、決まらず名付けは先送りされた。
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「ちょっと、エリュシオン王子勝手な行動は困ります。まして、こちらから世界に課せられた咎めを軽くして頂く為に、魔王に好印象に映るよう振る舞えって散々言ったはずですが?」
「あー、うるさいな、ラーキンは。」竜族の王子は側近のお説教をウンザリしながら聞いていた。
ここは魔王城の一部屋。竜族の王太子とその随行者は、ドタバタしながらも魔王城に通された。
一触即発の事態だったが、竜族が詫びを入れ、魔界では珍しい飛竜の雛を魔王がえらく気に入り、献上品として今回の咎めは、赦されたかたちとなった。
そもそも、竜族が招かれ、この魔王城にいること事態があり得ないとされてきたのだから、竜族王太子の振る舞いがよく赦されたものだ。
「しかも、天空から飛竜の卵を落として魔界の結界を突き破るってあり得ませんよっ!お陰で警戒が強化されて、我らは半日も魔界に入れなかったんですっ!」ラーキンはドラゴン王子の側近で乳兄弟、モノクルをかけ、ちょっと神経質そうな細身の竜族であった。
防御壁結界は最低減の魔法は通す。ドラゴン王子は飛竜の卵に結界壁を破らせて、それに乗じて魔王城の結界の中に入り込んだらしい。
そんな結界や警備網の穴があったことに、魔族達は揃って厳しい顔をしていた。さらに容易く、他種族が魔王に近寄れたことになり、その事実に衝撃を受けていた。
「でも、案外簡単に入り込めた。しかも、飛竜の卵にやすやすと魔王も引き寄せられたしな。魔王城は穴だらけだ。」
「・・・確かに穴だらけであったかもしれませんが、貴方の与えた悪印象は、最悪レベルであの幼い魔王に植え付けられてしまったようです。飛竜の雛もあの魔王になついてしまって、もう引き離すことは困難です。・・・飛竜は珍しい瑠璃種だったというのに。」
「・・・いや、あれはこの魔界に来るまで瑠璃種じゃなく、翡翠種の卵だったはずだ。しかし、あの魔王の魔力の影響で、瑠璃種に変化したんだ。」
「そんな事聞いたことがありませんよ!」
ドラゴン王子はクックッと肩を揺らしていただけだったが、しまいには声を立てて笑いだした。
「 ─── やはりあのチビ助、暁の魔王の力は欲しいな。」
「自分でぶち壊しておいて、何をいっているのです?小児性愛者などと言って魔王を怒らせたらしいではないですか。・・・全く貴方と来たら。」
「あの言葉の意味を知っているとは、あの噂は本当のようだな。」
「・・・前世は人族だったという噂のことですか。だから、何だというのです?」
「・・・俺も思い出したのさ、前世を。」
ドラゴン王子も前世持ち?ピーちゃんの名前どうしましょう。実は決めていなかったりします。




