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オルテンシアの瞳  作者: 香葉
第1章 目覚めたら、魔王でした・・・
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(31)魔力測定

 


 さあ、いよいよ魔法の訓練です。


 天界の天使様たちは、魔界の樟気にあてられるとかで数日の滞在ではあったが、今後の事などを話したり、お父様とセリムさんは旧知の仲を確かめあう?など今までになかった交流をして帰っていかれました。


 世界の仲介があったとはいえ、今までの他種族との交流が殆んど無かったので、格段の進歩らしいです。


 一年後に予定している魔王就任式に是非呼んで欲しい、とアルトやセリムさんが言うので、そんな先の事は~とは思ったのですが、折角この機会を逃さず交流を続けたい、とのことでした。お父様は苦笑していたけど、悪いことではないと考えているようです。


 予言者マハが言うには、世界は満足しているから交流は続けるように、とのことでした。しかし長く敵対していたので、お互いに直ぐには不信感が拭えられるものではないらしいですが、良いことなのではないかと私も思います。


 ・・・天使に生まれ変わっていたアルトとも種族が違うからと敵対したくないですしね。




 さて、魔力の訓練の前に私は属性測定をしています。


 魔王は万能で無限の魔力を持っているそうです。魔王就任前は魔力が殆んど無かったので、簡単な魔法でさえも使ったことのない私でしたので属性を見ておこうとの事なのです。


 ここ魔法院に五代爵の代表(ほぼ当主)と私の侍従と護衛の皆さん、魔族院の代表者が集まりかなりのひとが集まっていまして、なのに!です。私は今日もゴスロリ衣装で、カミーユさんになぜか抱っこされています。


「・・・降ろして下さい!カミーユさん。あの~恥ずかしいのですが?」


「私の腕を離れてもまた誰かに抱っこされますよ?今日は私がじゃんけんに勝ったので、オルテンシア様の抱っこ係は私の特権なのです。」


 じゃんけんって魔界にもあったんだ・・・ってカミーユさんの笑顔駄々もれ、魔眼の威力が心配で慌てて周りを見回すと、薄い(シールド)が張られていて、防護されているとの事でした。


 その(シールド)を張ってくれているのがリシェーナさんで夢魔(サキュバス)のナイスボディのお姉様なのですが、私たちナバレ侯爵家の分家筋、遅れていた護衛をしてくれることになっていた人です。お父様の弟、だから元天使だったけどお父様を追って堕天した弟達のひとり、でも先の戦いでサヴィン侯爵家のキアランさんと私の護衛のシセロさん兄弟の両親と供に前魔王に殺されてしまったウィストリアさんの娘さんです。(魔王暴走の原因が自分にあるとカミーユさんは気にやんでいるようです。)


 ・・・カミーユさんと何やら因縁めいていて、ちょっと未だ打ち解けられていないようなのです。っていうよりカミーユさんが気にしている感じなのです。


 リシェーナさんはとても素敵なお姉様で、ちょっと某◯塚歌劇団の男役さんの様に華やかで妖艶というより、凛々しい金髪金目の夢魔(サキュバス)さんです。前世で実はかなりの塚ファンだった私はついついうっとりと見てしまい、カミーユさんが最大級魔眼の威力を振り撒いて被害者続出しているので、カミーユさんをこれ以上拗らせるなとお兄様にしかられました。


 とくに防壁が得意で(シールド)を張るのがとても上手です。なので他人にはわからない繊細な幕を(シールド)を張ることができるので、大抵の魔法を跳ね返すので、今回はカミーユさんの魔眼の影響を外に与えぬようにしてくれてます。


 いつも張ってもらえれば、カミーユさんも笑えるのにね?と言ったら即効お断りされました。


 (シールド)を常時張るのはとても無理だそうです。


「そんなはた迷惑な魔眼の(シールド)は自分で張ればいいのよ、何で私が?」

「・・・私には無理だと言っているだろう。」


 珍しくカミーユさんがムッとして答えている。リシェーナさんは、お兄様とカミーユさんが出会う以前からの知り合いだそうです。リシェーナさんはカミーユさんを見て呆れたというように肩を竦めただけでした。


 何と、二人は幼馴染みでした。・・・だから、余計カミーユさんがリシェーナさんのお父様の死を気にやんでしまうっているのだと思います。



 五大爵当主が集まるなか魔王である私の魔力測定が始まりました。


「 ────── !?」

 その時、チクリと、誰かのじっとりと悪意がある視線を感じ取ったのです。


 じっとりとした蛇のような視線が気になる。


 誰から発せられているのかと探索しようかと思って、カミーユさんの腕のなかに抱えられていた私はもぞもぞと身体を動かした。「今は抑えて下さい。幕を張ってありますし、誰にもオルテンシア様を攻撃させません。リシェーナと私、護衛の者で全力で御守りしますから今は魔力測定に集中して下さい。」と耳元でカミーユさんに囁くように言われました。


 流石私の侍従さんです。私の事はお見通しです。


 そうこうしているうちに、フッとあの視線が遮られ気にならなくなり、私は魔力の測定をする水晶珠のうえにそっと手を起き、深呼吸をして意識を集中させました。


 すると水晶は暁色に輝きだし辺りを照らします。温かな光と風に包まれ、そしてすぅーと熱が退いて光が静まりました。



「・・・・・。」皆さん、私の魔力を見て何故か無言です。


 何故でしょう?


「・・・はぁ、マジか?」お兄様があの魔力測定器である水晶を瞠目して見つめていました。


「これは・・・・。」と言ってから皆無言なのです。


 レベル とにかくMAX

 属性 全てを兼ね備えるが・・・暴れる

 攻撃力 とてつもなくMAX

 防御力 とてつもなくMAX

 回復力 とてつもなくMAX

 治癒力 とてつもなくMAX

 制御 無理・・・誰かと一緒に制御せよ

 コツ 怒りを抑え、均衡を保て


 ・・・なんか凄く大雑把なんですけど!コツってなんだコツって!?



 魔族には珍しい治癒能力が備わっているらしいですが、制御無理って・・・


「あの~?どう解釈すればいいのですか?」

 魔王は万能のいえども、私は未だ赤子同然の未熟者です。周囲の魔族たちもざわついていました。


「・・・しかし、このような大雑把な魔力測定結果は見たことがありませんね。」と宰相さんが言います。

「何事にも規格外、というのだろうな。生まれながらの"魔王"というのだから、世界が認め更に世界珠(ユニベール)も制御する役を担うのに、制御無理ってなっているがな。」お父様は呆れたように水晶を見つめていました。


「はぁ?訳わかんねぇ。世界球(ユニベール)制御出来なきゃ、誰がする?」お兄様が腕を組んで唸るように言っています。「・・・そうか、だからカミーユなのか。」


 私を抱えていたカミーユさんを無理に振り返って見るとカミーユさんも私を見つめ返して苦笑していたけど、目は意外に穏やかでした。


「そう言えば世界は名指しでカミーユと供に世界球(ユニベール)を制御しろと言っていたな。」


「・・・オルテンシア様の無限の魔力とカミーユの制御力が必要な訳だ。」







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