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オルテンシアの瞳  作者: 香葉
第1章 目覚めたら、魔王でした・・・
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(15)魔王の珠(オーブ)伝達式・4

 

 私は魔方陣のなかに足をゆっくりと踏み入れました。


 ふわぁーと軽く風が起こり、直ぐにそれは静まりました。すると私の周りを小さな(オーブ)達がクルクルと周り始めます。それはやがて私の頭上に大きな塊ととなり、巨大なミラーボールとなりキラキラと光を放ちます。ミラーボールは光を当てられて光ますが、魔王の(オーブ)は自ら光っています。


 それが魔王の(オーブ)とわかるのは、暁色───赤から茜色、紫そして青と次々と色が変わるからです。


「わあ、凄い。」私はこれからおこるだろうことに、呑気に驚きの声をあげた。綺麗な色が私を包み込み始める。



 予言者マハが何やら呪文を唱えだしました。


 カミーユさんも呪文を唱えているようです。魔方陣の廻りの魔法磁場が揺れていて、カミーユさんが制御してくれているようです。魔法を使うカミーユさんも暁の色に光って、顔を歪めながらも壮絶な美貌を放っていました。


 しかし、急にグッと押さえ込まれるようになり、私は我慢しきれず膝をついてしまいました。

「うううーーーッ。」苦しい。動けない。金縛りのような感じと言えばいいのでしょうか。


「オルテンシア!?」遠くでお父様とお兄様の声がする。


 私は長い間、息も出来ず、金縛りにあっていたような感じがしたのですが、実際にはほんの一瞬だったようです。


 魔王の(オーブ)がぎゅっと、私の身体の中に押し込まれた感じでした。はじめはドクッドクッと心臓の鼓動を全身で強く感じたその直後、風船のように限界まで膨れ上がり、とうとうパンッと(オーブ)が弾けた感じがしました。


 やっと金縛りが解けた感じで、強い押さえつけられるような身体の拘束感が解け、解放されなにかが放たれた気がします。


 ふわりとした春のような暖かい風が私を包みました。


『この度の魔王は、上手く(オーブ)と交わりそうだな。今度は壊れてくれるなよ。』



 貴方は …… 世界の声なのですか?壊れるって前魔王のことを言っているのでしょうか。


『…… そうだ、魔王よ。暁のオルテンシアと呼ばれ、この世界の均衡をよく保つよう努力しなさい。予言者マハの声も私の声、意思である。しかしそれだけに惑わされてはならない。よく考え、行動することだ。』

「……… はい。」そう私が答えると、またふわりと暖かい風が吹き、世界の声、気配が遠退いて行きました。


 風が落ち着き、私の周りは世界球(ユニベール)の間の、もとの風景に戻っていました。



「魔王 ─── 暁のオルテンシアの誕生です。 世界の声を聞き、均衡を保つ努力をするように。」再び、予言者マハが世界の言葉を繰り返す。


「─── 承知いたしました。」私は予言者マハに向かって片膝をついた形で返事をしました。私の周りを覆っていた光は霧散して薄くなっています。


 暫くすると身体に魔王の(オーブ)が馴染んだのか、身体に力が行き渡った感じがします。膝をついてましたが、私はどっこいしょと立ち上がって、皆さんの方に振り向きました。


 皆さんが「あっ!と呆気にとられた顔をしています。


「 ─── ?」と首を傾げていると、「…… オルテンシアが成長した。」とお父様が呟く。


 あれれ、自分の手足が延び、む、胸がある!前世が貧相な胸だったので、前世より立派な大きすぎず、手頃な大きさの胸に自分でふにふにしてしまった。そしてパタパタ、すりすりと自分の身体を確かめる。


 私、大きくなっているの?


 暫く擦っていたが、漸く我に返って、あっ!と顔をあげたときに皆さん色々な表情をしてました。


 お父様とお兄様は呆気にとられたような怒ったような顔をしています。不味いと思って、カミーユさんを見ると、呆然としてます。

「……オルテンシア、自分の胸を皆の前で揉まないように。」とお父様が言う。

「そして他の者は即刻記憶を消せ。」

「そ、そんな無茶な。」お兄様が、一応反論しています。


 私は居たたまれない気分になりました。ご免なさい。


「不可抗力だ!」と宰相さん。「それよりも、オルテンシア様はもうこのまま成長した姿のままなのか?」


「いえ、次期に身体は戻りますよ。魔王の(オーブ)を受け入れる身体(うつわ)の成長を一時的に進めただけです。」予言者マハが、答える。


「それにしてもこの魔族の国ペルラ王国に"暁のオルテンシア"と呼ぶのに相応しい、魔王を戴くことができて、大変喜ばしいことです。また後のお姿までも拝見できて大変嬉しゅうございます。」さっそく絵姿を描かせましょう、と宰相さんが言う。

 これには皆さんウンウンと頷いています。


 そんなに変わっているのですか。



 でも、そろそろ体力が限界かも。


 ふらふらして、足元が覚束ない。立っていられない。


「大丈夫ですか?」私の様子に気付いてくれたカミーユさんがそっと支えてくれたみたい。カミーユさんの瞳と視線が合うと、戸惑ったような、でも暖かい光を宿していました。「まだ無理はいけません。魔王の(オーブ)はまだ馴染みきっていないようです。暫く馴染むまで苦しみを覚えるかもしれません。」

「……そう……みたいです、ね。」と答える。もう意識を保つのも限界に近い。

「オルテンシア様、お疲れさまでした。…… 暫くお休みになるといいでしょう。」カミーユさんが呟き、私の瞼を手で臥せる。


「まだ、もう少し幼いままのお姿でいて欲しいと言うのは、無理な願いなのでしょうか……。」落ちていく意識のなかで聞いたその呟き、カミーユさんの小さな呟きに私はどう答えればよかったのでしょう。





 もしかして、カミーユさんロリコンとか!?








まさかのカミーユさんロリコンとか!って可哀想(涙)

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