(10)侍従さんと護衛さん
五大爵家の方々との面会が終わり、ホッとする時も無いまま、今度は私の専属侍従さんと護衛さんとの対面でした。
はぁ、疲れたぁ、まずどうぞ~って私の部屋に案内した。
私の居室で詳しい打ち合わをって、ドアを開けました。あっ!わ、忘れてた。
・・・そして皆さん固まってました。
なんか、さっきより派手になっている気がする。
そして、長~~~~い沈黙
「は、派手だね~?」それでもキラッと笑顔でパリス君が、沈黙を破りやっと発言してくれました。
大人の方々は、沈黙を貫かれた。
ですよね~、ですよね~。
紫にピンク、フワフワ~・・・私の趣味じゃないですよ~
珠?らしき物体が、天井から吊るされているかのように、浮いていた。色もやはり紫にピンク・・・キラキラ、クルクル・・・
何だ、あれ? 浮いてる。
もう、知らないふり、見ないふりするしかない。
こっそりまたお兄様が、後で直してやるからな、皆に言っとくから(うちの母親の趣味だって!)っていうけど、皆さん私をこの親にしてこの子ありか~と残念そうに私たち親子を見てたよ?
私の今着ているお洋服見ればわかるよね。
お母様の元ヤンは皆の認めるところらしいですしね。
まぁ、もうどうでもいいか。
「はぁ~まぁ、あれだな、あー堅苦しいのは抜きにしよう!オルテンシアはまだ幼いし、いずれはきちんとしなければならないが、身近な仲間としてよく知り合いたいとオルテンシアも私も思っている。」オーブリーお兄様も私の侍従兼教育係です。
「魔王らしく至らないこともあると思うが、よろしく頼む。」
普段私には優しいが、他の特に他家には甘い顔を見せないお兄様が言う。
皆さん、驚いています。お兄様が滅多に頼むと言わないことは知っています。
きっと私のために言ってくれているのです。
なんだか嬉しくて私もぺコリとしたら、魔王らしく!頭下げる必要ない!って怒られました。
あの居室の続きの間があり(ドアはない)、ちょっとした食事やミーティングができるテーブル席が設けてあります。月光が燦々と入ります。(魔界なのでお日様ではない。)
円卓なので身分隔てなく話したいと思って、こんな部屋にしてみました。
実は要望だけ伝え、インテリアは気にしなかったのがいけませんでしたが、この部屋はなんとかおとなしめのインテリアでした。クリームイエローの壁紙に柱は白色ですが、デコられていて素敵な雰囲気でした。家具も同じような装飾と色合いで素敵空間になっていました。
これを突貫工事でしつらえて下さったそうで、ありがたいです。(あのヤン部屋でなければ、最高でしたのに。)
あの球達も部屋の近くまで寄ってくる。いいのかなって聞いたら、「あれ、お前の球だろ?」
何が問題なの?っ的な返答でした。
球ちゃん(仮愛称)は、クリスマスツリーのオーナメント的なインテリア認定されました。
さて、私は皆さんにお茶とお菓子を薦めます。
魔族は甘いもの好きですからね~!
我が家のお菓子はそれは有名なのですよ。
なんと!お父様の趣味が高じて、お父様特製なのですよ(表向きはナイショ)!
アイデアはもちろん前世の記憶のある私です。
今日はお父様お手製のマカロンです。
甘々パンケーキ(きつい)、ぎとぎとのバタークリームケーキ(きつい)くらいしかなかったこの魔界で、マカロンを始めて作ったのは我が家ですわ。
前世でも趣味でお菓子作りをしていたので、記憶を思い出したあとは材料を揃え、甘いもの好きのお父様に伝えるだけでよかったのです。
魔界はやはり、電気やオーブンはなく、魔法で焼き加減を調えるオーブンもどきですが、お父様にかかれば焼き加減調製バッチリのお菓子を作れます。
何か物足りないけど、美味しければいいか……な?これからもっとレパートリーを増やす相談をしてます。
私まだ魔力がないので、上手く扱えるようになったら、色々作りたいです。
皆さん、おおっー!と食い付き抜群。マカロンはカラフルだし、可愛い見た目は女子受けだけど、男子にもなかなか好評なのです。
ふふ、男はまずは胃袋から掴め。
それは前世でも、この魔界でも変わらないようです。
でも、あれれ?カミーユさんとシセロさんは無表情で食べてます。
まぁ、食が進んでいるようなので、掴みはオッケーなのかな?
専属侍従と護衛は各家から来ています。
カミーユさんが専属侍従、パリス君が侍従見習い、オーブリーお兄様が侍従補佐兼教育係、シセロさん、そしてのナバレ家の分家筋から女性騎士の護衛がつきますが、まだ着任されてません。何か、抜けられない用事があるそうです。
「・・・とりあえず、この5人だ。」クレモント家は丁度よい年頃の者を出せない、もう少し検討したいとのことでした。
ちょっとホッとしました。カミーユさんにあの場で秋風を送っていたあの奥さんが来るとは思えませんが、あの蛇の瞳は怖い。何となくだけど近くにいてほしくない感じがしたのです。
カミーユさんは城代も務めているくらいなのですが、魔王の珠の魔力が私に馴染むまで城に泊まり込みだそうです。
仄暗い、底冷えがするようなあの瞳
あれこそ、魔族というものなのでしょうか?
ふう、明日はいよいよ魔王の珠伝達式です。




