体育それは暴力!!!
前回は底辺の精神と知能のゴミッぷりを堪能して頂きました。
今度はヤツらの肉体の脆弱性について語りましょう。
確かにファンタジーやゲームでもゴブリンやオークは一般人に危害を加えますが主人公がやって来たら片手で殺されます。
それもそのはずで酒とタバコと脱法的なドラッグとモロに違法なお薬で体を壊しにかかっているアホどもにスポーツができるはずがありません。
マラソンをやれば50メートルで息が上がり、ジャンプは低く、そして協力プレーはできません。
……ですがなぜか暴力だけは別なのです。
私はぼけっと見てました。
今日はバスケットボールです。
藤原は参加する気も起きません。
なぜなら……
「ぎゃああああああああッ!」
赤羽がK平のヒザ蹴りを顔面に受けて悶絶しました。
顔面を押さえてゴロゴロ転がってます。
……いつからバスケットボールではヒザ蹴りが解禁になったのでしょうか?
おっと鼻血。
赤羽くんはリタイヤのようです。
Sさんに交替です。
「ぎゃああああああああッ!」
Sさんは交替の際に転がっている赤羽の手をわざと踏みつけます。
そのままスタスタと試合でると見せかけて……
「うごッ!」
お、戻ってきて赤羽の脇腹に蹴り入れました。
Sさんは学校を辞められなかった件を根に持っているのはみんな知っているので誰も止めません。
私も自業自得だと思ってるのでSさんのラリアットで赤羽の首が千切れない限りは止めません。
キレた185㎝110㎏を止められるはずがないのです。
あれから荒ぶるSさんと私は友達になりました。
※昭和まで網羅した塩専門のプロレスオタクであるSさん。
※塩
しょっぱい試合のこと。つまりSさんはつまらないプロレス専門のオタク。業が深すぎる。
完全に牙を剥いたSさんはクラスでも別格扱いでした。
いえね、だって110㎏で顔面を撃ち抜くドロップキックができる人ですよ。
フレンドリーな像みたいな扱いです。
怒らせると殺される的な扱いです。
赤羽は狙撃された歩兵のように這って私の側へ来ました。
「た、助け」
がしゃーん。
「ギャアアアアアアッ!」
おっと、ついうっかり計画的にスコアボードを倒してしまった♪
ごめんね♪
同情しろ?
いじめ?
違いますって。
そもそもターゲッティングされたのは我々ですし、私なんてはっきりと「ぶっ殺す」宣言されてます。
さすがに殺されるのは困ります。
ですので正当防衛に含まれるかなあと思います。
特に私の場合はあくまで外形上は事故ですので。
そんな微笑ましい暴行を経て、試合は再開されました。
「死ね!」
K平のヤクザキックがK室の顔面にヒット。
K室くんリタイヤ!
「次、藤原」
「えー、肩の調子が悪いんですけどー」
私はこのころ交通事故で肩を負傷していました。
両肩手術で各二回、計四回の手術が必要という重傷です。
この夏も右の二回目の手術が終わったばかりです。
まだ二回変身が残ってます。
全部終わると戦闘力53万になるはずですなのです!
と、いう寝言は置いてスペランカーより貧弱な藤原に殴り合いをやらせる学校は頭おかしいと思います。
私はトボトボと露骨にやる気なく出てきます。
そして口を開けてボケッとしていました。
へふー。
「てめえ動けボケ!」
野次が飛びますが意地でも動きません。
おならプー。
「テメエぶっ殺すぞ!」
Y岸が顔を真っ赤にしながら野次を入れました。
鼻ほじほじ。
意地でも動かねえ。
当時の藤原は嫌いな人間の言うことは聞きませんでした。
それには理由があるのです。
このころになると全員が全員の性格を把握してきました。
その中でもドブのような性格のクズがいました。
空手と野球で鍛えた暴力! W辺。
男も女もいけちゃう♪ Y岸。
ドブで煮込んだようなひたすら不愉快なクズ! K平。
ホント死ねばいいのに♪
私はその中でもK平と仲が悪かったのです。
というか相手が一方的に嫌ってました。
無気力な私が嫌いだったようです。
もちろん私も嫌いでしたけど。
そんなアホどもの言うことを聞く気にはなれなかったのです。
我々の仲が悪いのは有名だったせいか、意地でも動かない私を見て空気を読んだ味方がボールを渡します。
「しねえええええ!!!」
オークが私を殴りに来ました。
ドリブルなんてしません。
私は体当たり……というか突っ込んできた相手……を華麗にスルー。
ボールを捨てると、よそ見をしたK平の腹に低い体勢から突撃。
いわゆるスピアータックルをかましました。
かなり危険です。
「げふッ!」
「お前殺す気か!」
「なにやってんだテメエ!」
殺す気ですがなにか?
私はわざと怪我人を出すつもりだったのです。
今なら体育の授業中の不幸な事故にできる!
体育の授業そのものをぶっ潰すつもりですよ。
「テメエふざけんな! 下がってろ!」
かなり本気で殺すつもりだった私は失格になりました。
「お……ぼえて……ろ……」
「ちっ。生きてやがったか」
思いっきり声に出して言いました。
正直言ってこの頃の私は少しストレスを溜めすぎていたようです。
他人様への当りがハードです。
ここで「おかしい」とツッコミを入れたくなると思います。
「なんでお前手術したのにそんなに動けるの?」と。
まあ二度目の手術はボルト抜いただけなので二週間もすれば動けるってのもあるんですけど、単にその場にいた全員のレベルが驚くほど低いんです。
ただひたすらバカなだけの貧弱なもやしっ子なのです。
もちろんそれは体育推薦の脳筋も同じです。
だってこいつら工業科ですもん。
普通科に入れない時点で補欠です。
将来犯罪者にしかなれないレベルの脳筋にお情けで推薦出しただけですからね!
同じ学科にいる時点で私も似たようなものですけどね!
※正しい現状認識。
要するに彼らは手術したての私にスピアー食らって悶絶レベルってことです。
ぐははは! 脆弱脆弱ゥッ!!!
私は安っぽい悪役のように悪い顔をしました。
さて最後に勝者を決めねばなりません。
普通のバスケットボールではゴールの点数を競うのですが、我が学校のバスケットボールではボールそっちのけで殴り合いをする競技ですので点数で勝負はつきません。
最後まで立っていたものが勝者と言えるでしょう。
ちなみに体育ではサッカーもバレーも同じルールで行われます。
ホント死ねばいいのに。
このように我々の体育はヘイトを溜める場所だったのです。
バカねー。
◇
お腹痛い。
放課後、私はトイレにいました。
そのころの私は排便に問題を抱えていたのです。
なんといいますか、まあフローラルの香りではないのはしかたがありません。
誰もそんなものです。
でもね……血のにおいがするんですよ……
どういうわけか……
常にボディブローを食らっているというか、そんな感じの鈍痛。
それに貧血も酷いですし……
これは……
もしかして盲腸!!!
そんなわけねえか。
まだ動けるし。
こりゃサボり癖だな。
痛いのも気のせい気のせい。
私も救いようのないバカです。
体調が悪いのもわからなかったのです。
こうして医者に行かずに病状は進んでいきました。
約一年後に手遅れ気味の十二指腸潰瘍と判明して危うく死にかけるのですがそれはまた別のお話です。