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パールクイーン 共通①


宝石で富を築き上げたジェルナ王国は度重なる戦により領土を守ってきたが今回の戦により父王は亡くなってしまった。


「ルナパーシア様…この城にはもう男の後継者がおりません」


騎士団長のニオブライズが深刻そうな顔で告げる。


「私が……女王なんてお断りよ!」


この国は世界を作りし神が定めた男女は交互に王になるべしという制度がある。

だが私は王になるのは嫌なので、次の王など兄がやればいいのだ。


「そんなこと仰らず。女王様なんていかにもルナパーシア様らしいですよ」


といいながら、書類にハンコを押す作業を私にさせる。


「ただ傍にいるだけで対して仕事もしていないお前が羨ましいわねニオブライズ」


城内には滅多に敵はこないので、手持ち無沙汰にみえる。


「やだなー仕事をしないわけじゃないんです。 国が結構平和なのがいけないんですよ~」


平和なら父は死ななかったと思う。


「私がニオブライズの立場なら、 間違いなく自分でなくてよかったと考えるわよ」


まだまだ自由と思っていたら、金に汚い奴等ばかりの見た目ばかり良くて中身はゴミみたいな城の王など願い下げだ。


「はい、俺は王女ではありませんからね」

「そういう意味ではないわ!」


「命令を下されば貴女の邪魔をする者を、女王となることに意義を唱えるもの等を排除できます」


格好いい台詞だが、神の規定に意義を唱えるやつはたとえ私であっても反逆罪なのである。


「まったく……こんな時ばかり格好付けるんだから」

「顔赤いですよ~ルナパーシア様~惚れちゃいました?」


「調子に乗らないで」

「へぶんっ!」



私は騎士団の副団長ジスルトと話していた。かれいわく女中が結婚を機に、仕事を止めたらしい。 その女中とは結構話す間柄だったので、寂しいと思う。


「もし姫の母君が陛下だったら他国に嫁がれる年の頃でしたね…」

「そうね貴方と離ればなれは嫌よ。もし嫁ぐならその時は貴方も連れていくでしょうね」

「それはさすがに、嫁ぎ先の王子に誤解を招きます」


なら嫌である。ifでも彼を置いて他国へ嫁ぐなどできない。

もしも、私が嫁ぐことになり、彼を置いていかなければいけないのならば、私は嫁ぐことは放棄する。

そうなればこの国は政略側の国から怒りを買い、戦いが起こったとしても。

たとえ国が滅びようと私は彼といたいと思うからだ。


■■


「はあ……」

「どうしたジスルト」


私はなぜあんなことを言ってしまったのだろう。

姫様に仕え、支える立場にある私が不安を増長させるなどあってはならないのに。


「ニオブライズ騎士団長」

「ルナ姫がらみか?」

「はい、実は……」

「姫がお前を好きで、例え話でも傍に置きたいと……自慢かよムカつくぜ」


騎士団長ニオブライズ、あの方に絶対の忠誠を誓った筈なのだが、それは間違いだったのか、最近は考えるようになってしまった。


■■


「あなた達、いい加減に距離を置いたらどうなのかしら」


私の従姉姫はとても気難しい。


「パージェ、ワタクシがなにを言いたいのかわかるわね?」


今日も理不尽な言い掛かりがはじまったのか。

わからないと言えば彼女は怒るどころか癇癪を起こすだろう。

お姉さまは難しい顔をして、ニオブライズやジスルトを睨む。


「あなたはワタクシの従妹姫という立場でありながら、下賤な雰囲気があるわ」

「たしかに母は下級貴族ですけど父親が平民の従姉様ほどではなくてよ?」


女王の座がほしいのか最近はより嫌味をいってくるが論破してやると苦虫を噛み潰したようにさる。


「騎士ジスルトよ、彼女の話では王女をたぶらかしたというな愚か者よ、そなたを断罪するぞ!」

「ちょ、お兄さまやめて!!」


私は兄の剣を魔法で吹き飛ばした。兄ガルスパールは王位継承兼がない為、魔法が使えないのだ。


「姫!」

「なぜだ……」

「彼は私をたぶらかしたわけではありません。彼女の話は女王になれない事に対するただの嫌がらせに他なりません」


冷静にいうと兄は落ち着いた。


「隣国から貴女に縁談よ」


手紙を眺めると結構な有名人だった。


「トゥペイズ王子ね」


王の三人目の子供で兄と姉がいるという。

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