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疲れてる先輩
僕は、わかった。この”白い人”の心配と願いが。
1ページと少し弾いた所で、僕は夏目先輩に聞いてみた・
「少し顔色が悪いように見えるんですけど、大丈夫っすか?」
先輩は、え?っていう顔で、手を頬にあてて言った。
「この所、家の手伝いが忙しくて、ちょっとダイエットしすぎた感じ?
顔色悪いかな 。睡眠時間が少ないせいかも」
「家の手伝いって?」掃除とか洗濯とか?こんなに痩せるかな?
「うちは、酪農やってるの、小規模だけど。家事と牛の世話を
、母の代わりにやってる。これが結構キツくて、部活は休部にして、
チャイムと同時にダッシュで帰る、買い物を途中でしてね」
軽く訳を話す先輩は、高校2年生にして、一家を支えてるんだ。
「それはキツいですね、でも無理しないで下さい。倒れたら大変だ」残念ながら、東京で育った僕には、先輩に協力出来るのは、ピアノの事だけかも。